鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「負けへんで」姉さんが踏ん張ります:ドキュメンタリー評「ジャニファー・ロペス:ハーフタイム」

ジェーン・スーさんのストーリーズで激推しされていたので、観てみました。

Netflixのオリジナルドキュメンタリー。

2020年のNFLハーフタイムショーを軸に、ジェニファー・ロペスの「負けへんで」半生を振り返るようなドキュメンタリーでした。

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・プエルトリコ移民の両親(特に母親)への反発

・ダンサー・女優・歌手としての成功

・<セクシー>さに対する世間の侮蔑的評価と低い自己評価

・セレブリティとしてスキャンダルに追われる中で自分の立ち位置が分からなくなる

・出産後、「アメリカン・アイドル」で自己評価を見直し

 


…ここら辺までが作品の時間軸の<前>の部分でしょうか。

 


本作中で、自分自身が助演女優となる「ハスラーズ」を製作。

その演技が高く評価される。

ゴールデングローブ賞にノミネートされるも受賞せず。オスカーはノミネートさえもされず。(このことでアカデミー賞は批判に晒されることにもなる)


BLM騒動で難しい立ち位置となったNFLから「ハーフタイムショー」のオファーを受けるものの、単独ではなく、シャキーラとの共演のオファーであった。

 


…作品の<時間軸>ではこういう流れ。

「ハスラーズ」で自分自身への<自信>を取り戻したジャニファーが、「女性」「移民」「マイノリティー」としての自分を強く意識しつつ、その<連帯>をNFLハーフタイムショーで表現しようと踏ん張る姿が映し出されています。

 


その結果としてのハーフタイムショーがこちら。

 


https://youtu.be/pILCn6VO_RU

 


まあ、本作を見た後だと、シャキーラはちょっと「前座」っぽく見えちゃうんですけどw。

 


例えば「ビヨンセ」なんかに比べると、J.LOにはまだ<危うさ>が垣間見えるようにも感じます。

そこは「黒人」と「ラティーノ」の積み上げの差かも。

それを超えて、「女性」としての立場に対する強い<想い>は、二人に共通して感じますけどね。

 


もちろん「成功者」である二人が打ち出す<フェミニズム>は、同時に<能力主義>の陥穽の危険性も孕んでいるとは言えます。

その意味では子供たちへの目線を取り入れたショーの構成には<弱きもの>への共感や連帯もあると言えるのかもしれません。

ここら辺、難しいですけど…。

 


いずれにせよ、一見の価値はあるかと。

こういう<強さ>って、日本じゃ見れないですから。

それが「まだ」なのか、「違う路線」なのかは分かりませんが。

 

 

 

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