鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録

「見方を変えれば…」という話:読書録「シン・日本の経営」

・シン・日本の経営 悲観バイアスを排す著者:ウリケ・シェーデ 訳:渡部典子出版:日経プレミアム(Kindle版) 「<失われた30年>とか言われてるけど、日本は後進国に下落したわけでもなく、まだ世界の経済大国に留まり続けている。それはなぜだろう?」と…

設定に無理が…は野暮ですな:読書録「アリバイ崩し承ります」

・アリバイ崩し承ります著者:大山誠一郎 ナレーター:友木えりこ出版:実業之日本社文庫(audible版) 「ゲームの王国」が重量級過ぎたので、ちょっと次は軽いので…ということでチョイスした作品。本格推理の連作短編集。ちょうどよかったですw。 腕時計の…

結局二人はカンボジアを救うことを放棄したってことかなぁ:読書録「ゲームの王国」

・ゲームの王国<上・下>著者:小川哲出版:ハヤカワ文庫(audible版) 1956年から2023年まで、カンボジアを舞台に、ポル・ポトの隠し子ソリヤと、数学の天才ムイタックの錯綜する人生を追いかけた作品。出版は2017年ですので、後半は「近未来」を描いてい…

う〜ん、サマンサ/ジャービスにはまだちょっと距離があるかな?:読書録「機能拡張」「その仕事、AIエージェントがやっておきました」

・機能拡張著者:坂田幸樹出版;クロスメディア・パブリッシング(Kindle版) ・その仕事、AIエージェントがやっておきました。ChatGPTの次に来る自律型AI革命著者:西見公宏出版:技術評論社(Kindle版) chatGPTの最新機能を確認してみて、勢いで映画「her…

「源氏物語」が二人の関係において持つ意味:読書録「紫式部と藤原道長」

・紫式部と藤原道長著者:倉本一宏出版:講談社現代新書 大河ドラマ「光る君へ」の時代考証担当がまとめた主人公二人に関する考察本。まあ、「便乗本」っちゃあ便乗本ですが、作者としては思うところもあるようです。 <紫式部と道長が二〇二四年の大河ドラ…

風来坊なのに事件に遭い過ぎ:読書録「蟬かえる」

・蟬かえる著者:櫻田智也 ナレーター:浅井晴美出版:東京創元社(audible版) 「サーチライトと誘蛾灯」に続く、昆虫好きの風来坊(?)・エリ沢泉シリーズの第二作(「エリ」は「魚」へんに「入」)。短編5作を収録した緩い連作短編集になります。 蟬かえ…

こんな機能のVRはまだまだ実現できないでしょうけど:読書録「名探偵に甘美なる死を」

・名探偵の甘美なる死を著者:方丈貴恵 ナレーター:浅井晴美出版:東京創元社(audible版) <竜泉家の一族>シリーズ第3弾。このシリーズは「特殊条件下の不可能犯罪」をテーマにしてるんですが、今回の<特殊条件>は「VR」。 世界有数のゲーム会社メガド…

最後の作品集…にはならんよねw:読書録「カーテンコール」

・カーテンコール著者:筒井康隆出版:新潮社(Kindle版) 「これがわが最後の作品集になるだろう。」(帯より)んな訳ないよね。まだ連載とかしてるみたいですしw。でもまあ、カウントダウンは確かに…(89歳やもん)。 各紙に発表された掌編25篇をまとめた…

「今できること」を確認しとこうと思いまして。:読書録「面倒なことはchatGPTにやらせよう」

・面倒なことはchatGPTにやらせよう著者:カレーちゃん、からあげ出版:講談社(Kindle版) 「カレーちゃん・からあげ…って何だよ」ですがw、AIエンジニアと松尾研究室所属のデータサイエンティストとのこと。軽いですが、書籍の中身はしっかりしています。 …

ちょっとオフビートな感じもあるけど、ちゃんと歴史小説になっている:読書録「極楽征夷大将軍」

・極楽征夷大将軍著者:垣根涼介 ナレーター:菅沢公平出版:文藝春秋(audible版) 第169回直木賞受賞作。「やる気なし」「使命感なし」「執着なし」の足利尊氏が、なぜ武門の棟梁となり、鎌倉幕府を滅ぼし、建武の新興を終わらせ、足利幕府の時代を迎える…

「家畜」じゃなくて、「ニュー・タイプ」とでも言ってみたら:読書録「人間はどこまで家畜か」

・人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造著者:熊代亨出版:ハヤカワ新書(Kindle版) 精神科医・熊代亨さんの新作。…と言っても、熊代さんの「書籍」を読むのは(多分)初めて。ブログ(シロクマの屑籠)の方はずっと読ませていただいてるんですけどね〜w…

車の定期点検を待つ間に読み終えましたw:読書録「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」

・デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界著者:村上春樹出版:文藝春秋 アルバムジャケットを紹介する村上さんの作品としては「古くて素敵なクラシック・レコードたち」「更に古くて素敵なクラシック・レコードたち」があります。2作とも「なる…

落語ネタが多いねw:読書録「中野のお父さんと五つの謎」

・中野のお父さんと五つの謎著者:北村薫出版:文藝春秋 高校教師のお父さんと編集者の娘のシリーズ第4弾。第4弾?3作目読んだっけ?…と思ったら、読んでました。「中野のお父さんの快刀乱麻」。面白いんだけど、すぐに内容忘れちゃうんですよね〜…って、前…

本の感想じゃないですw。:読書録?「シニアエコノミー」

・シニアエコノミー 「老後不安」を乗り越える著者:大前研一 ナレーター:デジタルボイス出版:小学館新書(audible版) 「超高齢化社会」を迎えた日本において、シニア層をターゲットとしたビジネスを立ち上げることで、日本社会の活性化を図る…と言う内容…

シリーズ第3弾…なのかな?:読書録「黙示」

・黙示著者:今野敏 ナレーター:水越健出版:双葉文庫(audible版) 警視庁捜査3課の萩尾・武田コンビの活躍を描くシリーズ第3弾。…なんですが、ちょっと前2作とは趣気が違うかな?前2作についてはテーマに「師弟」「継承」と言ったものがあって、職人的な…

「京都」と言う土地が呼び込む不思議:読書録「八月の御所グラウンド」

・八月の御所グラウンド著者:万城目学 ナレーター:高坂篤志出版:文藝春秋(audible版) 直木賞を受賞したことはもちろん知ってたんですが、手に取るきっかけは父の七回忌で会った妹が薦めてたから。調べたら早々にaudibleになってたってのもありますw。 …

興味深く読んだんですが、「教養」とどう繋げればいいのかな?:読書録「教養の人類史」

・教養の人類史 ヒトは何を考えてきたか?著者:水谷千秋出版:文春新書(Kindle版) 国史学を専攻されておられる著者が大学(堺女子短期大学)での教養科目の講義をベースにして書かれた著作。新聞の書評欄で取り上げられているのを見かけて、「面白そう」…

これも読後感は良いんですけど、いいのかな?それで。:読書録「孤島の来訪者」

・孤島の来訪者著者:方丈貴恵 ナレーター:浅井晴美出版:東京創元社(audible版) 「時空旅行者の砂時計」に続く<竜泉家の一族>シリーズ第2弾。前作に続き、「マイスター・ホラ」(AIタイムマシン)が道案内を勤めます…って、最初と「読者への挑戦」に顔…

荒唐無稽な設定で本格推理…だけどまあw:読書録「兇人邸の殺人」

・兇人邸の殺人著者:今村昌弘 ナレーター:浅井晴美出版:東京創元社(audible版) 「屍人荘の殺人」「魔眼の匣の殺人」に続くシリーズ第3弾。特殊条件での密室(孤立した館)もの…と言うのがシリーズの特徴ですが、「密室条件」としては2作目は1作目のぶっ…

「ハルシネーションがね〜」とか言って思考停止になっても仕方ない:読書録「生成AIで世界はこう変わる」

・生成AIで世界はこう変わる著者:今井翔太出版:SB新書(Kindle版) ChatGPTとかの生成AIに関しては、とにかく機能向上・追加の速度が早くて、出版物で情報をフォローするのは難しいんですが(作者も指摘しています)、とりあえずこの段階での頭の整理を個…

師匠と弟子の物語:読書録「真贋」

・真贋著者:今野敏 ナレーター:水越健出版:双葉文庫(audible版) 盗犯を担当する警視庁捜査三課の萩尾・武田コンビを描くシリーズ第2作。前作にも若干そう言う側面は描かれていましたが、本作はメインテーマとして「師匠と弟子」(技術の継承)に焦点を…

短編の方が向いてるかも:読書録「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」

・ブラック・ショーマンと覚醒する女たち著者:東野圭吾出版:光文社 コロナ禍の観光地で、兄の殺人事件の謎を追う元・マジシャンの活躍を描いた「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」の続編。前作は長編でしたが、今作は6篇の短編が収められた短編集…

いやぁ、泣けた、泣けた。:読書録「まいまいつぶろ」

・まいまいつぶろ著者:村木嵐 ナレーター:土屋トシヒデ出版:幻冬舎(audible版) 口が回らず、誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)」と呼ばれた9代将軍、徳川家重と、ただ1人、彼の言葉を…

後味の良さに好感が持てます:読書録「時間旅行者の砂時計」

・時間旅行者の砂時計著者:方丈貴恵 ナレーター:浅井晴美出版:東京創元社(audible版) 「名探偵に甘美なる死を」が評判になってて、読んでみようかな…と思ったら、あれってシリーズものの3作目なんですね。で、その<竜泉家の一族>シリーズの1作目がaud…

さすがに「成瀬ふたたび」じゃなかったw:読書録「成瀬は信じた道をいく」

・成瀬は信じた道をいく著者:宮島未奈出版:新潮社 大津から天下を狙う「成瀬あかり」の奇妙な日々を描く第二弾。今回は高3から京大1回生の期間が描かれています。 小学生を弟子に迎え入れ(ときめっ子タイム)、京都で一人暮らしをすると父に誤解され(成…

千年も前から「自分探し」はあるんやなぁ、と:読書録「紫式部ひとり語り」

・紫式部ひとり語り著者:山本淳子出版:角川ソフィア文庫(Kindle版) 「光る君へ」関連本シリーズ。…って、本書は便乗本じゃなくて、結構前に書かれたものですけどね。(2011年刊行)「道長ものがたり」から<紫式部>本人のものがたりに踏み込んでみた…っ…

リスベットの復讐譚の終着としては悪くないかな?:読書録「ミレニアム6 死すべき女」

・ミレニアム6 死すべき女<上・下>著者:ダヴィド・ラーゲルクランツ 訳:ヘレンハルメ美穂出版:ハヤカワ・ミステリ文庫(audible版) スティーグ・ラーソンが最初の三部作を書き、彼の死を受けてラーゲンクランツが書いた新しい三部作の最終巻。リスベッ…

この作家のモデルは…:読書録「一夜 隠蔽捜査10」

・一夜 隠蔽捜査10著者:今野敏出版:新潮社 待望の「隠蔽捜査」シリーズ長編10作目。神奈川県警刑事部長となってからは長編3作目(本作の前に短編集があります)になります。 有名作家・北上輝記が誘拐されたとの一報が竜崎の元に入る。しかし誘拐犯からの…

AI時代におけるアクティブ・ファンドの生き残り戦略…みたいなものかな?:読書録「『日経平均10万円』時代が来る!」

・「日経平均10万円」時代が来る!著者:藤野英人出版:日本経済新聞出版(Kindle版) 「ひふみ」の藤野英人さんの新刊。僕は FBで割と藤野さんの発言はフォローしてて、ちょっとファンみたいなところもあるので(「ひふみ投信」もちょっとだけ持ってますw)…

紫式部をどう絡めてくるのかな?:読書録「道長ものがたり」

・道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのかー著者:山本淳子出版:朝日選書 今年の大河ドラマ(「光る君へ」)のアンチョコ本としてw。「便乗本」…ですが、作者は「源氏物語」の研究者で、本書も「大鏡」「栄花物語」のほか、一級資料にも多く言及…