鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

長い!でも物語はストレート:読書録「ピルグリム」

・ピルグリム 1、2、3

著者:テリー・ヘイズ 訳:山中朝晶

出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)

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Amazonのおすすめに出てきたのを、勢いで購入。

なんかエンタメなスパイものを読んでみたい気分だったので。

…で、そういう気分にはピッタリの作品でした。

 


全3巻。

長いのは長いんですがw、ストーリーはストレートで、それでいて飽きずに最後まで読み通すことができます。

映画化が予定されてるようですが、向いてるとは思いますよ。(作者は「マッドマックス2」の脚本家だそうです)

 

 

 

9.11を契機に、若くして引退した伝説的な諜報部員<ピルグリム>

サウジアラビアで父を政府に殺され、その復讐からムジャヒディンとなったテロリスト<サラセン>

 


天然痘を使った大規模テロを目論む<サラセン>を、引退から無理矢理引き出された<ピルグリム>が追跡するというのが物語の骨子で、そこに911で英雄的行為をしたニューヨークの警官や、転落死した富豪の未亡人と愛人なんかが絡んできます。

長くなってるのは、それぞれの登場人物の背景を丁寧に描いてるからで、物語の展開そのものは単純な部類に入るんじゃないですかね。

少なくともジョン・ル・カレみたいな「裏読み」が必要な展開にはなりませんw。

 


<「わたしはあの子を愛している」彼はそれだけ言った。

「わかっているとも」わたしは答えた。「それだけが、わたしに使える武器だった」>

 


かなり残酷なこともしてるんですけど、根本のところでは登場人物たちはある種の「正義」に対して誠実な人物でもあります。

そこら辺が、読後感の良さにも繋がってますかね。

 


楽しい時間を過ごさせてもらいました。

 

 

 

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