近所の映画館併設のモールに買い物に行った時、ふと思い出して映画館に行ってみたらパンフレットが発売されてみました。
しかしこれ、そんなネタバレもないやんw。
これなら公開と一緒に発売してもおかしくないような…。
鈴木マジックにやられました。
公開直後に観に行って、流石にすぐに書くのはマズかろうと控えたんですが、パンフも発売されたしw、もういいですかね。
かなりネタバレ記事も出てますし。
…と言っても、そんなネタバレすることはないです。
ストーリーはすごく単純。
「母親を亡くした少年が、新しい母親に複雑な感情を持ち、自分を持て余している。
ある日、ふとしたキッカケで不思議な世界に迷い込んだ少年は、その世界を冒険する過程で自分を見つめ直し、実母のいなくなった世界での自分の有り様を見出す」
…みたいな。
この手の王道ファンタジーじゃないですかね。骨子としては。
複雑になるのは、枝葉の方で、
この少年が迷い込む異世界が、少年の一族の秘密に繋がっているらしきこと。
そこで死んだ母親と再会し、その妹である新しい母親の違う側面にも触れ、行方不明になった「大伯父」が抱える<世界>の相続を申し出られ…
ってな感じで少年は振り回されます。
そこに案内役のサギ男やら、老婆/漁師の女やらが絡んできて、インコが飛び交い、魂が宙に浮かんび、ペリカンが空を舞い、焼かれます。
過去の宮崎作品のオマージュのようなシーンも錯綜し、なんとか「解釈」しようとするこっちの気持ちや頭を置いてきぼりで物語はドンドン進んでいく。
挙げ句、宮崎作品の象徴じゃないかと言われるような積み木まで登場してくると…というあたりが、「わかりづらい」ってなるんじゃないでしょうか。
あくまでストーリーはシンプルなんですが。
過去の宮崎作品では「崖の上のポニョ」を連想しました。
あれもまあ、ストーリーの骨子は単純。(少年に助けられた海底世界の少女が、少年と一緒に生活したくて、陸上世界にやってくる)
そこに洪水やら、ビッグマザーやら、マッドサイエンティストやら、老人ホームの老人たちやら、太古の海中生物たちやらが絡んできて、「なんじゃこりゃ」となるんだけど、考えてみたら、話は単純、と。
思い返してみたら、圧倒的な宮崎タッチの絵ばかりが思い出されるんですよね、ポニョは。
そういう意味じゃ、「君たちは〜」に足りないのは、その圧倒的な「宮崎タッチの絵」かもしれません。
岡田斗司夫さんは「魔法の粉」とか言ってたかな、それを。
ただじゃあ、「君たちは〜」の作画/アニメが、過去の宮崎作品に劣るかっていうと、そんなことはなくて、そこは宮崎さんのようではないけれど、現在の日本アニメ界の最高水準の絵が惜しみなくつっこまれている。
(ここら辺の話は文藝春秋で作画監督の本田雄さんが話されてるのが無茶苦茶面白いです)
冒頭の火事のシーン。
あれが「手書き」ってのは信じられない。
あそこは絶対CGだと思ってたのに…。
まあ、好き嫌いはある作品です。
「君たちはどう生きるか」
う〜ん、僕も「好き」とまでは言えないかなぁ。
嫌いじゃないし、面白いとも思うけど。
でも多分何回かは見直すと思います。
それだけの作品ではある。
宮崎駿最後の作品。
…には、多分宮崎さんの主観的にはならないでしょうね。
体調とか壊しちゃって作れなくなるってことはあるかもしれないけど、
でもそれが一番、宮崎さんにはふさわしいんじゃないかと。
次回作、期待してます。
あ、作画監督(本田雄)を取られちゃった庵野秀明さん。
「ナウシカ」続編、ぜひやって下さい。
それだけの借りは宮崎さんはあると思いますよ。
宮崎駿プロデュースでやってもいいんじゃ…いや、喧嘩になるか、それはw。
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