鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2022-01-01から1年間の記事一覧

主人公も少しは成長しているようです:読書録「百万石の留守居役 使者・貸借・参勤・因果」

・百万石の留守居役 使者・貸借・参勤・因果」 著者:上田秀人 出版:講談社文庫 シリーズ6作〜9作。 7・8・9の3作は昨日のワクチン副反応の様子見の間に読んじゃいました。 ちょっと頭がボーっとしてるけど、寝続けるのはなぁ…って感じの時に読むにはちょう…

「24年組」の神話を解体する:読書録「萩尾望都がいる」

・萩尾望都がいる 著者:長山靖生 出版:光文社新書(Kindle版) 「萩尾望都」作品について、デビューから最新作まで、「今日的視点」から論じ直した評論本。 「評論」なんで、読んでると、「なんか小難しいこと言っちょるな〜」ってとこもありますが(自分…

本書を読んで、ちょっと「清原和博」が好きになりました:読書録「虚空の人」

・虚空の人 清原和博を巡る旅 著者:鈴木忠平 出版:文藝春秋(Kindle版) 無茶苦茶面白かった「嫌われた監督」の作者の新作。 覚醒剤に手をつけ、逮捕・有罪判決(執行猶予付き)を受けた清原さんのインタビュー本(「告白」「薬物依存症」)をまとめた作者…

「脳卒中」がどう言うものか、一端が分かります:読書録「復活への底力」

・復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる 著者:出口治明 出版;講談社現代新書(Kindle版) 21年1月に出口さんが倒れたというニュースを知った時、「原因は何か」「その後の経緯はどうなのか」についてあまり情報が出てこなかったので、ちょっと不思…

アクションのレベルは無茶苦茶高いっす:映画評「グレイマン」

ルッソ兄弟によるNetflixオリジナル。 ライアン・ゴズリングが主演、敵役をクリス・エヴァンスを演じ、脇を007最新作のボンドガール、アナ・デ・アルマスが押さえます。 まあ、「アクション」については冒頭からぶっ飛び展開の連続ですな。 よくまあ、こんな…

「スケール感」は合格:映画評「キングダムⅡ」

IMAXで家族で鑑賞。 前日に前作も復習しましたw。 邦画にしてはスケール感とアクション性を兼ね備えた快作だった前作ですが、ストーリーは「王宮での戦い」がメインだったんで、戦闘シーンは限定された舞台で展開されてたんですよね。 それが本作では「平原…

スッキリ解決策…はない:読書録「誰も断らない」

・誰も断らない こちら神奈川県座間市生活援護課 著者:篠原匡 出版:朝日新聞出版(Kindle版) 「格差」「貧困」「分断」… アメリカで表面化している問題は、今後の日本にとっても他人事ではない重要問題と思っています。 …と言うか、多分もう「問題」にな…

いやぁ、確かにこう言う話でしたわ:読書録「吉原御免状」

・吉原御免状 著者:隆慶一郎 出版:新潮社(Kindle版) 「百万石の留守居役」を読んでて、「本多正信」への興味が高まって、 「そういや<影武者・德川家康>に登場してたんじゃ…」 と思ったんだけど、上中下の3巻組に畏れをなし、 「確か<吉原御免状>も…

スポーツ映画のパターン通り。だから熱くなる。:映画評「ハッスル」

「アダム・サンドラー」はねぇ…。 もう、「アメリカン・コメディ」の本質的なことは分かんない…ってのの象徴のような役者さんで シーン、シーンでは爆笑させてもらうことも多いんですが、映画としては「う〜ん」ってことも少なくないです。 同じくNetflixオ…

シリアスなクリス・プラットの顔を延々と…:ドラマ評「ターミナル・リスト」

Amazonプライムオリジナル、クリス・プラット主演ドラマ。 1話1時間弱で、全8話。 最初の2話はちょっとキツかったけどw、そっからは一気に観れました。 基本的なストーリーの骨子は 「ハメられて、家族も仲間も失った兵士が、裏にある陰謀を知り、復讐をす…

どこまで「人間」を信じれるかって話かも:読書録「22世紀の民主主義」

・22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる 著者:成田悠輔 出版:SB新書(Kindle版) テレビのコメンテーターとかで、割と過激な発言をされている(らしい)作者の「民主主義のアップデート」に関する著作。 …って、テレビをほとん…

トントンと読み進めることが出来ますが、意外に物語は進展しないw:読書録「百万石の留守居役 新参・遺臣・密約」

・百万石の留守居役 新参・遺臣・密約 著者:上田秀人 出版:講談社文庫 「百万石の留守居役」シリーズの3巻〜5巻。 1・2巻で酒井雅楽頭の謀略(加賀藩主を5代将軍とし、加賀藩を取り潰す)を前田綱紀・本多政長主従が潰し、その手足となった主人公(瀬能数…

現代版カウボーイをディーヴァーが描くと…:読書録「魔の山」

・魔の山 著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子 出版:文藝春秋(Kindle版) 「コルター・ショウ」シリーズ第2作。 1作目(ネヴァー・ゲーム)も面白かったので、2作目も読むつもりではいたんですが、何となく過ごしているうちに、3部作の第3作目…

お〜、スケールアップしてる:ドラマ評「アンブレラ・アカデミー season3」

Netflix屈指の人気シリーズ。 …ということで、予算もアップしたのかしらん? シーズン2もかなりでしたが、3になって、さらにスケールアップ。 演出のキレも、趣味の良いサントラもそのままに、たっぷり楽しませてもらいました。 「1号」でリーダー役なんだけ…

ピックアップされてる映画はホボホボ観てる僕はどっぷり<欲望>まみれ?w:読書感想文「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」

・世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70-90s「超大国」の憂鬱 編者:丸山俊一 NHK「世界サブカルチャー史」制作班 出版:祥伝社 この番組、知人がFBで紹介してるのを見て、NHKオンデマンドをチェックしたんですが、今のところオンデマンドの対象にな…

加賀に本多家があるのは知ってましたが、正信の系譜と言うことは迂闊にも知りませんでした:読書録「百万石の留守居役 波乱・思惑」

・百万石の留守居役 <波乱><思惑> 著者:上田秀人 出版:講談社文庫 「勘定侍」シリーズを母と僕は楽しんでるんですが、執筆中のシリーズなので、ナカナカ次が出ない。 80過ぎの母が楽しみにしているようなので、上田さんの既に完結しているシリーズを母…

雰囲気があっていいけど、終盤〜スペシャルの流れが「?」ではあったかな?:ドラマ評「シャーロック アントールドストーリーズ」

このドラマ、妻が好きだったんです。 「面白いよ〜」 と放映当時から言われてたんですが、なんとなく見逃しちゃって…。 劇場版の公開に合わせて、再放送され、それがTVerにも流れて来たので、今回見てみました。 「なるほど」 と妻が言ってることも理解でき…

「頂上の雑談」とはよく言ったものw:読書録「考えて生きる」

・考えて生きる 合理性と好奇心を併せもつ 著者:成毛眞、ひろゆき(西村博之) 出版:集英社(Kindle版) 週刊プレイボーイの連載をまとめたもの。 ひろゆきさんのプレイボーイの対談と言えばホリエモンとの対談が名物でしたが、「餃子事件」で袂を分かっち…

読み応え、見応えのある作品。こういう作品が出来ちゃうことに、ちょっとした寂しさも感じたりするけど:読書録「細野晴臣と彼らの時代」、映画評「NO SMOKING」

・細野晴臣と彼らの時代 著者:門間雄介 出版:文芸春秋(Kindle版) 山下達郎のニューアルバム発売・BRUTUS特集、吉田拓郎の引退、坂本龍一のガン闘病etc…みたいな流れがあって、以前からちょっと気になってた細野さんの伝記本&ドキュメンタリーを日曜日に…

結局哲学に関しては「入門書」止まりだったなぁ:読書録「現代思想入門」

・現代思想入門 著者:千葉雅也 出版:講談社現代新書(Kindle) 「現代思想」の代表として、デリタ、ドゥルーズ、フーコーを位置付けて、その思想と意義について論じるとともに、その源流となる思想(ニーチェ、フロイト、マルクス)やバックボーンとなる精…

壮大な「内輪揉め」で、やりたい放題:映画評「ドクター・ストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス」

「ワンダヴィジョン」でどうにか、こうにか、片が付いたのかと思ってたら、全然ついてなかったという…w。 <マルチバース>(パラレルワールド)という反則技を上手く使って、感動巨編に強引に仕立て上げた荒技「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」に続…

賛否両論を含めて、「スター・ウォーズ」らしいドラマかも:ドラマ評「オビ=ワン・ケノービ」

「スター・ウォーズ」シリーズの第3作と第4作の間の時期を描くドラマシリーズ。 アナキンが闇堕ちした後の、オビ=ワン・ケノービとダース・ベイダーの姿が描かれます。 なかなか評価の難しいドラマですね、これはw。 第1話を見た時は、 「おお!これは!」 …

「負けへんで」姉さんが踏ん張ります:ドキュメンタリー評「ジャニファー・ロペス:ハーフタイム」

ジェーン・スーさんのストーリーズで激推しされていたので、観てみました。 Netflixのオリジナルドキュメンタリー。 2020年のNFLハーフタイムショーを軸に、ジェニファー・ロペスの「負けへんで」半生を振り返るようなドキュメンタリーでした。 ・プエルトリ…

偶像としての「土方歳三」をホボ完璧に映像化しています:映画評「燃えよ剣」

まあ、司馬遼太郎の原作がそういう話なんですけどね。 それを映像で更にブラッシュアップしています。 岡田准一はハマりまくり。 広角レンズを多用する原田眞人監督の<絵>は深みがあって、とにかく魅せてくれます。 キャストも「日本のいちばん長い日」ほ…

「われらはレギオン」ほどのぶっ飛び具合はないです。:読書録「シンギュラリティ・トラップ」

・シンギュラリティ・トラップ 著者:デニス・E・テイラー 訳:金子浩 出版:ハヤカワ文庫(Kindle版) 「われらはレギオン」シリーズの作者による、ノン・シリーズ作品。 シリーズの第4部を読んで、改めて面白かったんで、単独作品の方も読んでみました。 …

デジタル庁でのご活躍には期待したいです:読書録「テクノロジーが予測する未来」

・テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる 著者:伊藤穰一 出版:SB新書(Kindle版) 「web3」については、どっかのタイミングで勉強せんとな〜と思ってたところに、伊藤穣一さんの新書が出たので、読んでみました。 他にもうチ…

割と派手な展開でした:読書録「石礫 機捜235」

・石礫 機捜235 著者:今野敏 出版:光文社 「機捜235」シリーズ、第2作。 1作目は連作短編でしたが、こちらは長編。 締まった連作短編シリーズが長編になった場合、短編を間伸びしたような「薄味」になっちゃう時がありますがw、本作については緊張感をうま…

物語が広がっていきそうな展開。:読書録「勘定侍 五 奔走」

・勘定侍・柳生真剣勝負<五> 奔走 著者:上田秀人 出版:小学館時代小説文庫 面白いんだけど、一巻ごとの展開があまり早くないので、「少しまとまってから読もうかな〜」と思ってたんですが、実家の母が「早く続きを送れ」とセッツクので、やむなくw読みま…

紹介本エッセイ…じゃなくて、かなりガチ本でしたw。:読書録「新しい声を聞くぼくたち」

・新しい声を聞くぼくたち 著者:河野真太郎 出版:講談社 ジェーン・スーさんと堀井美香さんのPodcast「Over The Sun」は毎週夫婦で楽しみに聴かせてもらっています。 「オバサン」を模した題名にあるように、40代・50代の女性向けの番組で、「オバさん」と…

全5話じゃ足りないかな…:ドラマ評「17才の帝国」

NHKの土曜ドラマ。 星野源が出演してたんで、第1回を何の気なしに見たんですが、結局最後まで毎週見てしまいました。 個人的には結構ツボでしたねw。 <近未来の202X年、世界から斜陽国と呼ばれるようになった日本の現状を打破すべく打ち立てられた「Utopi-A…