鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録

個人的に大河ドラマ(どうする家康)の副読本になってます:読書録「足軽小頭仁義」

・三河雑兵心得3 足軽小頭仁義 著者:井原忠政 ナレーター:柏野昌俊 出版:双葉文庫(audible版) 大河ドラマ「どうする家康」の先々週・先週放映で三方ヶ原合戦が描かれました。 夏目広次の死には泣かされた〜。 …と言うわけで、家康の部下が足軽から成り…

寡作な作者さんのようで、全然知らなかったんですが、かなりレベル高いです:読書録「残月記」

・残月記 著者:小田雅久仁 ナレーター:岡井カツノリ 出版:双葉社(audible版) 少し前に評判になったSF作品。(吉川英治文学新人賞、日本SF大賞受賞) 「月」をテーマにした短編集…というか、短編2篇と中編1篇ですね。それぞれ独立した作品になっています…

志は高い本だし、岡田さんのスタンスは買います:読書録「教室を生きのびる政治学」

・教室を生きのびる政治学 著者:岡田憲治 出版:晶文社 「なぜリベラルは敗け続けるのか?」「政治学者、PTA会長になる」の岡田憲治さんの最新作。 バリバリ「リベラル」の岡田さんですが、立憲のテイタラクに悩んで書いたと思われる「なぜリベラルは〜」で…

「ミステリー」の部分は弱いけど、そこを楽しむ作品じゃないか:読書録「15歳のテロリスト」

・15歳のテロリスト 著者:松村涼哉 ナレーター:岩端卓也 出版:KADOKAWA(audible版) 「少年法」の厳罰化をテーマに展開するミステリー。 祖母と妹を殺された少年 兄が殺人を犯した少女 恋人を殺された記者 少年と記者の視点から交互に描かれるスタイルと…

リアル本で読むのがオススメw:読書録「ふしぎな中国」

・ふしぎな中国 著者:近藤大介 ナレーター:住谷哲栄 出版:講談社現代新書(audible版) 講談社の記者(一時期、講談社の中国の子会社のトップだったりもするけど)が中国の「今」を紹介する作品。 天安門事件以降、中国にこだわって追いかけてきた方のよ…

まだ日本はここまで極端なことになってはいないと思いたいけど:読書録「『傷つきました』戦争 超過激世代のデスロード」

・「傷つきました」戦争 超過激世代のデスロード 著者:カロリーヌ・フレスト 訳:堀茂樹 出版:中央公論新社(Kindle版) 岩田健太郎さんがFBで紹介されてたのを見かけて購入した作品。 「アイデンティティ至上主義」や「犠牲者至上主義」に対する強い危惧…

端正な描写力とどんでん返しの連続:読書録「黛家の兄弟」

・黛家の兄弟 著者:砂原浩太朗 ナレーター:家中宏 出版:講談社(audible版) 前作「高瀬庄左衛門御留書」はナカナカ雰囲気のある作品だったと記憶してるんですが、こちらもまた…。 筆頭家老の黛家の三兄弟。 後継の長男、やや自分を持て余し、身を持ち崩…

「オタクだけど、ムチャクチャ頭の切れるクールな男子高校生探偵」って設定に乗れるかどうか:読書録「体育館の殺人」

・体育館の殺人 著者:青崎有吾 ナレーター:浅井晴美 出版:創元推理文庫(audible版) 高校の体育館の舞台の上で男子校生の刺殺体が発見される。 状況的に舞台は「密室状態」であり、犯人の可能性は卓球部部長だけに絞られる。 納得いかない卓球部員の女子…

存外静謐な世界観が悪くないです:読書録「此の世の果ての殺人」

・此の世の果ての殺人 著者:荒木あかね ナレーター:青木瑠璃子 出版:KADOKAWA(audible版) 小惑星の衝突によって、数ヶ月後には人類が滅亡する世界。 太宰府で教習所の通うヒロインは、元・刑事の教習官と、教習自動車のトランクに他殺された死体を発見…

オーディオブックには向かないかなw:読書録「知略を養う戦争と外交の世界史」

・知略を養う戦争と外交の世界史 著者:出口治明 ナレーター:長塚コト、けんぞう、田所未来 出版:かんき出版(audible版) 世界史を「戦争と外交」(条約)という視点から概覧した作品。 出口さんが脳溢血で倒れられる前にまとめられている作品ですね。 「…

語り直される物語で語られること:読書録「街とその不確かな壁」

・街とその不確かな壁 著者:村上春樹 出版:新潮社 土曜日(4/15)から読み始めて、月曜の夜に読了。 一気…って感じじゃないですけど、650ページを超える作品にしてはトントンと読むことができましたかね。 個人的には結構好きです。 「1Q84」でグッと広が…

読み終えて、どう自分の中で位置付けていいのか、チョット分からなかったです。:読書録「ユーチューバー」

・ユーチューバー 著者:村上龍 出版:幻冬舎 「私は、あなたたちが信じられないようなものを見てきた。 オリオンの肩で炎上する戦闘船や、タンホイザー・ゲートの近くの暗闇で光るC-光線などを。 これらのすべての瞬間は、もはや失われる。 雨の中の涙のよ…

それで幸せならいいのかな?:読書録「ケイトウの赤、やなぎの緑」

・ケイトウの赤、やなぎの緑(「ぬるい眠り」収録) 著者:江國香織 出版:新潮文庫 会社帰りに本屋に寄ったら、この文庫(「ぬるい眠り」)があったので購入。 「きらきらひかる」の続編になる短編「ケイトウの赤、やなぎの緑」を帰りの電車の中で読みまし…

予想してたより色々起きるんだけど、オチは「現状維持」?:読書録「きらきらひかる」

・きらきらひかる 著者:江國香織 ナレーター:小松未可子、豊永利行 出版:新潮文庫(audible版) 江國さんの作品はほとんど読んだことがなくて、なんとなく敬遠してきてたんですが、audibleで見つけて、一念発起wしてDL。 読書の幅を広げるのaudibleを利用…

ミスリーディングのてんこ盛り:読書録「六人の嘘つきな大学生」

・六人の嘘つきな大学生 著者:朝倉秋成 ナレーター:木村良平 出版:角川書店(audible版) 2011年。 成長著しいIT企業「スピラリンクス」の新卒採用最終選考に集まった六人の学生。 当初は6人全員の合格もあり得るグループでの企画提案を求められていたの…

ネタバレせずに良さを語るのが難しいw:読書録「赤と青とエスキース」

・赤と青とエスキース 著者:青山美智子 ナレーター:井上悟、疋田涼子 出版:PHP研究所(audible版) 「お探し物は図書室まで」の青山美智子さんの作品。 「お探し物は〜」がなかなか読後感(聴後感)の良い作品だったので、audibleのおすすめで上がってる…

新聞の苦境がある一方で、それに代わる信頼を醸成できるようなメディアが見当たらないというのが1番の危機だと思います:読書録「2050年のメディア(文庫版)」

・2050年のメディア 著者:下山進 出版:文春文庫(Kindle版) またまたタイムリーになってますw。 朝日新聞が値上げ「報道の質を維持し、安定発行するため」 読売「少なくとも1年見送り」と判断分かれる(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース https://news.y…

成瀬〜!:読書録「成瀬は天下を取りにいく」

・成瀬は天下を取りにいく 著者:宮島未奈 出版:新潮社 「今の子は<コロナ>で充実した学生生活を送れなくて可哀想だよな〜」 と言うのは、まあ客観的にはそうなのかもしれませんが、言ってどうなるもんでもないし、その環境の中で、彼らは彼らなりの「毎…

映画のポスターがネタバレになってます:読書録「ロスト・ケア」

・ロスト・ケア 著者:葉真中顕 ナレーター:井上宝、志摩淳 出版:光文社文庫(audible版) 松山ケンイチ・長澤まさみ主演の映画「ロストケア」(「・」がない)の宣伝を見て、ちょっと気になってaudibleを検索したら原作がオーディオブックになっていたの…

持ちつ持たれつのバディ:読書録「合理的にあり得ない2」

・合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明 著者:柚月裕子 出版:講談社 不祥事事件で弁護士資格を失った上水流涼子が、IQ140の天才・貴山を相棒に探偵エージェンシーを営み、「よろず相談」的な事件に取り組むシリーズの第2弾。 今回は 行方不明になった車…

ようやく残された宿題を終わらせた気分です:読書録「銀河英雄伝説」

・銀河英雄伝説 著者:田中秀樹 ナレーター:下山吉光 出版:audible版 「読まなきゃいかんなぁ」 と思いつつ、読まずにここまできてしまった本と言うのは山ほどりますが(「戦争と平和」とかw)、エンタメ系で、僕の個人的趣味のど真ん中にあって、手に取る…

登場人物たちのお節介モードを容認できるかどうか…かなw:読書録「マーダー・ミステリ・ブッククラブ」

・マーダー・ミステリ・ブッククラブ 著者:C・A・ラーマー 訳:高橋恭美子 出版:創元推理文庫(Kindle版) クリスティの作品を読むブッククラブを立ち上げたヒロイン(アリシア)。 順調にスタートしたと思ったところ、メンバーの一人(バーバラ)が失踪し…

この犯人は無茶苦茶アタマが切れます:読書録「方舟」

・方舟 著者:夕木春央 出版:講談社(audible版) 大学時代の友人たちと従兄、偶然一緒になった三人家族の合計10名が、かつて左翼組織が作り、カルト教団がアジトとして使っていたと思われる地下建築物に、突然の地震で閉じ込められる。 この地下建築物から…

しかしすごい振り切った題名ですね、これw。:読書録「闘いの庭 咲く女」

・闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由 著者:ジェーン・スー 出版:文芸春秋 スーさんが「週刊文春WOMAN」に連載していたインタビュー記事をまとめて再編集したもの。 「インタビュー記事」なんですが、それぞれが話したことをそのまま記事にするのではな…

民主主義を目指したとは思えないけど、信長の先駆けのような人物だったのかも、と:読書録「じんかん」

・じんかん 著者:今村翔吾 ナレーター:堂島颯人 出版:講談社(audible版) 支えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くす その果てに、信長に反旗を翻し、天下の名茶器・平蜘蛛と共に、爆死する。 …と、キャラ立ちまくりの戦国武将…

ChatGPTでAIの実装が実感されるようになったタイミングにドンピシャw:読書録「魔女と過ごした七日間」

・魔女と過ごした七日間 著者:東野圭吾 出版:角川書店 東野圭吾の「ラプラスの魔女」シリーズ、第3弾。 「ラプラスの魔女」、個人的にはピンとこないところも少なからず・・・なんですが、なぜか3作目もソッコーで買っちゃいました。 妻が東野圭吾作品好き…

引越しできないご近所とどう付き合っていくかってのは真剣に考えなきゃいけない:読書録「京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。」

・京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。 著者:ムーギー・キム ナレーター:岩瀬遼平 出版:東洋経済新報社(audible版) ムーギー・キムさんの著作は「最強の働き方」と「最強の健康法…

<彼ら>を知るためじゃなくて、<自分>の世界観の解像度を上げるために知りたい:読書録「世界と私のA to Z」

・世界と私のA to Z 著者:竹田ダニエル 出版:講談社(Kindle版) 「Everything Everywhere All at Once」を観たときに、自分たちの世代のミッシェル・ヨーたちの視点に立ちつつも、その娘が「絶望」と「虚無」にとらわれ「混乱」している姿がすごく気にな…

読む順番が違っちゃいましたw:読書録「新・教場」「教場X」

・新・教場 ・教場X 刑事指導官・風間公親 著者:長岡弘樹 出版:小学館、小学館文庫 4月から木村拓哉主演で「教場0」が連続ドラマでスタート。 そのタイミングで、原作シリーズの最新刊「新・教場」が発売。 「こりゃ読まなきゃ」 と思って、早速購入したん…

「ナカタさんとホシノ青年の物語」として聴き直しました:読書録「海辺のカフカ」

・海辺のカフカ<上・下> 著者:村上春樹 ナレーター:木村佳乃 出版:新潮文庫(audible版) 単行本が出た時に1回。 文庫本になって、1回か2回。 でもまあ、10年くらいは経ってますかね。最後に読んで。 今回はaudibleで聴いてみました。 基本的に「カフカ…