鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録

村上さんが色々はぐらかしてるようにも読めるんだけど、多分「素」何でしょうね、アレ:読書録「みみずくは黄昏に飛びたつ」(再読)

・みみずくは黄昏に飛びたつ 著者:村上春樹、川上未映子 出版:新潮文庫(Kindle版) 「騎士団長殺し」を再読(再<聴>)して、 「そういえば村上さんに川上さんがインタビューした本で何か言ってなかったっけ」 と思いついて、購入していたKindle版をチェ…

再読(オーディオブックだけど)の方が面白かったです。:読書録「騎士団長殺し」

・騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編 著者:村上春樹、ナレーター:高橋一生 出版:新潮文庫(audible版) この作品は出版された時に読んで以来、初の再読。 (audibleなんで、正確には再<読>じゃないけどw) 最初に読んだ時も…

1作ごとに面白くなる。:読書録「木曜殺人クラブ 逸れた銃弾」

・木曜殺人クラブ 逸れた銃弾 著者:リチャード・オスマン 訳:羽田詩津子 出版:ハヤカワミステリ(Kindle版) 高齢者施設「クーパーズ・チェイス」に住む4人の老人が結成した「木曜殺人クラブ」の活躍を描く第3弾。 クリスティの「火曜クラブ」を連想され…

監督がいなくなっちゃったことに、改めて気づいてしまいました。:読書録「ぼくの大林宣彦クロニクル」

・ぼくの大林宣彦クロニクル 著者:森泉岳土 出版:光文社(Kindle版) 大林宣彦監督の映画を映画館で見たのは「なごり雪」(2002年公開)が最後。 制作が一番新しい作品は「転校生 さよならあなた」(2007年公開)をレンタルで観たのが最後ですね。 15年く…

なんだかモヤモヤが残っちゃいました:読書録「両手にトカレフ」

・両手にトカレフ 著者:ブレイディみかこ ナレーター:高山ゆきの 出版:ポプラ社(audible版) ブレイディーみかこさんの初の小説。 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が好きなので、出版されてすぐにリアル本で購入したのですが、今まで手…

短期間、有料版を試してみたいと思います。:読書録「ChatGPTと語る未来」

・ChatGPTと語る未来 AIで人間の可能性を最大限に引き出す 著者:リード・ホフマン、GPT−4 訳:井上大剛、長尾莉紗、酒井章文 出版:日経BP(Kindle版) ChatGPTを開発したOpenAIの出資者の1人であるリード・ホフマンが「ChatGPT」について語った本。 …「で…

今読むとナカナカすごい作品。…だけどやっぱりシンドイw:読書録「ねじまき鳥クロニクル」

・ねじまき鳥クロニクル 第1部・泥棒かささぎ編 第2部・予言する鳥編 第3部・鳥刺し男編 著者:村上春樹 ナレーター:藤木直人 出版:新潮社(audible版) 村上春樹さんの長編は時間を空けて何回か読むんですが(最近の「騎士団長殺し」と新作「街と、その不…

勉強せんとアカンなぁ…:読書録「名著の予知能力」

・名著の予知能力 著者:秋満吉彦 出版:幻冬舎新書(Kindle版) NHK番組「100分de名著」のプロデューサーの新書。 番組で紹介された名著の解説ではなくて、 <「名著は現代を読む教科書である」> と言う視点から、現代社会へのどういう問題意識が「名著」…

「本を読む人」ってのはマイノリティなんかねw:読書録「『若者の読書離れ』というウソ」

・「若者の読書離れ」というウソ 中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか 著者:飯田一史 出版:平凡社新書 題名通りの内容で、中高生の読書傾向について分析した作品。 「どのくらい」を統計的に解析し、 「どんな本」を傾向からジャンル分けして、…

「金石」は解体…かな?:読書録「黒石 新宿鮫12」

・黒石 新宿鮫12 著者:大沢在昌 ナレーター:祐仙勇 出版:光文社(audible版) 22年11月に出版された「新宿鮫」シリーズの最新刊が早くもaudibleに。 Amazonさん、力入れてますね〜。 10巻の「絆回廊」でシーズン1が終了し、「暗約領域」でシーズン2…とい…

個人の信条としての「清貧」は尊いと思うけど、経済政策や政治理念としては「大惨事」を招きかねない:読書録「自由と成長の経済学」

・自由と成長の経済学 「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠 著者:柿埜真吾 出版:PHP新書(Kindle版) 「脱成長」を主張する斎藤幸平氏への反論本。 清々しいまでに「新自由主義」の立場から「脱成長」「新マルクス主義」を否定しています。 ここまでフ…

ずっと世之介と祥子のズレた会話を聴いてたかったんだけど…:読書録「横道世之介」

・横道世之介 著者:吉田修一 ナレーター:梅原裕一郎 出版:文春文庫(audible) 本屋を覗いた時に、シリーズ3作目&完結編「永遠と横道世之介」が店頭に並んでるのを見かけ、 「あれ、<横道世之介>って死んだんじゃなかったっけ?」 と引っ掛かりを覚えた…

「空飛ぶ自動車」も「アンドロイド」も、実現にはまだ時間が掛かりそうだけど:読書録「SF超入門」

・「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門 著者:冬木糸一 出版:ダイヤモンド社(Kindle版) 「未来」を考える時、<SF小説>に触発されたり、参考にしたりするイノベーターは少なくない。 人間は「人間が考えたこと」しか作り出すことはでき…

「犯人探し」ではなく…:読書録「黒い海」

・黒い海 船は突然、深海へ消えた 著者:伊澤理江 ナレーター:北方李奈 出版:講談社(audible版) 少し前に発売されて(2022年12月発売)、評判を聞いて、「どうしようかなぁ」と思ってたんですが、audibleになったのを知って、DL。 割と一気に聴き終えて…

こう言う文章は生成AIでは書けないだろうなぁ:読書録「さよなら、愛しい人」

・さよなら、愛しい人 著者:レイモンド・チャンドラー、訳:村上春樹 ナレーター:古屋敷悠 出版:早川書房(audible版) 「さよなら、愛しい人」 「さらば愛しき女よ」 …まあでも、 「Farewell,My Lovely」 には勝てませんな。 村上春樹訳では三度目? も…

「子育て刑事」シリーズとかになるのかなw:読書録「育休刑事(諸事情により育休延長中)」

・育休刑事(諸事情により育休延長中) 著者:似鳥鶏 出版:角川文庫 妻が警察庁のキャリア課長。 夫は巡査部長で、夫の方が育休を取得して1歳の息子の面倒を見ている。 …という設定の連作ミステリー。(4篇収録) 法医学者をやってる夫の姉がナカナカ飛んだ…

新宿鮫シーズン2…って感じなのかな?:読書録「暗約領域」

・暗約領域 新宿鮫Ⅺ 著者:大沢在昌 ナレーター:祐仙勇 出版:光文社(audible版) 前作(絆回廊)で桃井が殉職し、晶とも別れた鮫島。 「10作も付き合ったし、そろそろいいかな」 って気持ちもあって、出版時には続編の本作には結局手を出しませんでした。…

入門+α…くらいかな?:読書録「AI  DRIVEN」

・AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方 著者:伊藤穰一 出版:SBクリエイティブ(Kindle版) 伊藤穰一さんのPodcast「JOI ITO変革への道」でChatGPTを取り上げてるパート(2023年4月)が面白かったので、ちょうどタイミングよく発売された本書を購入。 伊藤…

「自分」を縛るのは「自分」:読書録「コメンテーター」

・コメンテーター 著者:奥田英朗 出版:文藝春秋 「トンデモ精神科医・伊良部一郎」シリーズ、17年ぶりの新刊。 …ですが、内容は相変わらず。 楽しませてもらいました。 基本的、精神科医としての伊良部は「知識と経験はある」。 彼のところに通ってくる患…

2041年には76歳。さて、こう言う社会を楽しめるかな?:読書録「AI2041」

・AI2041 人工知能が変える20年後の世界 著者:カイフー・リン、チェン・チウファン 訳:中原尚哉 出版:文藝春秋(Kindle版) Googleの中国社長だった投資家「カイフー・リン」と、中国の新鋭SF作家「チェン・チウファン」が、現時点の技術革新の状況を踏ま…

久しぶりに読むと、やはりその「上手さ」に感心させられます:読書録「ぼんぼん彩句」

・ぼんぼん彩句 著者:宮部みゆき 出版:角川書店 宮部みゆきさんが友人と作っている「BBK」という会で句会をするようになって、そこで披露された作品をベースに「短編小説」を書いてみた…という作品。 「BBK」はもともと「ボケ防止カラオケ」でカラオケをす…

あの「上野千鶴子祝辞」を聞いた東大生たち…と言うのが興味深いw:読書録「東大生、教育格差を学ぶ」

・東大生、教育格差を学ぶ 編著:松岡亮二、高橋史子、中村高康 出版:光文社新書(Kindle版) コロナ禍になって、個人的に「格差」の問題は気になるテーマになっています。 ある程度のことは知識としてあると自負していたのですが、現実はもっと厳しいのだ…

個人的に大河ドラマ(どうする家康)の副読本になってます:読書録「足軽小頭仁義」

・三河雑兵心得3 足軽小頭仁義 著者:井原忠政 ナレーター:柏野昌俊 出版:双葉文庫(audible版) 大河ドラマ「どうする家康」の先々週・先週放映で三方ヶ原合戦が描かれました。 夏目広次の死には泣かされた〜。 …と言うわけで、家康の部下が足軽から成り…

寡作な作者さんのようで、全然知らなかったんですが、かなりレベル高いです:読書録「残月記」

・残月記 著者:小田雅久仁 ナレーター:岡井カツノリ 出版:双葉社(audible版) 少し前に評判になったSF作品。(吉川英治文学新人賞、日本SF大賞受賞) 「月」をテーマにした短編集…というか、短編2篇と中編1篇ですね。それぞれ独立した作品になっています…

志は高い本だし、岡田さんのスタンスは買います:読書録「教室を生きのびる政治学」

・教室を生きのびる政治学 著者:岡田憲治 出版:晶文社 「なぜリベラルは敗け続けるのか?」「政治学者、PTA会長になる」の岡田憲治さんの最新作。 バリバリ「リベラル」の岡田さんですが、立憲のテイタラクに悩んで書いたと思われる「なぜリベラルは〜」で…

「ミステリー」の部分は弱いけど、そこを楽しむ作品じゃないか:読書録「15歳のテロリスト」

・15歳のテロリスト 著者:松村涼哉 ナレーター:岩端卓也 出版:KADOKAWA(audible版) 「少年法」の厳罰化をテーマに展開するミステリー。 祖母と妹を殺された少年 兄が殺人を犯した少女 恋人を殺された記者 少年と記者の視点から交互に描かれるスタイルと…

リアル本で読むのがオススメw:読書録「ふしぎな中国」

・ふしぎな中国 著者:近藤大介 ナレーター:住谷哲栄 出版:講談社現代新書(audible版) 講談社の記者(一時期、講談社の中国の子会社のトップだったりもするけど)が中国の「今」を紹介する作品。 天安門事件以降、中国にこだわって追いかけてきた方のよ…

まだ日本はここまで極端なことになってはいないと思いたいけど:読書録「『傷つきました』戦争 超過激世代のデスロード」

・「傷つきました」戦争 超過激世代のデスロード 著者:カロリーヌ・フレスト 訳:堀茂樹 出版:中央公論新社(Kindle版) 岩田健太郎さんがFBで紹介されてたのを見かけて購入した作品。 「アイデンティティ至上主義」や「犠牲者至上主義」に対する強い危惧…

端正な描写力とどんでん返しの連続:読書録「黛家の兄弟」

・黛家の兄弟 著者:砂原浩太朗 ナレーター:家中宏 出版:講談社(audible版) 前作「高瀬庄左衛門御留書」はナカナカ雰囲気のある作品だったと記憶してるんですが、こちらもまた…。 筆頭家老の黛家の三兄弟。 後継の長男、やや自分を持て余し、身を持ち崩…

「オタクだけど、ムチャクチャ頭の切れるクールな男子高校生探偵」って設定に乗れるかどうか:読書録「体育館の殺人」

・体育館の殺人 著者:青崎有吾 ナレーター:浅井晴美 出版:創元推理文庫(audible版) 高校の体育館の舞台の上で男子校生の刺殺体が発見される。 状況的に舞台は「密室状態」であり、犯人の可能性は卓球部部長だけに絞られる。 納得いかない卓球部員の女子…