鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

なんか、一気に読んじゃいましたw:読書録「女たちのポリティクス」

・女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち

著者:ブレイディみかこ

出版;幻冬舎新書(Kindle版)

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18年12月から20年11月まで「小説幻冬」に連載された文章をまとめた新書。

「幻冬舎?」

って違和感もあるんですがw、内容的には「ブレイディみかこ」、ブレはありません。(キッチリ「反・安倍」w)

 


「ちょっと長めの連載だし、中身が古くなってるかなぁ」

と思わなくもなかったんですが、読み始めたら一気に最後まで読んじゃいましたw。

いや、確かに古くなってるんですよ。情報的には。

何より「コロナ」。

やっぱりこれで全てが一変しちゃってる感じがありますからねぇ。

理念は理念として、「具体的な統治能力があるのか」が評価としては問われつつあると思います。(ただしon the wayですが)

 


にもかかわらず面白く読めたのは、取り上げられる「女性政治家」の多彩さ…でしょうかね。

むっちゃリベラルで、反緊縮派のブレイディさんのスタンスからは「女性」という括りだけでは評価できない政治家が沢山います(最右翼が「サッチャー」w)。

理念だけでは整理できないことも政治の動きの中にはあって、そこら辺が面白いし、考えさせられもします。

ブレイディさんは「フェモナショナリズム」の危険性を強く認識しているようですが、これも考えてみると、結構複雑なところがあって、スタンスの取り方は難しいっちゃあ、難しいなぁ…とも(イスラム文化とフェミニズムの理念との軋轢を、生活の現場でどう落とし込んでいくか、と言う点で。もちろん「黒人文化における女性差別問題」とか、これは他でもあることではあります)。

ぶっちゃけ、現時点でここに踏み込む知識も勇気も僕にはありません。

 


<女性たちの政治参加の形も次のステージに推移することとなった。いったん政治を行う立場になった者にとり、政治はもう反逆や抵抗ではない。なぜなら、反逆や抵抗や闘いは、運動のときにやるものだ。政治は違う。政治とは、自分の正義を声高に主張することではなく、説得することであり、論敵を負かすことではなく、人々の違う意見や利害を調整することである。>

 


(なんか枝野さんや蓮舫さんに読ませたい文章w。

コロナ対策を巡るアレやコレやなんかも、そう言う意味じゃ、「所詮、運動」なのかもなぁ…などと思ったりして)

 


それでも本書の取り上げられた女性政治家はこのステージに上がってる人たち。

だからこそ「読まされる」んですよね。

多かれ少なかれ、社会からの偏見や逆境を乗り越えて、このステージに上がってきてるわけですから。

腹の座り方が違う。(メルケルはトランプやプーチンを「校庭の少年たち」と呼んで、そのマチズモをバカにしているとか。いやはや…w)

小池さん、稲田さん、どうですか?

…と言う問いかけも本書ではされています(そりゃ、厳しめですがw)。

どうかな?

 

 

 

ま、この物差しだったら、「失格」の男性政治家も山ほどいますけどねw。

(だから「男性/女性」って括るのはおかしい…とは僕は思いません。

アホな男性政治家がなぜ当選してしまうのか…ってとこが問題なんですから)

 


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