鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ミステリ小説を読まなくなったミステリ専門書店の経営者の物語:読書録「8つの完璧な殺人」

・8つの完璧な殺人

著者:ピーター・スワンソン 訳:務台夏子

出版:創元推理文庫(Kindle版)

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ボストンでミステリ専門書店を経営しているマルコム。

ある日、彼の元にFBI捜査官グウェンが訪れる。

彼女は10年ほど前にマルコムが書いたブログ「完璧なる殺人8選」を示し、そこで紹介されている犯罪小説を模して連続殺人が起きているのではないかという疑念を伝える。

半信半疑でグウェンと未解決変死体事件の詳細を調べるマルコムは、やがて自分自身の過去の深淵も覗き込むようになる…

 


<完璧なる殺人8選>にピックアップされているのは、

「赤い館の秘密」AA・ミルン

「殺意」フランシス・アイルズ

「ABC殺人事件」クリスティ

「殺人保険」ジェイムズ・M・ケイン

「見知らぬ乗客」パトリシア・ハイスミス

「溺殺者」ジョン・D・マクドナルド

「死の罠」アイラ・レヴィン

「シークレット・ヒストリー」ドナ・タート

(「溺殺者」「死の罠」は未訳)

これ他の作品(+クリスティの「アクロイド殺し」もかな)には作中でネタバレがあるので、未読の方は注意…

って、僕も「赤い館の秘密」「ABC殺人事件」「見知らぬ乗客」「アクロイド殺し」以外は読んでないですけどねw。

まあ、クリスティ・ハイスミスの有名作を読んでない人は注意…ではありますが、むしろ「読んでなくとも楽しめる」と言った方がいいかもしれません。

 


ミステリなんで具体的に踏み込んでコメントするのは憚れます。

ただまあ、題名や冒頭のシチュエーションからは

「お?本格ものかな?」

と思わせるんだけど、そう甘くはないですw。(僕がこの作者さんの作品は初めて読むので…と言うのはあるかも。愛読者だと「そんなストレートなもん、書くはずない」のは先刻ご承知かな)

8作品を下敷きに連続殺人を犯す犯人を追いかけつつ、物語は語り手「マルコム」自身の物語と錯綜しつつ、最後は「愛」の物語になると言う…

いやはや、なんとも「読ませる」作品です。

 


まあピックアップされてる8作品が「完璧な殺人」なのかどうかは、議論のあるところではありますがねw。

 


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