鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「われらはレギオン」ほどのぶっ飛び具合はないです。:読書録「シンギュラリティ・トラップ」

・シンギュラリティ・トラップ

著者:デニス・E・テイラー 訳:金子浩

出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)

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「われらはレギオン」シリーズの作者による、ノン・シリーズ作品。

シリーズの第4部を読んで、改めて面白かったんで、単独作品の方も読んでみました。

 


環境汚染で地球が疲弊している時代。

一攫千金を狙って宇宙採掘に賭けたコンピュータ・エンジニアが、エイリアンの仕掛けた罠にはまって…

 


という展開。

シンギュラリティを超えたAI勢力と、集団知性的な進化を遂げた勢力とがせめぎ合う宇宙世界があり、その狭間で人類が絶滅の危機に瀕する…って大風呂敷が広げられている中w、エイリアンに<寄生>されたエンジニアが、仲間たちと連携をとりつつ、宇宙軍の圧迫をかわしながら、人類の危機を回避するために奮闘します。

 


まあ、ストーリーラインは「スペースオペラ」なんですが、主人公のエンジニア気質が淡々としたユーモア感をもたらす辺りは「レギオン」シリーズに通じるものがあります。(主人公にとっては事態は相当に<悲劇的>なんですけど)

そこがこの作者の「味」でもあるんですがね、

 


正直言って前半の展開はちょっとまどろっこしいかな?

主人公がエイリアンと<同化>して<対話>するようになってからの展開は怒涛で、チート(w)なんですが、そこまでがちょっと「間延び」する感じ。

総じてテンポの良い作家なので、ちょっとココは残念でした。

 


続編を書くことができなくもないオチではありますが、それをやっちゃうと、<ボブヴァース>に近くなっちゃうかな?

あっちの方も、「こっからどうすんねん?」って感じにもなってますがw。

個人的にはもう一つあるらしいシリーズ作品の方を読んでみたいです。

…そこまでの人気はないのかしらん。

 

 

 

#読書感想文

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