鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2021-01-01から1年間の記事一覧

ジャズレコード版を期待します:読書録「古くて素敵なクラシック・レコードたち」

・古くて素敵なクラシック・レコードたち 著者:村上春樹 出版:文藝春秋 クラシック・レコードを巡る、ちょっとオタクっぽいエッセイかなぁと予想してたんですが、結構ガチの音楽評でしたw。 手持ちのアルバムから97曲のクラシック曲をチョイスして、そのジ…

なんか、一気に読んじゃいましたw:読書録「女たちのポリティクス」

・女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち 著者:ブレイディみかこ 出版;幻冬舎新書(Kindle版) 18年12月から20年11月まで「小説幻冬」に連載された文章をまとめた新書。 「幻冬舎?」 って違和感もあるんですがw、内容的には「ブレイディみか…

実は「三國志」の良さが今ひとつわからないんですw:映画評「新解釈 三國志」

福田雄一作品は、個人的には「ノレる/ノレない」が結構パッキリ分かれるんですよね。 「今日から俺は!」はかなりノレる方。 「勇者ヨシヒコ」シリーズはノレない方。 「銀魂」あたりはその中間…ってトコでしょうか。 あの独特の「グダグダ感」がそこまで好…

こう来ますかw:村上RADIO第25回

前回の予告を聞いて、 「クラシック特集か〜」 と思ったんですが(クラシックとは距離を置いてるのでw)、こう来ましたか。 考えたなぁ。 面白かったです。 (ちゃんとこう言うネタもんであることは言われてたんですが、実際に聴くまでピンと来なかったんですw)…

不愉快な指摘だが、否定はできない:映画評「21世紀の資本」

700ページを超えるピケティの「21世紀の資本」を読む気力はナカナカ湧きませんが、2時間弱の映画であれば…w。 「資本」が「格差」を産んできた歴史を、封建主義時代から現代まで映像を交えながら追い、現代の「格差」問題への問題提起と解決策を提案する内容…

「人間性」は暗黒森林に対抗できるか?:読書録「三体Ⅲ 死神永生」

・三体Ⅲ 死神永生<上・下> 著者:劉慈欣 訳:大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功 出版:早川書房(Kindle版) いやはや、もうなんと言っていいのやら。 前作「暗黒森林」を読んだときにも、その壮大なスケールにタメ息をつくばかりでしたが、本作に至…

ワトソンを巡る二人のホームズの三角関係:映画評「屍人荘の殺人」

原作は「舞台設定」は「ぶっ飛び」ながらも、中身は本格的な「クローズド・サークル」と言う新本格派。 …で、映画の方は、そのラインはしっかりフォローしていながら、エンタメとしてちゃんと成立させています。 ヒロインは「神木隆之介」?w まあ、言ってみ…

裏切った相手を「信頼」できるか:映画評「ラーヤと龍の王国」

「許す」ではなく「信頼する」。 なかなかハードルが高い。 正直いって、この尺で描くには、「共感」が追いつかない面が、個人的にはありました。 「ナマーリ」、信頼できるかぁ? 「30分×12話」くらいだったら、「共感」まで持って行けたかもしれないけどね…

引越しできないご近所が抱えるリスク:読書録「『ネオ・チャイナリスク』研究」

・「ネオ・チャイナリスク」研究 ヘゲモニーなき世界の支配構造 著者:柯隆 出版:慶應義塾大学出版会 作者の柯隆さんは伊藤洋一さんのラジオ番組(Round up world now!)に年に何回かゲスト出演され、中国経済について語ってらっしゃいます。 そのバランス…

煎じ詰めれば「CMとして成立してるか?」って話かも:読書録「炎上CMでよみとくジェンダー論」

・炎上CMでよみとくジェンダー論 著者:瀬地山角 出版:光文社新書(Kindle版) 定期的にやってる光文社新書のKindleセール(50%OFF)で購入。 直近で購入したのが「Z世代」だったんですが、割と「ビミョ〜」なラインをついてきますな、このセールはw。 本…

カンフーアクションが堪能できます:映画評「燃えよデブゴン TOKYO  MISSION」

「ドニー・イェン」ですからね。 そりゃ強いっす。 往年の香港アクションコメディのノリも楽しみながら、ドニー・イェンらしい、切れ味の良いカンフーも楽しめるという作品。 ストーリーは…まあ、「添えモン」ですw。 過去作のパロディにニヤリとし、ヌンチ…

日本国憲法の成立背景としては、こんなところでしょう:映画評「日本独立」

「日本のいちばん長い日」みたいな緊張感のある展開を期待したんですが、それは「望みすぎ」でしたかね。 まあ歴史的な意義とは別に、「画面」としては地味にならざるを得ませんからw。 もっと「右寄り」の「日本国憲法、けしからん!」「絶対改憲!」みたい…

ハッピーエンド。どこか物哀しさはあるけれど。:ドラマ評「コミンスキー・メソッド season3」

マイケル・ダグラス主演の、Netflixオリジナルドラマもファイナル・シーズン。 相棒のアラン・アーキンが高齢を理由に降板して(87歳ですからねぇ…)、どうなることか…と思ってましたが、楽しく最後まで見ることが出来ました。 良かった、良かった。 第一話…

謀を巡らせるのは…:読書録「黒牢城」

・黒牢城 著者:米澤穂信 出版:KADOKAWA(Kindle版) 織田信長に叛旗を翻した荒木村重。 籠城する彼の元に訪れ、捉えられ、牢に押し込められた黒田官兵衛。 …その史実を背景に、有岡城籠城中、「閉鎖空間」である城で発生する奇異な事件の解決を、城主の村…

事件は邦題のまんま。でも読後感は原題に…。:読書録「P分署捜査班 誘拐」

・P分署捜査班 誘拐 著者:マウリツィオ・デ・ジョバンニ 訳:直良和美 出版:創元推理文庫(Kindle版) ナポリを舞台にした「87分署」スタイルの警察小説。 問題分署「ピッツォフォルコーネ署」に集合した個性溢れる面々が、それぞれプライベートの悩みを抱…

地獄への道は善意で舗装されている:読書録「悪の処世術」

・悪の処世術 著者:佐藤優 出版:宝島社新書 次から次へと著作を出版する佐藤優氏の近作。 対談本あたりになってくると、 「さすがに粗製濫造では…」 と思わざるを得なかったりもするんですがw、ベースとなる「知識量」と、外交官時代の「経験量」には「さ…

ゾンビ映画のホラー度はドンドン下がってますw:映画評「アーミー・オブ・ザ・デッド」

ザック・スナイダーの新作。 Netflix配信でのゾンビ映画です。 アクティブ・ゾンビはスナイダー監督が持ち込んだようですが、本作はラスベガスを「ゾンビ王国」にして、アクティブ・ゾンビが大量発生。 「新感染半島」同様、物量作戦のようなゾンビとの対決…

レギュラー化第一弾。:村上RADIO第24回

今月からレギュラー・プログラム化。 月一回(最終日曜日)とは言え、「特別番組」じゃなくなっちゃったんで、こうやって記録していくのもどうかな、と悩んでますw。 まさか、こうなるとはねぇ。(なかなか面白い特集・選曲で、好きですけどね) 今回は「レ…

スーパーマンは最強っちゅうことですな:映画評「ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット」

家庭の不幸で途中降板したザック・スナイダーの構想でのディレクターカット版「ジャスティス・リーグ」。 4時間超ですw。 しかし「アベンジャーズ」のインフィニティ/エンドゲームが合わせて5時間40分強だったことを考えると、「長過ぎる」ってこともないか…

「探偵」になる物語:読書録「隻眼の少女」

・隻眼の少女 著者:麻耶雄嵩 出版:文春文庫(Kindle版) 「傑作」との評もある麻耶雄嵩氏のミステリ。 ミステリが読んでみたい気分にだったので、Amazonの「おすすめ」に上がってきてるのをDLして読みました。 麻耶雄嵩作品としては「貴族探偵」シリーズに…

綱渡りのストーンズw:ドキュメンタリー「1971」

AppleTV+のドキュメンタリー「1971 その年、音楽が全てを変えた」。 どなたかのnoteの記事を読んで、アップされたのを知って、 「まあぼちぼち見ますかな」 と手をつけたんですが、土曜の夜に見始めて、月曜の朝(通勤中)に見終わっちゃいました。 8エピソ…

ほほう、なるほど〜:読書録「Z世代」

・Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか? 著者:原田曜平 出版:光文社新書(Kindle版) 「さとり世代」や「マイルドヤンキー」と言った切り口を提示してきた若者研究者による「Z世代」の分析。 Z世代。 90年代中盤から2010年代序盤に生まれた世代…

長い!でも物語はストレート:読書録「ピルグリム」

・ピルグリム 1、2、3 著者:テリー・ヘイズ 訳:山中朝晶 出版:ハヤカワ文庫(Kindle版) Amazonのおすすめに出てきたのを、勢いで購入。 なんかエンタメなスパイものを読んでみたい気分だったので。 …で、そういう気分にはピッタリの作品でした。 全3巻…

その組織が維持され、成長するに足るビジネスモデルはあるか:読書録「郵政腐敗 日本型組織の失敗学」

・郵政腐敗 日本型組織の失敗学 著者:藤田知也 出版:光文社新書(Kindle版) NHKクローズアップ現代で取り上げられた「かんぽ生命」の不適切募集を軸に、業務停止命令(かんぽ、日本郵便)・トップ辞任に至る経緯を振り返りつつ、郵政さらには日本企業の構…

ベースにあるのは「経済格差」ですが:読書録「新型格差社会」

・新型格差社会 著者:山田昌弘 出版:朝日新書 「パラサイト・シングル」や「婚活」といったワードで社会の変化を切り取る山田昌弘さんの近著。 山田さんの論文とかは読んだことないので、そのベースになってるデータや分析がどこまで精緻なものなのかは分…

2時間16分、楽しめました:映画評「スペース・スウィーパーズ」

「ヴィンチェンツォ」のソン・ジュンギ主演のNetflix配信映画。 コロナ禍で、Netflix配信になっちゃったようです。 スペースオペラですからねぇ。大画面でやりたかったでしょうが…。 でも楽しめましたよ。 僕は「ヴィンチェンツォ」流れで見たんですがw、ソ…

終盤は一気に…:ドラマ評「ヴィンチェンツォ」

「愛の不時着」「梨泰院クラス」に続いて「完走」した韓流ドラマ。 全20話。 最後の5話くらいは、この週末に畳み掛けてしまいましたw。 イタリアマフィアのコンシリエーレを務めるヴィンチェンツォ・カサノが、抗争を避けて出身国の韓国に一時帰国し、国内に…

ストレートなハードボイル作品:読書録「危険な男」

・危険な男 著者:ロバート・クレイス 訳:高橋恭美子 出版:創元推理文庫(Kindle版) 物語としてはあまりひねりのないハードボイルド小説。(題名も、割とストレート) まあ、あんまり「ひねり」がありすぎるのもねぇ。 久しぶりに読む「ハードボイルド小…

オバマの感想が聞きたい:読書録「実力も運のうち 能力主義は正義か?」

・実力も運のうち 能力主義は正義か? 著者:マイケル・サンデル 訳:鬼澤忍 出版:早川書房 人は、持って生まれた才能を、自らの努力で十分に発揮し、その成果を自らのものとして評価されるべき。 ただそれぞれの人は環境によってその才能を発揮する条件が…

「大義」が見えなくするもの:映画評「罪の声」

原作を読んだ妻が「観たい」と言ってたので、prime Videoでレンタル。 2時間20分。 「長い」…ですが、全く退屈しませんでした。 野木亜紀子さん、さすがです。 妻によれば、 「相当、原作をコンパクトにしてる」 とのこと。 確かに、 「え?これって都合良す…