鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録

民主主義を目指したとは思えないけど、信長の先駆けのような人物だったのかも、と:読書録「じんかん」

・じんかん 著者:今村翔吾 ナレーター:堂島颯人 出版:講談社(audible版) 支えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くす その果てに、信長に反旗を翻し、天下の名茶器・平蜘蛛と共に、爆死する。 …と、キャラ立ちまくりの戦国武将…

ChatGPTでAIの実装が実感されるようになったタイミングにドンピシャw:読書録「魔女と過ごした七日間」

・魔女と過ごした七日間 著者:東野圭吾 出版:角川書店 東野圭吾の「ラプラスの魔女」シリーズ、第3弾。 「ラプラスの魔女」、個人的にはピンとこないところも少なからず・・・なんですが、なぜか3作目もソッコーで買っちゃいました。 妻が東野圭吾作品好き…

引越しできないご近所とどう付き合っていくかってのは真剣に考えなきゃいけない:読書録「京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。」

・京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。 著者:ムーギー・キム ナレーター:岩瀬遼平 出版:東洋経済新報社(audible版) ムーギー・キムさんの著作は「最強の働き方」と「最強の健康法…

<彼ら>を知るためじゃなくて、<自分>の世界観の解像度を上げるために知りたい:読書録「世界と私のA to Z」

・世界と私のA to Z 著者:竹田ダニエル 出版:講談社(Kindle版) 「Everything Everywhere All at Once」を観たときに、自分たちの世代のミッシェル・ヨーたちの視点に立ちつつも、その娘が「絶望」と「虚無」にとらわれ「混乱」している姿がすごく気にな…

読む順番が違っちゃいましたw:読書録「新・教場」「教場X」

・新・教場 ・教場X 刑事指導官・風間公親 著者:長岡弘樹 出版:小学館、小学館文庫 4月から木村拓哉主演で「教場0」が連続ドラマでスタート。 そのタイミングで、原作シリーズの最新刊「新・教場」が発売。 「こりゃ読まなきゃ」 と思って、早速購入したん…

「ナカタさんとホシノ青年の物語」として聴き直しました:読書録「海辺のカフカ」

・海辺のカフカ<上・下> 著者:村上春樹 ナレーター:木村佳乃 出版:新潮文庫(audible版) 単行本が出た時に1回。 文庫本になって、1回か2回。 でもまあ、10年くらいは経ってますかね。最後に読んで。 今回はaudibleで聴いてみました。 基本的に「カフカ…

「ネットは便所の落書き」世代と思ってたんだけど、違うの?:読書録「シニア右翼」

・シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか 著者:古谷経衛 出版:中公新書ラクレ(Kindle版) ネット右翼に近いところで活動していた経験を持つ作者による「裏切り」の書。 <私は現在革新とかリベラルとみなされている政治勢力や、与党であっても個々…

「お仕事小説」の一種かな?:読書録「お探し物は図書室まで」

・お探し物は図書室まで 著者:青山美智子 出版:ポプラ文庫 通勤電車で読んでいて、事務所のある京橋駅で降りるとき、向かいに立っている30代くらいの女性を見ると、彼女も同じ本を読んでいました。 僕は出たばかりの文庫で、向こうは図書館で借りたハード…

ハードボイルドって、いつの間にやら時代遅れ感が強くなった気がする:読書録「大いなる眠り」

・大いなる眠り 著者:レイモンド・チャンドラー 訳:村上春樹 ナレーター:古屋敷悠 出版:早川書房(audible版) 双葉十三郎訳で2、3回。 村上春樹訳で1回。 …で、今回オーディオブックで村上春樹訳で「再読」ということになります。 中身については、どう…

「大森署」は安泰ですなぁw。:読書録「署長シンドローム」

・署長シンドローム 著者:今野敏 出版:新潮社 隠蔽捜査シリーズの最新作「審議官」の一編で登場した、竜崎の後任の大森署長・藍本小百合が主人公の新作。 「審議官」を読んだ時、 「これはいいキャラだなぁ」 と思い、もっと読みたい気分になったんですが…

この作品をaudibleで通勤途上に聴いてるってのが間違いかもw:読書録「スマホ時代の哲学」

・スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 著者:谷川嘉浩 ナレーター:楯野煌人 出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン(audible版) ポップな表紙が目について、ついついDLして聴いてしまいました。 京大出身で、プロとして「哲学者」をされている方…

エンタメだけど主張もある:読書録「民王」「民王 シベルアの陰謀」

・民王 ・民王 シベリアの陰謀 著者:池井戸潤 ナレーター:金田明夫 出版:角川書店(audible版) 最近になって続編の方(シベリアの陰謀)が発売されたのは知ってて、そちらが早々にオーディオブック化されたことから遡って前作も聴いてみることに。 1作目…

「特別な僕」の物語。…まあでも、一人称小説って、そんなもんでしょw:読書録「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 著者:村上春樹 ナレーター:大森南朋 出版:新潮文庫(audible版) 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は村上春樹作品の中では初期3部作(+ダンス・ダンス・ダンス)に並んで好きな作品。 何回…

「答え合わせ」的ではあるけど、興味深くは読めました:読書録「コスパで考える学歴攻略法」

・コスパで考える学歴攻略法 著者:藤沢数希 出版:新潮新書 我が家の2人の子供は18歳と16歳。 2人とも私立の一貫校に行ってるので、本書について言えば「今更」ではあります。 中学受験用の塾の話とか、日本の中高教育の評価とか、かなり具体的で興味深いん…

「事件」より、刑事たちの「人生」の行方の方が気になります:読書録「P分署捜査班 寒波」

・P分署捜査班 寒波 著者:マウリツィオ・ジョバンニ 訳:直良和美 出版:創元推理文庫(Kindle版) ナポリを舞台にした、エド・マクベイン「87分署」シリーズにオマージュを捧げる「P分署」(ピッツォファルコーネ署)シリーズ第3作。 今作では、「兄妹」が…

だらだらシリーズにしてもいいのに…:読書録「校閲ガール ア・ラ・モード」「校閲ガール トルネード」

・校閲ガール ア・ラ・モード ・校閲ガール トルネード 著者:宮木あや子 ナレーター:中嶋ヒロ 出版:角川文庫(audible版) 面白いシリーズになりそうなので、ゆっくり読もう(聴こう)と思ってたんですが、ちょっと時間ができた時に2巻(ア・ラ・モード)…

「ビジネス・マナーとしてのフェミニズム」くらいの感覚で手に取ったんですが、思ってたよりよく整理されてました:読書録「世界一やさしいフェミニズム入門」

・世界一やさしいフェミニズム入門 早わかり200年史 著者:山口真由 出版:幻冬舎新書(Kindle版) 「フェミニズム」については現代的イシューとして重要なことは理解しているものの、なかなか近寄りがたいのも事実。 作者も過去の経験から、<世間とフェミ…

いやぁ、オモロかった:読書録「校閲ガール」

・校閲ガール 著者:宮木あや子 ナレーター:中嶋ヒロ 出版:角川文庫(audible版) 「石原さとみ」主演でドラマ化されてましたね。 妻と娘が大好きで…なんですが、僕は観てません。 チョット苦手なんですよ。石原さとみ。 …なのに読んで(聴いて)みる気に…

楽しみなシリーズになりそうです。:読書録「木曜殺人クラブ 二度死んだ男」

・木曜殺人クラブ 二度死んだ男 著者:リチャード・オスマン 訳:羽田詩津子 出版:ハヤカワミステリ(Kindle版) リタイアした高齢者が住むビレッジ「クーパーズ・チェイス」に住む老人たちのクラブ<木曜殺人クラブ>の面々を主人公としたシリーズ第2作。 …

刺激的な題名ですが、これは編集者の提案のようです。「気づき」を得るために読む本…でしょうか。:読書録「高学歴親という病」

・高学歴親という病 著者:成田奈緒子 出版:講談社+α新書 小児科医であり、脳発達を研究される学者であるとともに、子育て支援のための事業「子育て支援アクシス」を運営される作者による「子育て本」。 山中伸弥さんの同級生…というのが「売り」になっち…

一番「謎」なのは探偵役w。:読書録「サーチライトと誘蛾灯」

・サーチライトと誘蛾灯 著者:櫻田智也 ナレーター:浅井晴美 出版:創元推理文庫(audible版) 続編(「蝉かえる」)の文庫化の記事を読んで、シリーズ1作目が気になり、audibleで検索したところ、あったので。 「えり沢」(「えり」は魚へんに「入」)と…

「イヤミス」じゃあ、ないんだけど…:読書録「Iの悲劇」

・Iの悲劇 著者:米澤穂信 ナレーター:村上紀生 出版:文春文庫(audible版) 無人になった集落を再生させる市長肝入りのIターンプロジェクトを差配する「甦り課」。 なんとか定住者を呼び込むものの、なぜか色々な事件が起きて、住民が次々と去っていく… …

話題に乗ってみました。:読書録「すべて真夜中の恋人たち」

・すべて真夜中の恋人たち 著者:川上未映子 ナレーター:小林さやか 出版:講談社文庫(audible版) この作品が「全米批評家大賞」の最終候補作になったというニュースを読んで、audibleを検索してみたらあったので聴いてみることに。 流行りもんに踊らされ…

この題名でいいのかな?:読書録「ネット右翼になった父」

・ネット右翼になった父 著者:鈴木大介 出版:講談社現代新書(Kindle版) デイリー新潮のこの記事は興味深く読んだ覚えがありました。 <亡き父は晩年なぜ「ネット右翼」になってしまったのか> https://www.dailyshincho.jp/article/2019/07251101/?all=1…

犬を飼ってなきゃ、多分読まなかった(聴かなかった)と思いますw:読書録「犬を盗む」

・犬を盗む 著者:佐藤青南 出版:実業之日本社(audible版) 偏狭な人柄で孤独に暮らしていた資産家の老女が殺害される。 彼女は一匹の犬(ロングコートチワワ)を飼っていたが、その犬は1年前に13歳で死んでいた。 事件から程なくして、彼女の家に近いコン…

「何が起きているか」を知るのには向いているけど、「どうしてなのか」については、もう一歩踏み込んで欲しい:読書録「非科学主義信仰」

・非科学主義信仰 揺れるアメリカ社会の現場から 著者:及川順 出版:集英社e新書(Kindle版) 2019年から2022年、NHKでアメリカからリポートしている記者が、放映に際して取材した内容なんかも加味して、アメリカで深刻化する「分断と対立」について、現地…

安心して「隠蔽捜査」のエッセンスを楽しめます:読書録「審議官 隠蔽捜査9.5」

・審議官 隠蔽捜査9.5 著者:今野敏 出版:新潮社 大森署長から神奈川県警刑事部長に異動になった「竜崎伸也」の、異動後を描く短編集。 9つもあるので、短編としてもかなり短め。 竜崎視点の作品もありますが、竜崎の家族(妻・娘・息子)視点、竜崎異動後…

「階級闘争」…う〜ん、そこまで来てるんだろうか?でも、まあ…:読書録「新しい階級闘争」

・新しい階級闘争 大都市エリートから民主主義を守る 著者:マイケル・リンド 監訳:施光恒 訳:寺下滝郎 解説:中野剛志 出版:東洋経済新報社(Kindle版) 西側諸国で大きな問題となっている「分断」の問題は、「政党」や「左右イデオロギー」の対立という…

上田秀人パラレルワールド?:読書録「隠密鑑定秘録 退き口・恩讐」

・隠密鑑定秘録 退き口・恩讐 作者:上田秀人 出版:徳間時代小説文庫 弾丸帰省の間に読み終えて母に置いて帰るための「上田秀人」本w。 「奥右筆秘帳」の外伝を読んだ流れで、同じく将軍・徳川家斉の時代を舞台にした新シリーズの1巻・2巻に手を出してみま…

結局、この4人の物語でしたね:読書録「奥右筆外伝 前夜」

・奥右筆外伝 前夜 著者;上田秀人 出版:講談社時代小説文庫 「奥右筆秘帳」シリーズは大半をaudibleで聴いたんですが、この外伝はまだaudibleになっていないので、久しぶりのリアル本での「奥右筆秘帳」。 シリーズの主要登場人物4人の、シリーズ開始前の…