鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

15作目にして、安定した面白さを維持しています:読書録「真夜中の密室」

・真夜中の密室 著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子 出版:文藝春秋(Kindle版) 「リンカーン・ライム」シリーズ第15作。 もう「安定感」には全く心配がない…というか。 ディーヴァーについては「どんでん返し」がトレードマークみたいなモンで…

「社会」と「哲学」の接点を探る…っていうのが今の流行なんでしょうか:読書録「哲学の門前」

・哲学の門前 著者:吉川浩満 出版:紀伊国屋書店(Kindle版) bar bossaの林さんのnoteでちょっと紹介されてて、「面白そう」と思って購入。 ちなみに紹介されてたのは「右派/左派」の整理のところ。 そこ自体、「引用」なんですけど。 <そんななかで、目…

どっちも「歪な世界」にも見え、どっちも「普通の世界」にも見える:読書録「コンビニ人間」

・コンビニ人間 著者:村田沙耶香 ナレーター:大久保佳代子 出版:文藝春秋(audible版) 2016年芥川賞受賞作。 評判になったのは知ってたんですが、その中でストーリーに触れてる記事なんかも読んでたので、 「まあ、こんなもんかなぁ」 と思っちゃって、…

「ミステリー」は探偵の<過去>にある:読書録「殺しへのライン」

・殺しへのライン 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 訳:山田蘭 出版:創元推理文庫(Kindle版) 「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズ第3作。 ホーソーンとホロヴィッツはある島で開催される文芸フェスに参加する。 その島では開発絡みで深刻な住民たちの分…

オーディブック向き…というのは、意外に日本近代文学の成立につながるところがあるのかも:読書録「ミチクサ先生」

・ミチクサ先生<上・下> 著者:伊集院静 ナレーター:隈本吉成 出版:講談社(audible版) 「伊集院静」は最近、「大人の教養」シリーズがベストセラーになってますが、ちょっとそのことについては思うところがなきにしも。 だって、「伊集院静」といえば…

「ジョン・ウィック」、少し「グロリア」、そしてミッシェル・ヨー!:映画評「ガンパウダー・ミルクシェイク」

独特のルールを持った殺人組織に属していた殺人者が、「仕事」の過程で殺しちゃいけない人間を殺してしまい、結果、組織に見捨てられ、復讐の標的とされる …とまあ、どっかで観たような展開。 なにやら不思議な「施設」(本作では図書館)との関わり合いから…

「全体主義」的な風潮のリスクは感じられるところがある:読書録「ハンナ・アレント」

・今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢 著者:牧野雅彦 出版:講談社現代新書(Kindle版) <100ページで教養をイッキ読み! 現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!! 1:それは、どんな思想なのか(概論) 2:…

予想と1ミリも違いませんw:映画評「マリー・ミー」

ジェニファー・ロペス主演のロマンティック・コメディ。 世界的ポップスター・キャットは、人気歌手バスティアンとの結婚をコンサート会場で挙げる計画を立てていたが、その直前、バスティアンが自分の付き人と浮気をしていたことが発覚。 ステージに上がっ…

iPhone14をApple Storeで「機種変」しました。

iPhone14シリーズ。 「どうしよ〜かな〜」 と思いはしたんですけどね。 個人的には「2年ごと」に機種変していくパターンで、持ってるのが12Proだったで、タイミングではあったんですけど…。 正直いうと、デバイスとしての進化の魅力には「…」ではあります。 …

え?ここで終わんの?:ドラマ評「セヴェランス」

9月のAppleイベントの動画の最後に差し込まれてたのが、このドラマの「シーズン2」の予告か、あるいはARグラスの予告か…ってので、ちょっと話題になりました。 僕もイベント動画を見て、ちょっと気になって、第一話を観てみたら、 …これがマジで面白かった!…

題名は「偽悪的」っぽいけど、内容はそこまでじゃない:読書録「人は悪魔に熱狂する」

・人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学 著者:松本健太郎 ナレーター:神田武 出版:毎日新聞出版(audible版) マーケターであり、データーサイエンティストでもある作者が、行動経済学の視点から色々な事象を分析・解説した作品。 この本、発売された…

色んなフィクションを事例と引っ張って来てて、興味深く読めました:読書録「会話を哲学する」

・会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション 著者:三木那由他 出版:光文社新書(Kindle版) 漫画、小説、演劇、映画…と色々なフィクションから事例を取り上げて、そこで交わされる「会話」について分析・解説した作品。 作者は「会話」を<…

ポリティカル・コレクトという物語、反PCという物語:読書録「ただしさに殺されないために」

・ただしさに殺されないために 声なき者への社会論 著者:御田寺圭 出版:大和書房 「テラケイ」さんのエッセイ集。 「善意」から生まれ、ある種の社会的マナーにもなりつつあるポリティカル・コレクトに対して、その視点からは見えてこない層の存在について…

ラッセル・クロウが楽しそう:映画評「ソー:ラブ&サンダー」

最初の「神話」路線からコメディ路線に変更した「マイティ・ソー」の最新作。 批評家の評判はイマイチだけど、興行成績はマアマア(出足は好調だったけど、下落率も高かった)…って感じだったのか? まあ、そんな感じの映画でしたw。 ストーリーはかなり「?…

こんな展開しようとは…:読書録「ハヤブサ消防団」

・ハヤブサ消防団 著者:池井戸潤 ナレーター:杉山怜央 出版:集英社(audible版) チョット行き詰まりを感じてたミステリー作家が死んだ父親の実家を相続し、東京から引っ越す。 田舎付き合いから地元消防団に加わることになってしまい、そこから思わぬ事…

なんかね〜、観終わるのが惜しくてね〜:ドラマ評「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」

評判の良い韓国ドラマ…ってのは知ってたんですよね。 「ど〜しよ〜かな〜」 …と10話くらいまで更新されるタイミングまでは逡巡してたんですが、チョット時間ができた時に1話観てみて… ハマりました。 主人公は自閉症スペクトラムの女性。 驚異的な記憶力でソ…

一枚上手の兄貴…ってのはホームズっぽいw:読書録「ファイナル・ツイスト」

・ファイナル・ツイスト 著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子 出版:文藝春秋(Kindle版) 「コルター・ショウ」シリーズ第3弾。 殺された父親が追いかけていた「陰謀」を巡る3部作のラストとなります。(シリーズは続いていますが) 父親が追い…

デジタルやAIを道具として使い切る:読書録「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」

・オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る 著者:オードリー・タン、プレジデント書籍編集チーム 出版:audible 台湾のデジタル担当政務委員オードリー・タンについては、山ほど記事なんかは読んでるものの、まとまった書籍は読んだことなかったので、au…

車の運転中に聴くのに向いてる:読書録「きれいになりたい気がしてきた」

・きれいになりたい気がしてきた 著者:ジェーン・スー ナレーター:堀井美香 出版:audible ジェーン・スーと堀井美香のPodcast番組「オーバー・ザ・サン」は、夫婦してお気に入りのプログラム。 週末のドライブやリビングでのティータイムに二人で聴いてま…

ワンカット風「ジョン・ウィック」×1.5倍速:映画評「カーター」

記憶を失った男が、耳に入れられたマイクからの指示に基づき、囚われた少女を助け出し、一緒に逃避行する …という設定のNetflixオリジナル・アクション映画。 冒頭の襲撃シーンから、風呂場(?)でのヤクザ大殺戮シーンに一気に雪崩れ込むんですが、 「いや…

保守/革新の2大政党では政権交代を定着させるのは難しいと、僕も考えています:読書録「歴史検証 なぜ日本の野党はダメなのか?」

・歴史検証 なぜ日本の野党はダメなのか? 「自民党一強」を支える構造 著者:倉山満 ナレーター:菅沢公平 出版:光文社新書(audible版) audibleで題名を見て、「面白そう」と思って聴き始めたんですが、聴いてるうちに「?」な感じに。 なんか書きっぷり…