鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

自分すらケアしてこなかった人が、自分を他の人がケアしてくれるとなぜ思えるのかって言うのにはドキッとしましたね。:読書録「父と息子のスキンケア」

・父と息子のスキンケア
著者:高殿円
出版:ハヤカワ新書

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僕自身の理想の男性像はクリント・イーストウッドなんで、シワに関しては別に増えても構わないwっていうスタンスだったはずなんですけど、なぜか書店で見かけたこの本を購入してしまいました。
一番は作者が気になってっていうのがありますかね。
<トッカン>や<シャーリー・ホームズ>シリーズのミステリー作家のはずなんですけど、なぜこんなものをっていうところが手に取ったきっかけです。
読み始めて一番びっくりしたのは、作者がパートナーと大学生の息子がいる女性だったことですけどw。
まあシャーリー・ホームズのことを考えれば今まで気づかなかった方が迂闊か。


(Amazon)
なぜ日本がスキンケア後進国に!?
労働者と経営者、昭和世代と令和世代……「潤い格差」の実態に迫る

日本人男性のうち化粧水を使うのはたった2割。おじさんの多くはなぜ「肌を気にすることが恥ずかしい」のか? そしてそんなスキンケア後進国で突然スキンケアに目覚めたアラフィフ男性が一人。夫である。息をするように保湿し脱毛する高校生の息子に影響され、やり方を教わっているのだ。私がいくら言っても聞かなかったのに!? 大手化粧品会社や美容クリニック、社会学の先生、出版社のメンズ社員たちも巻き込み一大リサーチ、広がる「潤い格差」を可視化し解決策を考える令和の美容&家族ルポ!

●目次
巻頭マンガ/いまがわ
プロローグ とある日の洗面所
第1章 なぜおじさんは突然、息子とスキンケアをはじめたのか?

第2章 おばさんの魔法のステッキはおじさんのエクスカリバー 見せてくれよ資生堂の力を

第3章 おじさんにとっての禁断の花園 そこは美容クリニック

第4章 太古の昔、おじさん”が”アイドルだった 資本主義社会における男性美の変革

第5章 スキンケア実証実験 おじさんたちはどう変わったのか?
アンケート篇/実験篇

エピローグ そして、父と息子のスキンケアの行方とは

付録 なにをやったらいいかわからん人のためのここからスキンケア


作品としてはスキンケア入門編というわけじゃなくて(まあそういうとこもあるんですけど)、そこをきっかけとして男性の美容ビジネスの現状と今後についていろいろ調査したりヒアリングをしたりしたというパートと、もう一つはいわゆる男性性の問題ですかね。
この点に関してスキンケアという切り口から考察したパート。
この2つが大きく占めています。


個人的には終盤で語られるケアの問題っていうところでドキッとしましたか。
自分自身もケアできないような人間が定年以降どういう風にしてケアに向かい合っていくのか。
60歳になった僕にとっては他人事じゃない話です。
というよりも「今そこにある危機」みたいなもんでしょう。
改めて20歳の息子の様子を見てみると、確かにスキンケアに関しては僕よりもはるかに身近なものになっているような雰囲気もあります。
(基本的に洗顔フォームオンリーの僕が昭和過ぎるんですけど)
こんなトコでも時代に取り残されつつあるとは…。


読み始めた時はもっと入門的なものを考えていたので、ちょっと思ってたのが違ってたっていうところがあるんですけれども、まあまあ興味深く読むことができました。
とりあえず、洗顔とか化粧品とか使ってみましょうかね。
自分自身のケアのために。
続くかどうか、続くかどうかは神のみぞ知るですけど。


#読書感想文
#父と息子のスキンケア
#高殿円

 

思ってたより良かったです;映画評「ヘッド・オブ・ステイト」

イドリス・エルバとジョン・シナが主演するプライムビデオオリジナルのアクション・コメディ。白人じゃないイギリス首相とハリウッド・スター出身のアメリカ大統領という設定がリアリティがあるっていうのが、まあ面白いっちゃ面白いですね。

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(映画.com)
解説・あらすじ
イドリス・エルバ、ジョン・シナ、 プリヤンカー・チョープラー・ジョナスらが共演し、犬
猿の仲だったアメリカ大統領とイギリス首相が、 世界を脅かす陰謀を阻止するため、ライバ
ル関係を捨てーて協力していく姿を描いたアクションコメディ。

英国首相サム・クラークと米国大統領ウィル・デリンジャーは公然のライバル関係にあり、
友好とは程遠く、両国の関係を危うくしていた。 しかし、 2人がともに強大な外敵の標的とな
り、それぞれのセキュリティチームもかなわない相手だと分かった時、 彼らは互いに力を合
わせざるを得なくなる。 英国秘密情報部「MI6」のトップエージェント、ノエル・ビセットと
手を組んだ彼らは、 自由世界全体を脅かす世界的な陰謀を阻止し、 互いに生き延びるために
協力し合うことになる。

イギリス首相サム・クラーク役をイドリス・エルバ 、アメリカ大統領ウィル・デリンジャー
役をジョン・シナが務め、「スーサイド・スクワッド」シリーズ以来の再共演を果たした。
彼らと行動をともにするMI6のエージェント、ノエル・ビセット役をプリヤンカー・チョープ
ラー・ジョナスが演じる。 そのほかの共演にカーラ・グギーノ、ジャック・クエイド、 パデ
ィ・コンシダインら。監督は 「Mr.ノーバディ」のイリヤ・ナイシュラー。 Amazon Prime Vi
deoで2025年7月2日から配信。


映画スター2人のプログラムピクチャーっぽいB級映画なのかなと思ってたんですけど、見始めてみるとなかなか面白かったです。
プログラムピクチャーにしちゃ、金はかかってますけど。
敵役の動機にもそれなりに一理あるところがありますし、黒幕がアメリカ第一主義を主張するあたりに作品としての批判的な視線なんかも垣間見えます。
とは言っても基本的にはアクションコメディですから、肩肘張らずに笑いながら見てればいいんじゃないかとは思いますけど。


まあイギリス首相としては、イドルス・エルバはカッコス良すぎるっていうのはあるかな。
名作とか傑作とかじゃそりゃないんですけど、それはそれとして、こういう映画が作られるっていうのは悪くないんじゃないかと個人的には思います。
続編…はさすがにないんちゃう?

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#映画感想文
#ヘッドオブステイト
#イドリスエルバ
#ジョンシナ
#primevideo

 

読みやすいんだけど、恋愛の多様性なんかにも目配りされた作品:読書録「古本食堂」

・古本食堂
著者:原田ひ香 ナレーター:岩崎愛
出版:角川春樹事務所(audible版)

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以前読んだこの作者の作品が面白かったので、他の作品をもっと思って目についたaudibleのメニューの中から選択をしました。
題名から考えて、古本屋に併設されているカフェか何かを経営していて、そこに来る人の相談に乗ったりなんだりしていくような人間模様みたいなものを考えていました。
人間模様であることには変わりないんですけど、別にカフェが併設されるとかいう話ではなかったです。
むしろ舞台となるのは神保町にある昔ながらの古本屋って感じでした。
じゃあ食堂って何よっていう話なんですけど、神保町の周りには昔から美味しい店がたくさんあって、そこのお店の食事なんかを食べたりテイクアウトしたりして、食事をしながら店にやってきたお客さんの悩みなんかに乗る、そんな感じの話ですね。

 

(audible)
サマリー
かけがえのない人生と愛しい物語が出会う!
神保町の小さな古書店が舞台の絶品グルメ×優しい人間ドラマ
美希喜(みきき)は、国文科の学生。 本が好きだという想いだけは強いものの、 進路に悩んでいた。そんな時、神保町で小さな古書店を営んでいた大叔父の滋郎さんが、 独身のまま急逝した。
大叔父の妹・珊瑚(さんご) さんが上京して、そのお店を継ぐことに。 滋郎さんの元に通っていた美希喜は、いつのまにか珊瑚さんのお手伝いをするようになり… カレーや中華やお鮨など、 神保町の美味しい食と心温まる人情と本の魅力が一杯つまった幸せな物語。

 

そして当然古本屋に来るわけですから、その悩みには本が絡む。
それぞれのいろいろな本が紹介されるところがまた読みどころにもなっています。
谷崎純一郎の「三人法師」なんかちょっと読んでみないとなと僕も思いました。


メインとなる主人公は二人で、大おばと姪という関係になるんですけど、その二人ともそれぞれの悩みみたいなものもあって、それが縦糸になっているっていうのもなかなか面白かったです。
この作者さんやっぱりうまいですね。
続編も出ているようで、いずれそちらの方も聞いてみようと思っています。


しかし神保町に久しぶりに行きたくなったなぁ。
いろいろ美味しいものがありますからね。
コロナで随分様子とかも変わっちゃったのかなぁ。

#読書感想文
#古本食堂
#原田ひ香
#audible

オットコ前のシャーリーズ・セロンとユマ・サーマンを愛でる作品w。:映画評「オールド・ガード2」

2000年に配信されたシャーリーズ・セロン主演の,「オールド・ガード」の続編。
前作は男前のシャーリーズ・セロンのアクションを楽しむという映画でしたが、早々に続編の制作が発表された割には、5年経っての配信ということになりました。
コロナとかがあったからですかね。

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(映画.com)
シャーリーズ・セロン主演で、永遠の命を持つ不死身の傭兵たちの戦いを描いたアクション映画「オールド・ガード」のシリーズ第2作。グレッグ・ルッカとレアンドロ・フェルナンデスによるグラフィックノベルを原作に、前作同様、原作者のルッカが自ら脚本を手がけた。


裏切りの罰として追放されたブッカーと、海中の牢獄から逃れて復讐を誓うクインが不穏な動きを見せる中、アンディは「死ぬことができる存在」となった自身と向き合っていた。そんな彼女に新たな危機が迫り、数千年にわたって築いてきたすべてが危険にさらされる。「不死者」とはいったい何なのか。その謎を解き明かすため、アンディ、ナイル、ジョー、ニッキー、ジェームズ・コプリーは、不死の秘密を解き明かすカギを握る、かつての仲間トゥアに協力を求める。


監督は、「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」の第2班監督などを務めたビクトリア・マホーニー。前作に引き続き、シャーリーズ・セロン、キキ・レイン、マティアス・スーナールツ、マーワン・ケンザリ、ルカ・マリネッリ、キウェテル・イジョフォーらが出演し、新たにユマ・サーマン、ヘンリー・ゴールディングが加わった。Netflixで2025年7月2日から配信。

 


続編の方はかつて主人公がパートナーとしていた女性(クイン)の不死者が復活して、復讐心に駆られた彼女と主人公との戦いがメインテーマになります。
彼女を助けたのが最初の不死者(ディスコード)で、このキャラクターをユマ・サーマンが演じています。
まあぶっちゃけこの続編については、男前シャーリーズ・セロンと<キル・ビル>ユマ・サーマンとの戦いが見どころって感じですかね。
色々あんだけど、とどのつまりはw。

 


しかしこのクリフハンガーのラストはどういうこと?
5年待って続編ようやく見たんだけど、このラストでまた5年とかないですよね。
早々に続編の制作がされることを祈っています。
いや待ちきれないですよこれ。

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#映画感想文
#オールドガード2
#シャーリーズセロン
#ユマサーマン

結局「よ〜分からん」。興味深かったですけどね。:読書録「アメリカの新右翼」

・アメリカの新右翼 トランプを生み出した思想家たち
著者:井上弘貴
出版:新潮新書(Kindle版)

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トランプ政権が誕生してからまだ半年ぐらいしか経ってないのに、まあなんかもう毎日が大騒ぎって感じですよね。
騒ぎばっかりで大したことはできないんじゃないかと途中まで思ってたんですけど、イスラエルとイランの戦争を数日間で止めたりして、なんとなくそれなりに成果も出てる部分もあるかなっていうふうな気もしています。関税に関してはいろいろと揉めていて、まだイギリスとしか合意ができていないとか、はっきりとした成果が出てきてはいませんけど、その割には関税の適用には固執していて、それなりのそれをキーで動きも出ている。(日本も含めて)
これが一体どうなるかというのも無視できそうもない気がして来ています。


<現在のアメリカの新しい右派―――のちに本書で触れるが、それは第三のニューライト、あるいはシンプルにニューライトと呼ばれる――は、従来の右派とは異なりアメリカの思想的な基底である古典的自由主義にも懐疑の目を向け、よりナショナリズムを重視し、よりキリスト教的価値を重んじ、よりテクノロジーを受け入れ、より極右との親和性を強めている。このような右派の思想的な再編を捉えなければ、第二次トランプ政権の行く末は、十分に見定めることができない>


そういうこともあって、第二次トランプ政権が一体どういう性格の政権なのかなっていうのに興味が出てきて、その第二次トランプ政権を支える人々の思想的な側面を知りたくて読んでみたのがこの本です。
結果どういう感じになったかというと、まぁ結局「よくわからん」っていうのが結論ではあるんですけどw。
でもまぁパトリック・J・デニーンとかルノー・カミュとかあまり知らなかった思想家の内容なんかも割と整理されて知ることができましたし、ピーター・ティールとかバンスとの距離感なんかもなんとなく理解できたような気がします。
ハンガリーのオルバン政権の評価とかも興味深かったです。
とんでもね〜野郎と思ってましたからw。

 

個人的には僕は自分のことはリベラルよりの人間だと思っています。
その感覚から言うと、アメリカの新右翼の宗教的価値観のあたりには違和感を感じざるを得ません。
(これはリベラルというよりは日本人的価値観かもしれないけど)
ただまあ、リベラルに大きな問題があるっていうのも確かだとも感じてるんですよね。
こんなことを言うと、今の日本のリベラルからだと反動保守みたいなことを言われるっていう可能性はあって、そのこと自体が問題だと思っているんですけど。
一方でピーター・ティールとかイーロン・マスクのポジションである進歩的右派っていうのは、ある意味僕には近い感覚はなくはないです。(あそこまでクレイジーじゃないけどw)
ここら辺は、もしかしたら伝統的右派とは対立をしていく可能性もあって、どういう風になっていくかっていうのは見えないところはありますし、トランプのスタンスがどうなのかっていうのはよくわからないですね。
トランプ自身が最新の科学的な進展を理解しているともちょっと思えないですし。


ただ、それ以上に進歩という部分について、リベラルの方がかなり否定的になっているのは気になります。
もちろん、思想的な進歩、例えばLGBTQとか多様性とか、そういった点に関しては、リベラルの方が進歩的で、僕自身もその点に関しては賛同するところも多いんですけれども、テクノロジーという点に関する評価という点で言うと、最近のリベラルって結構後ろ向きですよね。
でも、これだけテクノロジーが進んでいる中で、そういうことに批判的で、一体どういう社会が構成できるのかっていうのは結構疑問だと思うんです。
さらに、本来寛容であるべきリベラルが非常に不寛容になってしまっているっていうのも問題でしょう。
まあ、右翼が不寛容っていうのは、それはそれでなんとなくわかるんですけれどもw、リベラルの方がそれ以上に不寛容になっているっていうのは、やはり問題なんじゃないかと思います。
そういう意味において、トランプ政権というのは結構問題だし、決して僕も賛同できないことは賛同できないんですけれども、じゃあ、リベラルのサイドを応援するかというと、なかなかそこまでいけないというのが、今の現状ですかね。
それは日本でも同じで、アメリカやヨーロッパまでの深刻な対立や分断は起きていないけれども、リベラル側の不寛容が、結果的にリベラルの先鋭化して支持を少なくしているんじゃないかという気配は持っています。
もっとも自民党の方も大してしっかりとはやれていないので、この夏の参院選なんかどうなるかっていうのは、読めないところはあるんですけどね。


これからの日本の10年後っていうことを考えたときに、あり得る姿として、読むのには結構興味深い作品なんじゃないでしょうか。
僕はかなり興味深く読むことができました。
それで「分かった!」とはなんないんですけど。

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#読書感想文
#アメリカの新右翼
#トランプ

 

 

オッサンたちのリベンジ物語としてグッと来ました:映画評「F1 the movie」

「国宝」「フロントライン」と重量級の映画を2本続けて後悔を見たので、まぁエンタメで気楽に見れるものと思ってチョイスしました。
Apple オリジナルなので待ってればApple TVで配信されるとも思ったんですけど、まぁやっぱりこういうのって大画面で大音量で見たほうが楽しめるでしょう。

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(パンフレットより)
STORY
元カリスマF1レーサーのソニー・ヘイズ (ブラッド・ピット)は、最弱のF1チームを救うため、現役復帰を果たす。 常識破りなソニーの振る舞いに、チームメイトである若きルーキーやチームメンバーは困惑し、 度々衝突を繰り返すが、 次第に圧倒的なソニーの才能と実力に導かれていく。果たしてソニーは、バラバラのチームと共に過酷な試練を乗り越え、並み居る強敵たちを相手に逆転できるのか!? それぞれの情熱と誇りを胸に、命がけで夢 〈スピードの頂点〉に挑む!

 

まぁ、この手の話っていうのは、ストーリーは大体決まってて
才能あるけれども、経験が足りなくて、未熟な若者ベテランがフォローして成功に導く
あるいは
才能がある若者の姿に触発されて、何かを諦めていたベテランがカムバックする
そんなところでしょう。
ストーリーのほうはまぁそんなに期待してなくて、とにかく迫力のあるレースシーンが見れればいいや
…と思っていました。
それが予想外にストーリーにも感心させられて…て感じです。
いや、ホントよく練られた脚本です。
いろんな要素があるんだけど、個人的には若き日に夢破れたおっさんたちのリベンジ物語として胸が熱くなりました。
それでいて売りは人間ドラマじゃなくて、レースの迫力の方だっていうのもしっかり押さえてますしね。
2時間半近い映画でしたけど、たっぷり楽しませてもらいました。


しかし、F1って、もうこんなに複雑で巨大なモンになっちゃってるんですね。
レース自体のショーアップっていうのはなんとなくわかってたんですけど、その裏側でこんな巨大なそして先進技術を組み込んだ世界があるっていうのはちょっとびっくりでした。
たかが車のレースにここまでやるの?
そんな気持ちもしなくないんだけれども、そういうのも含めて「F1」のなのかな、とも。
よく自動車メーカーがF1に挑戦するのに「先進的な技術を市販車にフィードバックする」みたいなことを言うケースがありますけど、そういう理屈よりも、ただただスピードを追い求めて、使える資本や技術、人材を投入していく…そう言う方がしっくりするような気がします。
AI時代になっても、そこに吸収されない人間の欲望みたいなものが、ここには見えるような気がしたりもするんですよね。
まぁそれをよしとするかどうかっていうのは、異論ある所でしょうけど。


面白そうだなぁと思ったら、ぜひとも劇場で見るのをお勧めします。
まぁそういう映画です。

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#映画感想文
#F1
#ブラッドピッド

ここまで書いて、それでも酒はやめなかったんだなぁ:再読「今夜、すべてのバーで」

・今夜、すべてのバーで

著者:中島らも
出版:講談社文庫(audible版)

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audibleにアップされたので再読。
前はいつ読んだかな〜。
91年に単行本が出てるから、そのときかも。
記憶は相当薄れてますが、良い作品だった印象は残ってます。


(Amazon)
どうしても酒を飲まずにはいられない人生について。
「この調子で飲み続けたら、 死にますよ、 あなた」
それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。
ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、親友の妹が繰り出す激励の往復パンチー-
「飲む人間は、どっちかが欠けてるんですよ。自分か、自分が向かい合ってる世界か」
劇作家、ミュージシャン、 放送作家、 ラジオパーソナリティ、 小説家・・・・・・
尼崎に生まれ、独創的なユーモアで幅広く活躍した中島らも。
実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版になって再登場!
没後20年を経ていまなお読者の心をつかんで離さない、すべての酒飲みにささげるアル中小説のロングセラー。


作中では主人公は色々あって酒をやめたシーンで終わるんですけど、リアル中島らもはまたアルコールを飲むようになって、52歳で酔って階段から落ちて死亡。
躁うつ病なんかもあって、なかなか大変な晩年だったようですけど、35歳で死ぬと思ってたのが50過ぎまで生きたってのは、この本を書く経緯があってのこと…なんでしょうか?


今読むと、まあ「カッコつけすぎじゃないかなぁ」と思ったりもします。
なんかラストの展開(霊安室からバー)も、感動的なんだけど、出来過ぎって感じも。
それが昔読んだ時は良かったんでしょうけどね。
読み返して、「良い作品」とは相変わらず思うんですけど、距離感は感じるようになったな〜ってトコです。


多分、単行本を読んだ頃って、毎日のように飲みに出てたと思うんですよ。
今は平均して週一飲むかなってくらい。
そこに至るまでは僕も色々あって、アルコールとの付き合い方も随分と変わって来ました。
そのことがこの作品との距離感にもつながってるんでしょうね。


昔読んだ人は再読しても良いかな。
新しく読者を呼び込めるかどうかは…
う〜ん、どうだろ?
ちょっと時代感が違っちゃってるかも。
まあそれは今の人が自分で考えてくれりゃ良いんだけどさw。

 


#読書感想文
#今夜すべてのバーで
#中島らも
#audible