鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

重要なのは勝敗じゃない:映画評「ひゃくえむ。」

「チ。」で名前をよく聞く魚豊さんの、別の原作『ひゃくえむ。』の劇場アニメ。
…って僕は「チ。」の方は漫画もアニメも見てないんですけどねw。
こちらもちょっと評判になってるんで、Netflixで配信されたのっで見てみました。

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(ChatGPT)
作品概要
公開:2025年9月19日 劇場公開
106分/G
原作:魚豊『ひゃくえむ。』(講談社「マガジンポケット」)
監督:岩井澤健治 脚本:むとうやすゆき
アニメーション制作:ロックンロール・マウンテン
音楽:堤博明/主題歌:Official髭男dism「らしさ」
声の出演(主要):トガシ=松坂桃李/小宮=染谷将太(笠間淳、高橋李依、内山昂輝、津田健次郎 など)
配信:Netflixで世界独占配信(配信開始:2025年12月31日)

 

あらすじ
生まれつき足が速く、速さによって「友達」も「居場所」も手に入れてきた少年トガシ。
ある日、つらい現実を忘れるために、ただがむしゃらに走っていた転校生の小宮と出会う。トガシは小宮に速く走る方法を教え、放課後に2人で練習を重ねるうち、小宮は記録に貪欲になり、2人はライバルとも親友ともいえる関係になっていく。

数年後——天才スプリンターとして名を馳せる一方、勝ち続けなければならない恐怖に怯えるトガシの前に、トップスプリンターとなった小宮が現れ、2人の関係と“100m”への執着が、さらに加速していく。

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あらすじだけ聞いてると天才型の主人公と努力型のライバルの物語みたいな感じなんですけど、映画自体は天才型の主人公に焦点を当てた構成になっています。
どうも原作ではもう少しライバルの方にもスポットが当たってたらしいんですけどね。
まあ、これはこれで2時間弱に収めるためには仕方がないし、それなりにストーリーがはっきりとして分かりやすくはなってると思います。


右往左往、アップダウンのある主人公の競技人生の中で、
「100メートルを誰よりも速く走れば全部解決する」って主人公の哲学が、いろいろ振り回され、揺らぎ、忘れられはするものの、最後の最後に、もう一度そこにたどり着く、そんな感じの物語になっています。


だから肝心要の時には、勝敗が明らかにならない。
ただ走るっていうことだけが描かれる。


まあ、これはこれでいいんじゃないですかね。
僕は好きですよ。
その先の人生は…作品としてはどうでもいいっちゅう…


結構キャラクターがみんなキャラ強めなんで、そこで好き嫌いはあるかもしれませんが、そこがいいとも言えるんですよね。
独特の哲学をみんな持ってるんですけど、その哲学が100メートルの中に集約されていくっていうのもなかなかの構成になってると思います。
絵も癖もありますから好き嫌いはまああると思いますけれど、ハマったらハマる
そんな作家さんなんだろうと思います。


僕はどうかな…
うん、確かにいいと思うんだけど、これで漫画の方に手を出そうとまでは今のところはいかないかな。
まあ、ちょっと微妙なところはありますねw。


アニメーションとしては結構面白い表現方法を使ったりもしているので、そういう面に注目して見るっていうのはあるかもしれません。そんなに長くないですから、時間があったら見てみるのはおすすめです。


#映画感想文
#ひゃくえむ
#Netflix

AIを人類に役立つものに:映画評「The Thinking Game 」

2026年のAIがどういう風になるかっていう予想に関するYouTubeの動画をいろいろ見ている中で、引っかかってきたのがこの作品でした。

DeepMind(ディープマインド)の創設者であるデミス・ハサビスを軸にして、DeepMindがAlphaFold(アルファフォールド)、タンパク質の構造を予測するやつだよね、あれの開発にどういう風に取り組んできたかっていうのを描いたドキュメンタリーです。
https://youtu.be/d95J8yzvjbQ?si=rLC9Awe21bwFmliF

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(ChatGPT)
作品概要
Google DeepMind(旧DeepMind)の研究現場と、共同創業者/CEOの デミス・ハサビス を軸に、「AGI(汎用人工知能)を目指す研究」の舞台裏を追う長編ドキュメンタリー。
監督:Greg Kohs
尺:約 84分(1時間24分)
制作の特徴:5年間にわたり密着撮影。『AlphaGo』の制作チームが手がけた、とGoogle公式が説明している。

2024年6月:世界初上映
2024年10月9日:ノーベル化学賞発表(ハサビス&ジャンパー)
2025年11月25日:AlphaFold 5周年の文脈でDeepMind公式YouTubeで無料公開

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AlphaFoldでハサピスはノーベル賞を受賞しているので、それを記念して作られたドキュメンタリーかと思ったんですけど、映画自体はノーベル賞を受賞する前に作られてるみたいです。
その後ノーベル賞を受賞して、劇場公開され、今YouTubeで公開されている流れになっているようです。


基本的にはハサピスのAI、AGI(汎用人工知能)に取り組む人生を追いかけた流れになっていて、その中でゲーム(チェスとか)からAI/AGIに興味を持ち、DeepMindを作り上げ、AlphaGo(アルファ碁)で囲碁に取り組み、人に役立つAIとしてAlphaFoldに取り組むっていうような流れになっています。


AIの力っていうのを信じて開発をしていくんだけれども、途中からその危険性にも認識をするようになり、ツールであるAI/AGIを役に立つように使うにはどうしたらいいかということで、AlphaFoldに注力をしたという構成です。
ここら辺、若干GoogleのPRっぽさっていうのは感じなくもないんだけど、デミス・ハサピス自身は本気でそう思ってるんじゃないかなっていう感じはありますね。
基本的には研究者気質で、ゲーム大好き人間って感じかな。
なかなか面白いキャラクターだと思います。


AlphaFoldがその成果を見せ始めるところの瞬間の動画は、なかなか感動的でもありました。
しかしこれ、ドキュメンタリーですからね。
こういう風に作り上げてるんだけど、成功するかどうかわかんないのに、よくこんだけ動画撮ってたなって感じもします。


このAlphaFoldへの取り組みの後、どういうふうになってるのかなと思って、最近のデミス・ハサビスのインタビュー動画をいくつかチェックしたんだけれども、まあ何でしょうかね、相変わらずの研究者気質っていうところでしょうか。
(見たわけじゃなくてGemini3に要約してもらったんだけど)
ゲーム好きのところも出てて、AIができたときに、プレイヤーの選択によって次のシナリオやシーン、キャラクターが自動生成されるようなオープンワールドゲームができるだろうみたいなこと言ってるのは、なかなか笑えました。

https://youtu.be/-HzgcbRXUK8?si=mkA72uRML2T2R6ND

https://youtu.be/PqVbypvxDto?si=vHNF0yZogOPFJUYI

 

この映画の中で、AlphaというAIをみんな使ってるんだけど、ここらへんがGemini 3にも反映してくるんでしょうね。
こうやって会話したり、いろいろ見ているものを共有したりしていきながらAIと会話をしていくっていうのが、もうすぐ自然になるっていうところでしょうか(Liveは近い感覚だけど、日本語はまだもうちょっとって感じ。ChatGPTの方がここは一歩リードかも)。
面白いと言えば面白いし、不思議な感じがすると言えば不思議な感じがする。


でも、この急速な進展が、本当に人間にとって役に立つ方向に進んでいけたらいいなとは思いますけどね。
やっぱり軍用に使われることっていうのは怖いもんなぁ。

#映画感想文
#thethinkinggame

大河ドラマの副読本としてはこっちかな?:読書録「豊臣兄弟 天下を獲った処世術」

・豊臣兄弟 天下を獲った処世術
著者:磯田道史
出版:文春新書(Kindle版)

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大河ドラマ「豊臣兄弟!」第一回を観て、
「当分は観続けよう」
と思ったので、呉座勇一さんの本に続いて、もう一冊副読本として選んだのがこれ。
呉座さんの本が豊臣家の滅亡までをカバーしてるのに比べて、この本は豊臣秀長の死で締められています。
ドラマの副読本っぽいのはこっちの方ですかねw。


(ChatGPT)
作品概要
裸一貫に近いところから天下人になった秀吉と、弟・秀長(「天下一の補佐役」とされる)をセットで見て、「どうやって人と組織を動かして天下統一を成し遂げたのか」を、史料+最新研究で解きほぐす本。
本の“売り”の言葉としては、現代にも通じる「人を動かす極意」を抽出する、という立て付け。具体例として「人と技術に投資」「最速は最強に通ず」「稼ぐ知恵を配る」「分身を活用」「トップ自らおもてなし」などが挙げられてる。

目次
はじめに──歴史から得られるヒント
第1章 豊臣兄弟の謎
第2章 類まれな経済センス
第3章 強さの秘密
第4章 天下人への道
第5章 秀吉の「分身」

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ちょっと「現代」に役に立つことに引っ掛けようってところが逆に鼻につくってとこはるんですけどね。
あんまり評判の良くない「奈良借」を産業投資の側面から評価して奈良出身の高市総理に提言する下りなんかは「やりすぎ」でしょうw。


ただまあ、「大河ドラマ」の副読本としては人物中心の内容になってて、悪くないと思います。
やっぱり研究し尽くされてるところがあって、そんなに目新しいところがあるわけじゃないんだけど、それでもドラマのこれからを考えながら、
「ああ、そう言えばこうなるんだよな」
と思い返しながら読むのは中々楽しかったです。
多くは秀吉の事跡として記憶されてるところを、秀長という存在からスポットが当て直されてるのもよかったです。


あ、「本能寺の変」について、「四国説」ってのは知らなかったので、興味深かったです。
三木城の攻城戦はドラマでも絶対に焦点があたるところでしょうから、ここら辺がどう描かれるのかってのは、改めて楽しみになりました。
人心掌握術は秀吉の得意技ですが、武将たちの饗応の記録なんかをみると秀長の方も中々のもの。
こういうのもどう描かれることになりますのやら。


<仮に、秀長が長生きし、秀吉の死後、豊臣家を支えていれば、どうだったでしょう。豊臣家は滅んだでしょうか。それはわかりません。  
しかし、豊臣家は兄弟がそろっていた時は上り坂で、秀長が欠けてからは、ずっと下り坂でした。兄弟そろってこその豊臣政権成立だったのは確かな史実といえましょう。秀長なくして、秀吉はなかったのです。>


呉座さんよりは磯田さんは秀長の評価が高いかな?
大河ドラマを意識したリップサービスかもしれないけどw。
でもそういう見方をする方が、大河ドラマが楽しめるのも確か。
さてさて、最終回までお付き合いできるかなぁ。


#読書感想文
#豊臣兄弟
#天下を獲った処世術
#磯田道史

2019年にこの内容は驚く:読書録「電気じかけのクジラは歌う」

・電気じかけのクジラは歌う

著者:逸木裕
出版:講談社文庫(Kindle版)

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AI絡みの小説がないかな〜と正月休み中にネット検索してて見つけた作品
ミステリーというのも気楽に読めそうな感じがしたんで。
読んでみると、「気楽」でもなかったかなぁ。


(ChatGPT)
作品概要
著者の逸木 裕はフリーランスのウェブエンジニア業のかたわら小説を執筆。
2016年『虹を待つ彼女』で第36回 横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。
2022年「スケーターズ・ワルツ」(『五つの季節に探偵は』収録)で**第75回 日本推理作家協会賞〈短編部門〉**受賞。
2025年『彼女が探偵でなければ』で本格ミステリ大賞受賞
本作は2019年出版(文庫版は2022年)

“ミステリの骨格”を守りつつ、題材の当て方が現代的で、本作もAI作曲アプリ「Jing」が普及して作曲家が“絶滅”した近未来を舞台に事件の推理と並走して、
「AIが人より美しく作れるなら、人はなぜ創作するのか?」
というテーマを芯に据えている。


あらすじ
人工知能が個人に合わせて曲を作ってくれる作曲アプリ「Jing」が普及し、作曲家という職業が“絶滅”した近未来。
主人公は、かつて作曲家だったが今は「Jing」の専属検査員として働く男・岡部。

ある日、数少ない現役作曲家であり親友の名塚が自殺した知らせが届く。さらに名塚から、自分の指をかたどった謎のオブジェと、未完の新曲が送り届けられる。
名塚を慕うピアニストの梨紗とともに、その“遺されたもの”の意図を追い始めた岡部は、やがてAI社会の奥にある大きな謎へ近づいていく──。

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作品の中で重要な意味を持つ作曲アプリ「Jing」。
これって、「suno」を連想させます。
まあsunoは文章から音楽を作るので、「自分の好みの音楽をアップしてそれに近い音楽を作らせる」Jingとは基本的な機能が違いますが。
suno+Spotify…ってのがJingに近いのかもね。
ただsuno v4.5になって格段に作曲能力が上がってて、作曲ツールとしてsunoを位置付ける人も出てきている状況を考えると、2019年にこれを書いてるってのが1番の驚き。
作者はフリーランスのエンジニアらしいんで、技術の方向性が見えてたってのがあるのかもしれませんがね。


作品としては、
「 AIが人より美しく作れるなら、人はなぜ創作するのか?」
という問いの前に悩み続ける人物たちが試行錯誤するって感じになります。
ミステリーとしては「親友の自殺のワケ」ってのがあるんだけど、正直この点はピンと来るような、来ないようなってところでした。
クリエイターの苦悩が描かれ続けてるので、作品としては爽快感が薄くて、ちょっと読むのがしんどいところもあったかなぁ。
こういう流れになるのはわからなくないし、深く描かれているとも思うんですけどね。
ただ音楽のおけるsunoだけでなく、画像生成におけるnano banana pro、動画におけるsora等、手軽にクリエイトする手段がこの1年で出てきていることを考えると、作品で描かれたクリエイターの苦悩が現実世界でもリアルなものとなってきているとは言えると思います。(その中では実は音楽生成はまだ機能的に劣ってるくらい)


<『 Jing』が普及したおかげで、市井の人々は『 Jing』の曲を聴くようになった。これも、波及と言えるのではないですか?  
『 Jing』の中には、いままで奏でられてきた膨大な音楽の記憶があります。聴き手の感性やそれまで触れてきた音楽と、『 Jing』の持つ巨大な無意識が波及し合うからこそ、『 Jing』は新しい音楽を作ることができる。聴き手もまた、音楽という巨大なサイクルの中で、波及し合っているんです>


生成AIと人間との関係っていうのは、主人公がたどり着いたこういう関係性にならざるを得ないとは思いますけどね。
「ツールとして使う」あるいは「協同作業を行う」
なかったことにすることはできないし、その向こうには一歩突き抜けた別の世界がある…かもしれない。


好き嫌いはある作品とは思います。
僕はここにあるリアリティを評価したいと考えています。
ハッピーエンドとは言えませんが。


#読書感想文
#電気じかけのクジラは歌う
#逸木裕

自分の隠居生活はのんびり過ごしたいけどね:読書録「隠居すごろく」

・隠居すごろく
著者:西條奈加 ナレーター:徳石勝大
出版:角川文庫(audible版)

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以前、母に頼まれて文庫本を購入した作品。
僕は読んでなかったんですが、audibleにアップされてるのを見つけて聴いてみる気になりました。
思ってたより面白かったです。


(ChatGPT)
『隠居すごろく』は、直木賞作家・西條奈加さんの“江戸人情もの”の時代小説で、老舗糸問屋の元主人が「隠居=上がり」のはずだった人生を、孫にかき回されながら“第二のすごろく”としてもう一回転がしていく話です。

 

あらすじ
巣鴨で六代続く糸問屋の主人だった徳兵衛は、還暦を機に身代を譲り、念願の隠居生活へ。人生がすごろくなら「上がり」のはず——ところが、隠居家にやって来た八歳の孫 千代太が、徳兵衛の静かな余生の予定を次々ひっくり返します。

千代太は優しいけれど一直線。犬猫を拾ってきたり、困っている子どもたちを連れてきたりして、隠居家はいつの間にか人(と厄介事)でいっぱいに。商売一筋で趣味もなく、人付き合いも得意じゃなかった徳兵衛は、あたふたしながらも、千代太や周囲の人たちに引っぱられて、“第二の人生”の手触りを取り戻していきます。

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基本的に「時代小説」って、「大人(しかもシニア)のラノベ」と思ってるんですよ。
気楽に読めるエンタメ本ってコトで、まあ本書のその範疇。
…なんだけど、それにしては一歩踏み込んだ感もあります。


隠居はしてみたものの、趣味もなくて身を持て余している主人公が孫の「暴走」に振り回されて…って前半のドタバタコメディっぷりから、徐々にその中に自分の「やりがい」を見出し、思いもしなかった人々とのつながりから新しい「事業」に乗り出し、その一方で省みることのなかった家族との関係を見直す


「経世済民」なんて言葉が飛び出すあたりもナカナカの展開です。
まあ「話がうまく転がりすぎ」っちゃあその通りなんですがw、何もかもが思うがま…といかない匙加減も感心させられます。
ここら辺の塩梅は「好み」もあるでしょうがね。


もっとも個人的にはこんな胃が痛くなるような「隠居生活」は勘弁して欲しいですけどw。
徳兵衛にとっては「商売」こそが生き甲斐であったってことなんでしょうが、僕はそうもいかない。
じゃあ「何をするつもりなんだ」と言われると、唸らざるを得ないってのもあるんですけど。
ここら辺、いまの自分にとっての最大の課題かもしれませんな。
毎日縁側でゴロゴロ…
できるような気もするし、我慢できないような気もするしw。


ところで、この作品、「続編」が出版されてるんですね。
この余韻のあるラストがあって、どういう続きを仕立てているのやら。
読みたいような、読みたくないような。
今のところaudibleにはなってないようなので、なったら聴くってところですかねぇ。
我慢しきれずに読んじゃうかもしれないけどw。


#読書感想文
#隠居すごろく
#西條奈加
#audible

 

 

 

 

意外なくらい「前編」です:映画評「教場 Reunion」

木村拓哉主演の『教場』の最終章が、Netflixでの配信と映画での前後編という、なかなか変則的な公開ということになっています。
で、こちらの方はNetflix配信の前編の方。

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(ChatGPT)
作品概要
「教場」映像シリーズの集大成プロジェクト/2部作の前編)
Netflixで2026年1月1日(木)から配信
(後編:『教場 Requiem』が2026年2月20日(金)に劇場公開 )
原作:長岡弘樹「教場」シリーズ(小学館)
監督/脚本:中江功/君塚良一
主演:木村拓哉(風間公親)
主題歌:Uru「心得」


あらすじ
舞台は警察学校=“教場”。
鬼教官・風間公親が、第205期の訓練生たち(門田陽光、矢代桔平、星谷舞美 ほか)の“嘘”や“弱さ”を見抜き、容赦なく鍛え上げていく。一方その裏で、風間の身に危機が迫り、過去に風間の教場をくぐり抜けた卒業生たちがその気配を察して“再結集”していく――

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まあ正直な話、Netflixですからね。
前編・後編と言いながらも、映画は映画で単独で成立するように、ストーリーの繋がりはないように作ってるんじゃないかと思ってました。
実際、最初見てると、警察学校にやってきた生徒たちを、警察官の資質があるかどうかという点から篩(ふるい)にかけるという、1作目のスタイルでのドラマが展開されます。
かなり緊張感があっていいです。
時々、風間を狙う犯人を追いかける同僚や生徒たちのシーンが挟まったりしますが、まあここら辺はそれほど重視しなくても、映画の方でフォローしていけば大丈夫なんだろうと思いながら見ていました。


でも結構がっつり、終盤になって物語が続く感じになってるんですよね。
いやー、ちゃんと「前編・後編」って感じだわ。
まあ、もしかしたら映画の方は単独で見ても分かるように、ある程度こちらの前編部分も整理して組み込まれることになるのかもしれませんが、それにしてもちょっと意外なくらい……でした。


作品としては、1作目と同様、それぞれの警察官としての資質を問うという点において、緊張感のあるドラマが展開されていて、それはそれで楽しめます。
ストーカーの話をいい感じに収めなかったあたり、なかなかと思いましたね。


さて、こうなると映画の方も見なきゃいけないかな……。
まあ、いずれNetflixになるから配信待ちでいいかなとも思ってるんだけど、もしかしたら我慢できずに劇場公開を見に行っちゃうかもしれません。
いや、それは制作者の思うツボなんだけどw、思うツボになりそうなくらいの出来ではあったと思います。

まあ、好みはあるでしょうけどね。

大河ドラマの副読本?:読書録「真説 豊臣兄弟とその一族」

・真説 豊臣兄弟とその一族
著者:呉座勇一
出版:幻冬舎新書(Kindle版)

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今年の大河ドラマの『豊臣兄弟!』の副読本として読んでみた本です。
まあ、なかなか面白かったんですけど、大河ドラマの副読本としてはどうかな。
あんまり豊臣秀長のパートは多くないんですよね。


(ChatGPT)
『真説 豊臣兄弟とその一族』(呉座勇一/幻冬舎新書、2025年11月27日発売)は、豊臣秀吉・秀長兄弟と、その周辺(ねね・淀殿・秀次など)をめぐる「通説」や「定番イメージ」を、最新研究・史料の読み直しで点検し直すタイプの歴史ノンフィクションです。中心の問いはズバリ、「なぜ天下を極めたのに、豊臣家は“たった二代”で滅んだのか?」

• 第1章:秀吉「天下取り」の実像(出自/出世街道/天下人への道)
• 第2章:豊臣一門の「裏の顔」(人たらし像/秀長像/秀次暴君説)
• 第3章:秀吉の妻子(高台院=ねね/淀殿/秀吉の子どもたち)
• 第4章:豊臣家、終焉の謎(朝鮮出兵/関ヶ原後/大坂の陣)
• 終章:なぜ栄え、滅びたのか(中国大返しの転機/織田政権の後継/侵略戦争を止められたか/一門衆の乏しさ/直臣の自立化/生存ルートはあったか 等)

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それに秀吉や秀長に関しては、見新しい話もそれほどないし。
人たらしと言われる秀吉が、実際には結構冷酷で残酷なところがあった、っていうあたりは今では割と知られていることじゃないかとも思います。
そういう意味では『どうする家康』のムロツヨシがやった秀吉は、結構そういう線を出してたような気がします。
温厚な人物だった秀長についても、冷酷な統治者としての顔があった、っていうあたりはあまり知らないことだったかな。


本としての面白さは、例えば、北政所(きたのまんどころ)と淀君(よどぎみ)が対立していたのではなく、連携しながら豊臣政権を支えようとしていた、なんてあたり、戦国の女性たちのしたたかさみたいなものが見えてきて、こういうところがドラマになると面白いなとは思いました。
でもまあ、二人がそうやって走り回るのって秀長が死んだ後ですからw。
今回の大河ドラマにはあまり関係ないかな。


関ヶ原から大坂の陣の流れなんかも、通説から考えると「オッ」と思われるところもあるけれど、割と歴史好きの人には知られている内容が整理されてるっていう感じですかね。
大坂の陣は家康が豊臣家を追い込んだという風に言われているけれど、実際のところはそこまでのつもりは家康にはなかったんじゃないか、なんてあたりもその一つです。


秀吉が行っていた朝鮮出兵が、かなり早い段階から天下統一後の余剰労働者対策として考えられていた、なんてあたりも知る人ぞ知る、なのかな。
まあこういう戦乱の後の余剰労働力をどうするかっていうのはなかなか難しいところです。
例えば、明治維新の後の西南戦争なんていうのも、西郷隆盛の思惑はともかくとして、ある意味武士に引導を渡した戦いであったという風にも位置づけることができると思います。
そういう観点からいうと、対外膨張で「労働力対策」をやろうとした秀吉が失敗したのに対して、家康は大坂の陣で浪人たちを集めて一掃することでうまくその点を乗り切った、という見方もできなくはないのかもしれません。
これもまあ、本人たちがどこまで意識的だったかどうかはともかくとして。


整理されているので読みやすいし、一読に値する本だと思います。
でも、大河ドラマの副読本としてはどうかな、っていう感じ。
いや、そもそもまだ今年の大河ドラマを見ることも自分自身決めてないんですけどねw。


#読書感想文
#真説豊臣兄弟とその一族
#呉座勇一