鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2023-01-01から1年間の記事一覧

今はこの手のコメディ映画受難の時代ではあるかな?:映画評「アウト・ロー〜ギリ義理ファミリー」

主演のアダム・ディヴァインがこんな発言をしています。 「マーベルがコメディ映画をダメにした」と俳優のアダム・ディヴァインがコメディ映画の減少を嘆く https://jp.ign.com/guardians-of-the-galaxy-vol-3/69655/news/ まあ、言いたくなるのは分からなく…

恋愛映画?…ウェルメイドな小品です。:映画評「カレとカノジョの確率」

妻から教えてもらったNetflixオリジナル映画。 原題は「Love at First Sight」。 原作小説の題名は「The Statistical Probabllity of Love at First Sight」。 <一目惚れの統計的確率>…かな? 「一目惚れ」なんで、恋愛映画ではあるんだけど、そんなにラブ…

偉大なる男の陰に、虐げられた女の…と言う話じゃなかったw:映画評「AALTO」

妻に誘われて観に行きました。 フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトと最初の妻アイノ、後妻エリッサのドキュメンタリー。 「アアルト」っていうと、僕はガラス細工や椅子なんかの家具のイメージだったんですが、建築家だったんですね。不勉強、不勉強。 …

かなり凝った設定・物語です:読書録「法廷遊戯」

・法廷遊戯 著者:五十嵐律人 ナレーター:高野憲太朗 出版:講談社文庫(audible版) 「メフィスト賞」受賞作品で、今度映画化もされるようです。 audibleで見かけて、DL。 主人公(久我清義)が通うロースクールでは、「無辜ゲーム」という模擬裁判が遊び…

「まるでバーに入ったような小説」。うん、そういうの好きです。:読書録「世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。」

・世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。 著者:林伸次 出版:幻冬舎(Kindle版) 毎日のnoteで楽しませていただいているbar bossaの林さんの新作。 ファンタジー系の作品を集めた短編集です。 ちょっと積読があったり、audibleの積聴もあった…

ようやく一大名の調査を終えましたが…:読書録「下達」

・下達 隠密鑑定秘禄<三> 著者:上田秀人 出版:徳間時代小説文庫 母が好きな上田秀人の新刊。 帰省に合わせて読んで、実家に置いて帰ります。 松平定信の専横を防ぐために、自分が信頼できる腹心の大名を選ぼうと考える将軍・家斉。 その家斉の命を受けた…

読み始めると、最後まで行っちゃいます:読書録「あなたが誰かを殺した」

・あなたが誰かを殺した 著者:東野圭吾 出版:講談社 「加賀恭一郎」シリーズ最新作。 「あれ?<祈りの幕が下りる時>で加賀恭一郎シリーズって終わったんじゃなかったっけ?」 だったんですが、そうでもなかったようですw。 まあ「加賀恭一郎」の<過去>…

ディーヴァー版「ジャック・リーチャー」みたいになっていくのかな?:読書録「ハンティング・タイム」

・ハンティング・タイム 著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子 出版:文藝春秋(Kindle版) 「コルター・ショウ」シリーズ第4作。 3作目までは「3部作」的なつながりがあって、父親の死の裏側にある巨大な陰謀を暴く…って流れだったんですが、そこ…

え〜っと…「正義の味方」…ですよね?マッコールさん:映画評「イコライザー THE FINAL」

邦題は「THE FINAL」。 原題の方は「3」だそうです。 じゃあ、続編も…ですが、監督によるとやはりFINALとのこと。 まあ、妥当かな。 シチリアのマフィアを壊滅させたマッコールは負傷してしまい、アマルフィ海岸の小さな町で倒れてしまう。 重傷だった彼を街…

ヌルいっちゃあ、ヌルいけど、持ち味でしょうね、コレは。:読書録「ワニの町へ来たスパイ」

・ワニの町へ来たスパイ 著者:ジャナ・デリオン 訳:島村浩子 出版:創元推理文庫(Kindle版) 今週に入ったら、急に気温が下がって、朝晩は寒いくらいに。 ちょっと前は冷房が欠かせなかったのに… …ということで、熱や咳は出ないんだけど、週の頭から鼻風…

ロアルド・ダールの語り口が、ウェス・アンダーソンの演出と無茶苦茶マッチしてる:映画評「ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語」

僕はウェス・アンダーソン監督の良い観客ではないんですが(ファンタジックなタッチがちょっと苦手)、ロアルド・ダール原作のこの短編映画(39分)には感心させられました。 演劇的+紙芝居的(w)なウェス・アンダーソンの演出や淡いタッチが、ロアルド・…

ロマンチックでハッピーエンドの物語…だよね、これ?:読書録「1Q84」(再読)

・1Q84 BOOK1,BOOK2,BOOK3 著者:村上春樹 出版:新潮文庫(audible版) ハードカバーで出版された時、文庫化された時…に続いて3回目。 …だと思います。 今回はaudibleで、隙間時間にボチボチと聴いていました。 それでも終盤は気になって、一気<聴き>にな…

アシモフの原作は忘れちゃった方がいいかも。:ドラマ評「ファウンデーション シーズン2」

ガールとサルヴァーの母娘再会からスタートするAppleTV+オリジナルドラマのシーズン2。 「1」もそうだったんですが、前半ボチボチ観てたのが、最後の3話くらいで一気に…って感じでした。 話としては「ファウンデーションの危機」と「第2ファウンデーション…

右肩上がりのシリーズです。:読書録「グレイラットの殺人」

・グレイラットの殺人 著者:M.W.クレイヴン 訳:東野さやか 出版:ハヤカワ・ミステリ文庫(Kindle版) <ワシントン・ポー>シリーズ、第4作。 3作目の「キュレーターの殺人」が驚くべき展開でグイグイと引っ張ってくれたんですが、本作もまた…ほとんど一…

本格推理短編小説。好きな人は好きでしょうね。(僕は好きです):読書録「可燃物」

・可燃物 著者:米澤穂信 出版:文藝春秋 <彼らは葛をよい上司だとは思っていないが、葛の操作能力を疑う者は、1人もいない。> 「葛(クズ)だからな〜。フロスト警部みたいな人格的に欠陥のある、いい加減な刑事なんかな〜」 とか思いながら読み出したん…

楽しませてもらいました。:ドラマ評「VIVANT」

今クールでは唯一フォローしてたドラマ。 いつもは放送終了後の数日中にTVerで観るんですが、最終2話はリアタイで観ちゃいました。 気になったんやもんw。 まずは「面白かった〜」。 これだけの役者陣を揃えて、キャスティングに頼らずにシッカリ話を作り込…

続きを作って欲しいけど、ライカさんの話、終わらせちゃってるからなぁ。:映画評「劇場版ミステリと言う勿れ」

連続ドラマを観てた妻と娘と鑑賞。 結構、お客さん入ってました。 「ドラマの映画化」らしい豪華なキャスティング(あの役で松坂慶子!)。 でも「ドラマ」にもあった原作へのリスペクトとウェルメイド感はチャンと維持されています。 原作の改変もされてま…

過去からの長い手が…:読書録「ナイフをひねれば」

・ナイフをひねれば 著者:アンソニー・ホロヴィッツ 訳:山田蘭 出版:創元推理文庫(Kindle版) 「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズ第4作。 10作シリーズが予定されてるらしいですからね。 シリーズとしては折り返しにもまだ…。 でも単体として十分楽し…

ミステリ小説を読まなくなったミステリ専門書店の経営者の物語:読書録「8つの完璧な殺人」

・8つの完璧な殺人 著者:ピーター・スワンソン 訳:務台夏子 出版:創元推理文庫(Kindle版) ボストンでミステリ専門書店を経営しているマルコム。 ある日、彼の元にFBI捜査官グウェンが訪れる。 彼女は10年ほど前にマルコムが書いたブログ「完璧なる殺人8…

読み終えてみると、味のある邦題でした:読書録「処刑台広場の女」

・処刑台広場の女 著者:マーティン・エドワーズ 訳:加賀山卓朗 出版:ハヤカワ・ミステリ文庫(Kindle版) 舞台は1930年のロンドン。 コーラスガール殺人事件を解決した素人女性探偵レイチェル・サヴァナクに興味を持ち、取材しようとする若き事件記者ジェ…

漫画の実写化という意味では、かなり成功してると思います:ドラマ評「ワンピース」

「ワンピース」の連載開始は97年。 僕はもう社会人になってたし、「少年ジャンプ」を毎週読んだりはしてませんでしたが、評判になったのを知って、コミックスではフォローしていました。 …とは言え、長いですからねぇ(今は100巻を超えてるはず)。 お付き合…

見方によっては「トイストーリー3」っぽい:読書録「クララとお日さま」

・クララとお日さま 著者:カズオ イシグロ 訳:土屋政雄 ナレーター:近藤唯 出版:早川書房(audible版) 僕は「カズオ イシグロ」の良い読者ではありません。 長編で読んだのは「日の名残り」だけ。 「私を離さないで」は途中で脱落。あ、「夜想曲集」は…

AIが行動を指示する表現が面白い:映画評「ハート・オブ・ストーン」

ガル・ガドット主演Netflixオリジナルのスパイ・アクション映画。 なかなか派手な展開です。 MI6の新人IT担当官ストーン(ガル・ガドット)は、実は超国家的スパイ組織チャーターの凄腕スパイ。 チャーターは「ハート」というAIを活用して、全世界のあらゆる…

裁判の経過が放映されて、SNSやらYouTubeで拡散され、カオス状態:ドキュメンタリー「DEPP v. HEARD」

僕はジョニー・デップ、アンバー・ハードのどっちにも思い入れはないので、2人の泥沼裁判に特に興味はなかったんですが、Netflixでオリジナルドキュメンタリーシリーズ(全3回)がアップされたのをちょっと見始めたら、一気にラストまで…w。 直前に「リンカ…

現代のハードボイルド・シリーズとして、よくできていると思います:ドラマ評「リンカーン弁護士 シーズン2」

NetflixオリジナルTVシリーズのシーズン2。 シーズン1に続いてミッキー・ハラーを「マヌエル・ガルシア=ルルフォ」が演じます。 裁判で勝つためなら手段を尽くす。依頼人の有罪/無罪は関係ない。 …と言うのがミッキーの信条。 実際、ギリギリのところを突き…

なんか、読んじゃうんですよね…:読書録「ブルーハワイ」

・ブルーハワイ 著者:燃え殻 出版:新潮社(Kindle版) TV業界で裏方のようなことをしてたのが、ひょんなことから文章を書くようになって(多分最初はTwitter)、アレよアレよと言う間にベストセラー作家の仲間にりした「燃え殻」さんのエッセイ。 週刊新潮…

「バービー人形」に馴染みがないのがねぇ:映画評「バービー」

全世界大ヒット中…と言うこともあって、観てきました。 8月11日公開だから2週目…で、近くのシネコンでは一日3回(吹替版含む)の上映回数。 寂しいね。 「オッペンハイマー」とのキノコ雲コラボ騒動の影響か、フェミニズム映画への反発か… は分からないです…

主人公の醒めた視線が印象的:読書録「ハンチバック」

・ハンチバック 著者:市川沙央 ナレーター:くわばらあきら 出版:文藝春秋(audible版) 最悪のしまなみ海道事故渋滞中にaudibleで視聴。 1.5倍速で1時間半くらい…を渋滞中に聞き終えたのはラッキーなんだかアンラッキーなんだか。 同乗した息子は爆睡中で…

ストーリーの骨子はスゴくシンプルだと思うんですけどね:映画評「君たちはどう生きるか」

近所の映画館併設のモールに買い物に行った時、ふと思い出して映画館に行ってみたらパンフレットが発売されてみました。 しかしこれ、そんなネタバレもないやんw。 これなら公開と一緒に発売してもおかしくないような…。 鈴木マジックにやられました。 公開…

まあ欧米(特にアメリカ)の状況に比べりゃ、まだ日本はマシとも言えますが、徐々に…って気配もあるしなぁ:読書録「世界はなぜ地獄になるのか」

・世界はなぜ地獄になるのか 著者:橘玲 出版:小学館新書 リベラル化する社会を論じる、「上級国民/下級国民」「無理ゲー社会」に続く3作目。 論点が整理されてきたのか、いろいろな事案が積み重なって評価が定まってきたのか、3作の中では一番整理して論じ…