鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

過去からの長い手が…:読書録「ナイフをひねれば」

・ナイフをひねれば

著者:アンソニー・ホロヴィッツ 訳:山田蘭

出版:創元推理文庫(Kindle版)

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「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズ第4作。

10作シリーズが予定されてるらしいですからね。

シリーズとしては折り返しにもまだ…。

でも単体として十分楽しめますから、それはそれで…かな。

 


ホーソーンとの共作契約の3作までの目処がついたホロヴィッツ。

人格的に問題のあるホーソーンとの付き合いにホトホト嫌気がさしてしまい、ホーソーンに契約の継続はしないことを断言する。

しかしながら脚本を書いた演劇について、初日後に辛辣な劇評を書いた評論家が刺殺され、その殺人容疑としてホロヴィッツは逮捕されてしまう!

この苦境から脱出するには、ホーソーンの助けを借りるしか…

 


と言うのが本作のストーリー。

このシリーズ、作家アンソニー・ホロヴィッツ自身がワトソン役として登場して、虚実とり混ぜた展開が読みどころの一つとなっているのですが、本作でもそれは変わりありません。

ケチョンケチョンに言われてる「マインドゲーム」って劇さえ、本当にホロヴィッツが脚本書いてて、オフ・ブロードウェイで上演までされているとは…。

いやはや、やってくれます。

 


メインとなる殺人事件については「王道本格推理」の風格を感じさせる展開。

「過去」からの長い手が事件を呼び込む展開には、チョット感じるものもありました。

「犯人」もなぁ…(自粛)。

 


単品の作品としては綺麗に纏まりつつ、シリーズとしては「ホーソーン」の過去が徐々に明らかになってくる…と言うのがこのシリーズ。

…なんだけど、忘れちゃうんですよね〜。次の本が出版されるころにはw。

…と言うわけで以下には本作で明らかになった「ホーソーン」の過去について、個人の記録として下に記載しておきます。

<ネタバレ>になりますので、気になさる方は読まないでください。

あ、<ネタバレ>ですけど、本作の事件の推理とは直接関係はありませんよ。

 


5作目は本国では24年の4月発売とか。

4作目の原書は22年発売だから、翻訳は24年末か、25年?

う〜ん、遠いなぁ…。

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<ホーソーンがリースで生まれたこと。両親は亡くなっていること。それも、おそらくはふたりとも同時に、何か心に深い傷を残すような出来事によって。自動車の事故だろうか?  

その結果、ホーソーンは警察官の家庭に養子としてひきとられた。いまは昔ながらの私立探偵でありながら、副業として、どうやらモートンという男が切りまわしているらしい組織の仕事も引き受けている。だが、それがどんな組織なのかはまったく謎に包まれていた。あのリヴァー・コートの部屋は、どうやらその組織と関係があるようだ。あの部屋は家主の留守に管理しているだけだと、以前ホーソーンは話していたが、どうもそれは真実ではないらしい。あそこに住んでいるのには、何か別の理由があるのだ。>

 


<今回はリースのことに加え、謎の組織の存在や、モートンという名前、養父母のこと、そしてローランド・ホーソーンという人物を知ることができた。わたしはもともと、人生をかけて物語を追いつづけているのだ。この物語を諦めてしまうつもりなど、はたしてわたしにあるだろうか?>

 


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