鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読む順番が違っちゃいましたw:読書録「新・教場」「教場X」

・新・教場

・教場X  刑事指導官・風間公親

著者:長岡弘樹

出版:小学館、小学館文庫

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4月から木村拓哉主演で「教場0」が連続ドラマでスタート。

そのタイミングで、原作シリーズの最新刊「新・教場」が発売。

「こりゃ読まなきゃ」

と思って、早速購入したんですが、読んでるうちに、

「あれ?なんか読み飛ばしちゃった?」

と改めてシリーズを確認。

…読み飛ばしてました。

「教場X」

を読んでない!

 


シリーズは刊行順に

教場(④)

教場2(⑤)

教場0(①)

風間教場(⑥)

教場X(②)

新・教場(③)

でも時系列はカッコ内数字の順番で、風間教官が刑事だった時代の「教場0」「教場X」があって、警察学校の教官になりたての「新・教場」に続きます。

この「教場X」を読み飛ばしてました。

 


で、「新・教場」を読み終わった後に、「教場X」を購入・読了しました。

基本的には短編集のシリーズ(「風間教場」のみ長編)なんで、どこから読んでも楽しめはするんですが、「教場0」以降は、風間が片目を失った事件が連作短編的なテーマになってるので、0・X・新は順番に読んだ方がより楽しめる…っていうのはあります。

いやはや失敗、失敗w。

(「X」が発売さたときに、妻が「これ読んでないんじゃない?」って訊いたらしいんですが、「読んだよ〜」と生返事したらしい。今回怒られました)

 

どちらの作品も短編が6話ずつ。
「教場X」の方はいわゆる「コロンボ」スタイルで、犯人の犯行経緯が描かれてから、風間たちの捜査になります。
警察学校が舞台になる「新・教場」の方は生徒たちの「警官となる資質と覚悟」を核にした謎解きなのは一貫してます。
ミステリーとしてはチョット甘いところもあるけど(これで立件できるかなぁってのも)、バラエティに富んでて楽しめるのは間違いありません。
個人的には「教場X」の最後の作品(仏罰の報い)が好きですかね。

 


「新・教場」は続編の連載がスタートするようです。

まあネタさえあれば書き続けられるシリーズではありますが、もしかしたら風間の片目を奪った「十崎」の逮捕劇が描かれるかもしれないなぁと思ったりもしてます。

これは風間道場の卒業生たちの物語になるはず。

ま、ほんとのとこどうなるのかは分かりませんがw、いつかはその話も読みたいものです。

 

 

 

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#新教場

#教場X

#長岡弘樹

ああ、こういう話でした:映画評「沈黙のパレード]

「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」に続く、福山雅治主演<ガリレオ>シリーズの映画第3弾。

配信レンタルで妻と観ました。

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かつて「完全黙秘」で少女殺害事件の嫌疑を免れた男。

その男が、ある小さな町の定食屋の娘の殺害容疑に浮上する。

男が町に戻ってくることで、不穏な雰囲気が町の人々に漂うが、町で行われたパレードの日、男は不審死を遂げる。

娘の両親、町の人々、娘の歌の師匠等、動機を持つ人々が浮かび上がり、かつての少女殺害事件を解決できなかった草薙は抱えていた悔恨の想いに向き合うことになる…

 


話としてはこんなところでしょうか。

原作は読んでるんですが、

「<オリエント急行殺人>展開だっけ?」

くらいの印象しか残ってなかったんですが、映画を観てるうちに、

「ああ〜、そうだった。こんな感じ、こんな感じ」

と記憶がズルズル戻ってくる感じw。

いや、面白かったんですけどね。

 


シリーズの映画としては、残念ながら「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」には及ばなかったかな。

ドラマチックさでは「容疑者X」、映画としての雰囲気では「方程式」、そのどちらにもチョットずつ及ばない印象です。

面白くないわけじゃないので、シリーズが好きな人は観ても問題ないレベルとは思います。

 


ドラマ版の時は福山雅治と柴咲コウの<恋愛>匂わせがありましたが、本作ではホボなし。

ただ今見ると、その方がスッキリと楽しめるように思えます。

…ってコレは、歳取って「恋愛」要素への興味が減退しちゃった、こっちの勝手な都合かもしんないけどw。

 


さて、シリーズ続編はあるのか?

東野圭吾さん次第でしょうかw。

オリジナルで勝負する気は製作陣にはなさそうですので。

それはそれで「正解」でしょうがね。

 


#映画感想文

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#東野圭吾

#福山雅治

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「ナカタさんとホシノ青年の物語」として聴き直しました:読書録「海辺のカフカ」

・海辺のカフカ<上・下>

著者:村上春樹 ナレーター:木村佳乃

出版:新潮文庫(audible版)

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単行本が出た時に1回。

文庫本になって、1回か2回。

でもまあ、10年くらいは経ってますかね。最後に読んで。

今回はaudibleで聴いてみました。

 


基本的に「カフカ」少年の物語は、まあ覚えてました。

題名にもなってる主人公ですし(「海辺のカフカ」は曲の名前ですが)。

<オイディプス>の物語をなぞった、<呪い>から逃げようとする少年の物語。

家出した15歳の少年は「高松」にたどり着き、そこいある私設図書館である女性と出会い…

という話。

 


我ながら驚いたのは、並行して語られる「ナカタさん」と、彼を助ける「ホシノ青年」の話の方をほとんど覚えてなかったこと。

それくらい印象がなかったのに、今回聴いてみたら、そっちの話の方が断然面白かったんですよね。

なんなら中野区でのナカタさんの「迷い猫捜査」の話なんか、スピンオフで読みたいくらい。(村上春樹さんは絶対書かないだろうけどw)

なんだろ〜な〜、この記憶のチグハグさ。

ジョニー・ウォーカーさんの呪いかしらん。

 


まあ、「ナカタさん」と「ホシノ青年」の<話しっぷり>が、オーディオブックだと一層面白く<聴こえる>ってのはあるかもしれません。

コメディっぽさが2割増し…って感じです。

ここら辺、木村佳乃さんのナレーターがいいってのもありますね。

やるな。Amazon。

 


村上作品の中では元々好ましく感じてる作品だったんですが、聴き直してまた好きになりました。

ポイントは今までとはだいぶズレてるけどw。

 


翻訳も含め、村上春樹さんの文章はオーディオブックで聴いてもスッと入ってくるものがありますね。

僕はだいたい2倍速〜3倍速で聞いてるんですが(移動してる時とかは2倍速。ジムでエアロバイク漕いでる時とか、ソファで聞いてる時なんかは3倍速です)、引っ掛かりがほとんどなく聴けるのに驚きます。

「文章がうまい」

ってのはこういうところに出てくるんかなぁ。

いやはや、なんとも。

 

 

 

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#海辺のカフカ

#村上春樹

#audible

 

僕にはかなり刺さりました:映画評「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

「ミッシェル・ヨー」ファンなので、評判のこの作品は当然観るつもり

…だったんですが、まさか「アカデミー賞7部門」獲得するとは!

しかも、主演女優、助演女優、助演男優、監督、脚本…と主要部門を制覇してますからね。

まさに「完勝」。

 


というわけで、慌てて平日のレイトショーを予約。

混むのは嫌なので。

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ただ予約した後、ネットの評判を読むと、

「う〜ん…」

ってのも少なくなかったんですよね。

設定が甘い、長い、飽きる、アクションのレベルが低い、訳わからんetc,etc…

「こりゃ、ちょっとシンドイかもな」

と、やや構えて観に行く気分になりました。

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…が、全くの杞憂。

僕はすごく楽しみましたし、考えさせられ、感動しました。

長い?(上映時間139分)

全然。

短く感じたくらいですw。

 


マルチバースを使い切った作品なので、目まぐるしい展開で、考え始めたら追いつかないのは事実。

設定も甘いっちゃあ、甘い。

「えっと、どういうことだっけ?」

ってトコもありますw。

でもそれを超えて、僕の心には届いてくるものがあります。

 


主人公は僕らの同世代の女性(ミッシェル・ヨー)。

彼女の「気づき」がテーマなのですが、作品の根本にあるのは彼女の娘の「絶望」と「虚無」と「混乱」。

主人公はマルチバースを経験して自分自身を見つめ直し、娘を理解し…しかし「理解」では娘の「混乱」を癒すことはできない。

デジタルネイティブ世代で、いろいろな情報に接し、その中から「自分」のあり方にも折り合いをつけている(彼女には女性のパートナーがいます)娘は、それでも「絶望」と「虚無」を抱え、「混乱」しているのです。

主人公と娘の関係。

目まぐるしく展開する物語の根幹にあるのはそれなのです。

 


僕らの世代が「世界」と向き合うために手に入れた武器を、主人公の夫(キー・ホイ・クァン。最高です)が訴えます。

「親切」(字幕では「優しく」)

こんなところでヴォネガットに巡り合うとは!

 


でも多分、彼らの娘はそれだけじゃ足りないんだろうな。

もっと先に行きたい。

先に行けないことに苛立ち、絶望さえ感じている。

その彼女を、僕らの世代は「行かせてやる」しかない。

彼女の絶望と虚無と混乱は、かつて自分たちも感じたことのあるものだから。(質的にはかなり違うところもあって、「分かるよ」としたり顔で言えるものでもないんだけど)

「行きなさい」

でも…

 


この映画が刺さる理由もよくわかるし、理解されない理由もよくわかります。

アカデミー賞獲ってるし、アメリカじゃ大ヒットらしいけど、「万人向け」じゃあないよね、これは。

それでも僕にはパーソナルな部分ですごく響いてくるものがありました。

よくわかんないとこも結構あるんだけど…w。

 


(向く/向かないでいうと、近年のハリウッドのエンタメ映画で取り上げられている「マルチバース」に馴染みがあるかどうかは大きいかもしれません。

あるいはTikTokの感覚。

じっくりと物語やテーマを追いかけていくのではなく、短い映像を切り替えながら、個々の映像を深めるよりも、その流れの中で物語を<感じて>行く。

そういう「見方」ができるかできないかってのはあるかも…です。

テーマ自体は普遍的なものんだと思うんですけどね)

 

 

 

#映画感想文

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#エブエブ

「ネットは便所の落書き」世代と思ってたんだけど、違うの?:読書録「シニア右翼」

・シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか

著者:古谷経衛

出版:中公新書ラクレ(Kindle版)

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ネット右翼に近いところで活動していた経験を持つ作者による「裏切り」の書。

 


<私は現在革新とかリベラルとみなされている政治勢力や、与党であっても個々人の見識ある政治家にはその可能性をわずかに見出している。こういった政党の比例代表における絶対得票数は、日本において真に民主主義的自意識を持った人々が必ずしも死滅していないことを示しているからだ。この勢力を護持し、さらに発展させていくことがシニア右翼に対抗する重要な「拠点」「砦」となりうるのかも知れない。>

 


いや、「裏切り」かどうかは知らんけどw。

 

 

 

 


題名にある「シニア右翼」に関する分析は、作者自身の保守・右翼界隈での活動経験と分析から導き出されています。

 


①ネット右翼の人数は150万人〜200万人程度

②その大半はシニア層(50代以上)。20代以下は少数。

③戦後民主主義の下に生活してきた「シニア層」が「ネット右翼」に落ち込むのはYouTubeを中心とした「ネット動画」の影響

④シニア層がネット動画に影響されるのは「ネットリテラシーが低い」ことと、戦後民主主義が不徹底であった」ことによる

ここら辺の主張をザク〜っとまとめるとこんなところでしょうか。

 


作者自身の「経験」に根ざしてるところもあるので否定しづらい面もありますが、まあでも色々な報道記事関係から垣間見える点から推測しても大きくは変わらないのかなと言うのが僕の評価です。

 


(ちなみに僕自身「ライトシニア層」に含まれます。

定年退職して時間を持て余すようになってネット動画をバンバンみるようになったら気をつけなきゃな

…と思う一方で、

「所詮ネットに出てるものは眉唾もの」

って感覚があるのも確かなんですよw。

だからchatGPTの大ボラを楽しんだりもしてる。

でも世代としては少数派なんですかね、そういうの。

ここら辺、ちょっと分かんないです)

 

 

 

ただ本書が興味深いのはここら辺(「シニア右翼」分析)よりも、彼らがネット動画に影響される原因の一つとなる「戦後民主主義の不徹底」について論じたところだと思います。

 


<第四章 未完の戦後民主主義

①戦前と戦後の連続

②民主的自意識の不徹底

③戦争の反省の不徹底ー幻の戦争調査会

④戦争記憶の忘却>

 


これに加えて、各章の間に置かれている「コラム」

 


・宗教保守とは何か

・保守と右翼

・異形の「新米保守」

 


あたりを読むと、

戦後日本社会における「保守」のあり方の歪さ、

その中から生じた<保守本流(宏池会・経世会)>と<保守傍流(清和会)>のせめぎ合い、

アメリカに対する一方的な「思い入れ」の歴史

…あたりが浮き彫りになってきて、作者の問題意識も見える気がします。

 

 

 

ここら辺、僕は作者に賛同できない点もあるのですが(革新・リベラルの評価や、「移民へのスタンス等)、戦後日本政治史の認識としてはそれほど大きくズレを感じません。

作者としては、

「なんか<保守>とか自称してるけど、今の日本の<保守>ってのは、歪で全然<保守>なんかじゃないんだよ」

って言いたいんでしょうが、そこら辺は共感できるかな。(言葉の定義的には「革新」に近いと思うんですよね)

 

 

 

「活動家」としての古谷経衛さんについては「れいわ新選組」の党首選挙に出馬して、自ら動くことによって自分の考える<保守>の道を模索されているようです。

その姿勢は評価しても良いんじゃないかと(ネットで、匿名でピーチク騒いでるよりは)。

ただそれが大きな賛同を得るところまで行くのかどうか…。

これはちょっと分かんないですね。

 


#読書感想文

#シニア右翼

#古谷経衛

「お仕事小説」の一種かな?:読書録「お探し物は図書室まで」

・お探し物は図書室まで

著者:青山美智子

出版:ポプラ文庫

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通勤電車で読んでいて、事務所のある京橋駅で降りるとき、向かいに立っている30代くらいの女性を見ると、彼女も同じ本を読んでいました。

僕は出たばかりの文庫で、向こうは図書館で借りたハードカバーのようでしたが。

まあ、そこから何かの物語が始まるわけでもないんですがw、それだけ読まれてる本…ってことかもしれません。

21年の「本屋大賞第2位」らしいですから。

 


小学校に隣接する「コミュニティハウス」。

そこにある「図書室」の司書「小町さゆり」は、悩みを持って図書室を訪ねる利用者に、少し求めるジャンルとは違う本をレファレンスし、合わせて「付録」として羊毛フェルトを手渡す。

一見つながりの見えないその「レファレンス」が、悩みを持った利用者に新しい気づきをもたらす。

 


…みたいな話。

図書室を訪ねる利用者は、

「仕事にやりがいを感じられない20代の女性」

「起業を考えている30代の男性」

「育休明けに異動させられ、自分のキャリアに悩む40代の女性」

「自分が好きなことを仕事に活かせず、ニートになってしまった30歳の男性」

「定年で仕事から離れ、これから何をするか、見つけられずにいる65歳の男性」

…と年代も性別もバラバラ。

ただ共通するのは彼らの悩みは「働く」と言うこと、働く中で「自分」をどう位置付けるのか、と言うことで、それが小町さゆりのレファレンスの示唆で、背中が少し押される展開になります。

独立した短編なんですが、各短編の登場人物が他の話にも顔を出して、ゆるい連作短編になっています。

 


年齢的に言って、当然僕に刺さるのは「65歳の男性」と思ってたんですがw、ぞんガイドの話も少しずつ僕の心を動かすところがありました。

 


まあ、どう言う形であれ、そういう「悩み」に似たようなものを、この年齢になるまで僕も感じてきた…ってことかもしれませんね。

ある意味、広く年代をカバーした「お仕事小説」みたいなものでもありますから。

 


こう言う不思議なレファレンスをする司書の背景について、作中では少しだけ触れられています。

彼女自身の解釈としては、

 


<「でもね、私が何かわかっているわけでも、与えているわけでもない。皆さん、私が差し上げた付録の意味をご自身で探し当てるんです。本も、そうなの。作り手の狙いとは関係のないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を、読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るんです」>

 


いやいや、それにしちゃ、ピンポイントすぎるでしょ!w

 


ここら辺は変に説明なんかせずに、もっとファンタジーで誤魔化しちゃってもいいんじゃないかな〜と個人的には思いました。

魔女っぽい雰囲気がなきにしもあらずだしw。

 


「甘い」といえば「甘い」。

こういう物語、僕は嫌いじゃないです。

通勤電車で会社に向かう途中に「嫌な気分」にならなくてもいいでしょうw。

 

 

 

#読書感想文

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ハードボイルドって、いつの間にやら時代遅れ感が強くなった気がする:読書録「大いなる眠り」

・大いなる眠り 

著者:レイモンド・チャンドラー 訳:村上春樹

ナレーター:古屋敷悠

出版:早川書房(audible版)

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双葉十三郎訳で2、3回。

村上春樹訳で1回。

…で、今回オーディオブックで村上春樹訳で「再読」ということになります。

 


中身については、どうこういうことはないでしょう。

村上春樹訳を読んだ時、

「双葉訳に比べて、丁寧な訳で、品がいいな」

と思ったんですが、今回はそこまでは感じなかったです。

チャンドラーの描写が丁寧で、

「どこまで描写するのか」

の塩梅がすごく「村上春樹っぽい」とは思いましたw。

まあ、村上春樹がチャンドラーに学んだ…ってことなんでしょうが。

 


考えてみたら、内藤陳さんが「読まずに死ねるか」を書いて、冒険小説・ハードボイルドが流行りになったの80年代。

村上春樹さんのデビューは79年ですから、ハードボイルドのスタイルが日本で受け入れられるようになった土壌が「村上春樹」ブームの裏にはあったのかもなぁ…と。

(「羊をめぐる冒険」(82年)「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(85年)あたりはハードボイルド・スタイルがかなり強いです。

ブームとなった「ノルウェイの森」(87年)はそこまでじゃないですけど)

 


「ハードボイルド」ブームはいつしか過ぎ去り(というより、スタイルが咀嚼されて、誰も特別に思わなくなった感じかな。文体とかスタイルがそうなっていくにつれて、物語的なハードボイルドはやや戯画的になって来たかも)、日本文学で「異端」っぽかった「村上春樹」がいつの間にやらメインストリートに位置付けられるようになり…とまあ、なんだかここら辺の流れは振り返ると不思議な感じもします。

村上春樹作品は「純文学」とは僕には昔も今も思えないんですけどねぇ。

 


チャンドラーの他の村上春樹訳もaudibleになっています。

発表順に読んだことはないので、一回順番に聴いてみようかな?

ボチボチ、ね。

 


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