鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

現代版カウボーイをディーヴァーが描くと…:読書録「魔の山」

・魔の山

著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子

出版:文藝春秋(Kindle版)

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「コルター・ショウ」シリーズ第2作。

1作目(ネヴァー・ゲーム)も面白かったので、2作目も読むつもりではいたんですが、何となく過ごしているうちに、3部作の第3作目の翻訳(ファイナル・ツイスト)が出版されてしまいw、慌てて読みました。

 


本作のメインは「カルト教団」への潜入。

ちょっとしたキッカケである少年の死(自殺)に関わってしまい、その経緯や、そこに居合わせた女性の反応への違和感から、自己啓発系のコミュニティーへの探りを入れる

…というのが基本的な流れ。

まあ当然のごとく(w)、このコミュニティーは裏のある「カルト教団」で、その教祖や組織の欺瞞をショウが暴いていく訳です。

 


「懸賞金ハンター」という職業ながら、ショウが本件に首を突っ込む動機は極めて内的なものであって、雇われ仕事ではありません。

ここら辺が「コルター・ショウ」というキャラクターが「現代版カウボーイ」であり(作者は「シェーン」をイメージしているようです)、作品が「ハードボイルド」的になっている理由でもあります。

サバイバルに長けたショウのキャラが非常にアクティブだってのもありますし。

もっとも書いているのが「どんでん返しの帝王」(w)ジェフリー・ディーヴァー。

「リンカーン・ライム」シリーズとは違った「どんでん返し」の畳み掛けも楽しませてくれます。

 


新キャラ登場もあって、すごく楽しかったんですが、唯一の不満は「カルト教団」の教義かな?

これでそんなに多くの人が、あれほどの洗脳を受けちゃうもんなのかしらん?

もちろんディーヴァーは色々下調べをしているので、実際のところはそういうものなのかもしれませんが、小説としてはもうチョット捻っても良かったような気もしました。

これくらいのことで洗脳されてします…そのことの方が恐ろしいのかもしれませんがね。実際には。

 


ラストには第1作から続いている父親をめぐる「陰謀論」的な事件が新たな展開を見せます。

3部作らしいので、次作はいよいよココに突っ込んでいくわけですね。

ショウの最後の活躍を楽しみに…

と思ってたら、どうも3部作のあとのシリーズ第4作も描かれているようです。

ありゃ。

となると、落ち落ちしてると、4作目が翻訳されちゃうかもw。

この夏の宿題かな。3作目は。

 


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