鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2024-01-01から1年間の記事一覧

安定した面白さ:読書録「能面検事の奮迅」

・能面検事の奮迅著者:中山七里出版:光文社文庫 「空気を読まない」「忖度しない」大阪検事・不破俊太郎を主人公とするシリーズ第2作。今回は学校新設に伴う国有地払い下げ事件における文書改ざん疑惑が題材となります。 「森友学園かよ」ですが、まぁそう…

「革命」と言うくらい影響度を大きく見ています:読書録「生成AI革命」

・生成AI革命 社会は根底から変わる著者:野口悠紀雄出版:日本経済新聞出版(Kindle版) 少し前に読んだ「超」創造法は面白かったんですけど、2022年の発表で生成AIの情報が少し古くなってました。で、最新の著作で最新情報を踏まえた野口さんの考え方を確認…

推理小説好きの人向き…なのかなぁ?:読書録「ポケミス読者よ信ずるなかれ」

・ポケミス読者よ信ずるなかれ著者:ダン・マクドーマン 訳:田村義進出版:ハヤカワミステリ(Kindle版) <時は一九七六年、独立記念日の頃。舞台はニューヨーク州の人里離れた七千エーカーの敷地〝ウェスト・ハート〟。そこに佇むリゾートホテル風の豪壮…

実に読後感も良い小説でした。:読書録「リカバリー・カバヒコ」

・リカバリー・カバヒコ著者:青山美智子 ナレーター:大原さやか出版:光文社(audible版) 自分の体が悪いところと同じ場所をなぜると、そこが直ると言う言い伝えがある公園のアニマルライドの「カバ」「人呼んで、リカバリーカバヒコ。…カバだけに」 公園…

これはなかなか良い小説だと思いますよ:読書録「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」

・ようこそ、ヒュナム洞書店へ 著者:ファン・ボルム 訳:牧野美加 出版:集英社 少し前からちょっと気になってたんですけども、ようやく購入、読了しました。…と思ってたら、本屋大賞の翻訳部門で1位になってたんですね。読み終えた後に知りました。 まぁ、…

生成AIの話よりも発想法の方が面白い。:読書力「「超」創造法」

・「超」創造法 生成系AIで知的活動はどう変わる?著者:野口悠紀雄 ナレーター:中村友紀出版:幻冬舎新書(audible版) 野口悠紀雄さんの生成AI及びそれを活用した創造法に関する本少し前に出版されてるものですが、Audibleにあるのも友人に教えてもらい、…

ミステリーじゃないのねw。:読書録「ラブカは静かに弓を持つ」

・ラブカは静かに弓を持つ著者:安檀美緒 ナレーター:斉藤壮馬、伊東健人 他出版:集英社(audible版) 発表されたときに、「面白そうだな」とちょっと思ったんですが、そのまま忘れちゃって…。audibleにあるのを見つけて、DLしました。 橘は少年時代の誘拐…

いやー、かなりレベル高いです:ドラマ評「寄生獣 ザ・グレイ」

「新感染ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ監督による「寄生獣」のスピンオフというか、アナザーストーリーというか…日本に寄生獣が登場している間に、韓国にもまた…っ設定ですかね。 それにしても、まあレベルが高いこの監督ですから、アクションシ…

いやぁ、そういう見方、確かにな〜:読書録「ミライの源氏物語」

・ミライの源氏物語著者:山崎ナオコーラ出版:淡交社 大河ドラマ(光る君へ)の便乗本…じゃないかな?出版は23年3月だし。その頃には決まってたから、「狙った」って可能性もなきにしも…?どっちでもいいんですが、僕が大河の「副読本」として読んだのは確…

連作短編ミステリーは大好物:読書録「ヒポクラテスの悔恨」

・ヒポクラテスの悔恨著者:中山七里出版:祥伝社文庫 法医学者・光崎教授シリーズ第4作。前作は「パンデミック」をテーマにした長編仕立ての作品でしたが、本作は連作短編集。僕はやっぱり好きなんですよね、ミステリーの連作短編。堪能させてもらいました…

あの髪型は劇中じゃさほど気にはなりませんw:映画評「ARGYLLE/アーガイル」

「キングスマン」シリーズのマシュー・ヴォーン監督による新スパイ映画。劇場公開は見逃して、AppleTV+で観ました。 エリーはスパイ小説シリーズ「アーガイル」の著者。作品の展開に悩み、実家への帰省途中の列車で殺し屋に襲われ、エイダンという本物のス…

「乱歩」の世界が楽しめます:読書録「乱歩殺人事件ー「悪霊」ふたたび」

・乱歩殺人事件ー「悪霊」ふたたび著者:芦辺拓 江戸川乱歩出版:KADOKAWA(Kindle版) 江戸川乱歩の未完の長編「悪霊」を、パスティーシュものの名手・芦辺拓が完成させた作品。「未完の小説」というと、作者が死去して…みたいなケースが多いんでしょうが、…

僕はいったい何を読まされてるんだろう…:読書録「ありえない仕事術 正しい“正義“の使い方」

・ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方著者:上出遼平出版:徳間書店 ドキュメンタリー「ハイパーハードボイルドグルメリポート」で有名なプロデューサー上出遼平さんの<仕事術>本。僕自身は存じ上げてはいたものの、「ハイパーハードボイルドグルメリ…

原作改変されてるが、ドラマとして良くできています:ドラマ評「三体シーズン1」

あの壮大なドラマをどう実写化するのか?Netflixってことで、期待と不安が相半ば。…個人的には満足できる内容でした。いやぁ、シーズン2、早よ。 壮大でありながら、心揺さぶられる原作…なんですが、結構難しいとこもあって(僕の理解力の問題ですが)、詳細…

これは小説なのか、エッセイなのか…:読書録「水 本の小説」

・水 本の小説 著者:北村薫 出版:新潮社 北村薫さんはものすごく好きな小説家なんですけど、あまり電子書籍はお好きじゃないようで、作品のほとんどがリアル本だけでの出版になっています。なかなか本の整理が大変になってきて、できる限り本は持たないよ…

文章でコンテンポラリーバレエを描く挑戦:読書録「spring」

・spring著者:恩田陸出版:筑摩書房 「蜜蜂と遠雷」でピアノ演奏の高みを文章で描いた作者が、バレエ、しかもコンテンポラリーを中心に描いた意欲作品。クラシックならまだしも、コンテンポラリーの創作バレエを文章でどう表現すれば…ってところを力技で押…

組織として活用できるようになるかどうか、かな?:読書録「頭がいい人のChatGPT & Copilotの使い方」

頭がいい人のChatGPT & Copilotの使い方著者:橋本大也出版:かんき出版(Kindle版) 生成AI(ChatGPT)については、少し前に読んだ「面倒なことはchatGPTにやらせよう」で概要は理解できたつもりだったので、GPT5あたりが出るか、Appleが実装するまでは特に…

結構前の作品なのね:読書録「星のダンスを見においで」

・星のダンスを見においで 地球戦闘編・星のダンスを見においで 宇宙海賊編著者:笹本祐一 ナレーター:下山吉光、いけながあいみ出版:創元SF文庫(audible 版) 「ARIEL」で有名な笹本祐一さんのスペースオペラ。…って、僕は「ARIEL」しか読んでないんです…

功罪半ばする…けど、日本じゃ嫌われすぎてる気もするかな:読書録「テクノ・リバタリアン」

・テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想著者:橘玲出版:文春新書(Kindle版) 世界を変える<唯一の>思想…なのかどうかは分かりませんが、「世界を変える」ことに強い意志を持った考え方だとは思います。ま、見方を変えるとそれ以外の思想が「保守…

知らずに口を出したくないと思ったけど、ちょっと知っただけでも頭が痛くなる…:読書録「イスラエル 人類史上最もやっかいな問題」

・イスラエル 人類史上最もやっかいな問題著者:ダニエル・スカッチ 訳:鬼澤忍出版:NHK出版(Kindle版) 昨年10月にはじまったハマスとイスラエルの戦闘には未だに出口が見えません。ハマスからの侵攻(音楽祭襲撃等)に端を発した戦いは、イスラエルのガ…

「ああ、終わったんだな」と改めて:読書録「もう明日が待っている」

・もう明日が待っている著者:鈴木おさむ出版:文藝春秋 SMAP×SMAPの放送作家だった鈴木おさむさんが、身近で伴走指摘たものとして「SMAP」について書いた<小説>。鈴木さんはテレビ界からの「引退」を表明されていますが、「暴露」的なものはあまりないに…

予想以上に話が広がって行きます:読書録「ヒポクラテスの試練」

・ヒポクラテスの試練著者:中山七里出版:祥伝社文庫 法医学者・光崎教授シリーズ第3作。結構前に1作目・2作目は読んでて、面白かった記憶はあるんですが、その後フォローしてなくて、久しぶりに…の3作目です。1・2作目は妻も気に入ってて、「新作(第5作)…

3世代揃い踏みw:読書録「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ 扉子たちと継がれる道」

・ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ 扉子たちと継がれる道著者:三上延出版:メディアワークス文庫 扉子が主人公になっての「ビブリア古書堂」シーズン2の第4作。本作はちょっと趣向が変わってて、 篠川智恵子(第二話 昭和編「道草」)篠川栞子(第三話 平成編「…

厨二心が爆走してますw。:読書録「化物語」

・化物語<上・中・下>著者:西尾維新 ナレーター:神谷浩史(上)、加藤英美里(中)、斎藤千加(下)出版:講談社(audible版) 「銀河英雄伝説」を個人的に「やり残した宿題」と思ってて、ようやくaudibleで宿題をやり終えた…ってことを以前書きましたが…

予想以上にチャンと実写化しています:ドラマ評「十角館の殺人」

綾辻行人の処女作「十角館の殺人」の実写化。原作はもちろん読んでる…んですけど、どんなだったかは遥か記憶の彼方w。あんまりハマらなかった気がするんですよね。結局、「館シリーズ」はコレだけしか読んでないので(多分)。島田荘司さんに続いて綾辻さん…

いやもう、やっぱり<絵>が…:映画評「DUNE 砂の惑星 PART TWO」

一作目もそうでしたが、もうやっぱり<絵>が圧倒的…。本作は映画館で観ましたが、惹き込まれっぱなしでした。上映時間166分。全然退屈せん! まあ、よく考えたら、「えっと、これってどうしてこうなるんだっけ?」ってとこもあるんですけどね。で、一歩引い…

ミリー・ボビー・ブラウンだから、やられっぱなしじゃ終わらないw:映画評「ダムゼル/運命を拓きし者」

ミリー・ボビー・ブラウン主演のNetflixオリジナル映画。「DAMSEL」ってのは「囚われの姫君」って意味らしいですけど、ミリー・ボビー・ブラウンがおとなしく王子様とか待ってたりするわけがないw。ま、そこらへん、邦題の副題は「ネタバレ」かな。 かつて竜…

どっちも面白いんですが、なぜこの作者名?:読書録「誰が勇者を殺したか」「追放された商人は金の力で世界を救う」

・誰が勇者を殺したか著者:駄犬出版:角川スニーカ文庫(Kindle版) ・追放された商人は金の力で世界を救う著者:駄犬出版:PASH!文庫(Kindle版) 「誰が勇者を殺したか」が書店で平積みにされてるのを見かけて、「面白そう」と思ってネットの評判を調べ…

上機嫌で…が僕の心には残っています:読書録「経済評論家の父から息子への手紙」

・経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて著者:山崎元出版:Gakken 2024年1月1日に逝去された山崎元さんの遺作。東大に入学された息子さんへの手紙をベースにして、「仕事」と「お金(投資)」のことを書かれています。「息子への手紙」…

「見方を変えれば…」という話:読書録「シン・日本の経営」

・シン・日本の経営 悲観バイアスを排す著者:ウリケ・シェーデ 訳:渡部典子出版:日経プレミアム(Kindle版) 「<失われた30年>とか言われてるけど、日本は後進国に下落したわけでもなく、まだ世界の経済大国に留まり続けている。それはなぜだろう?」と…