鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

しかしすごい振り切った題名ですね、これw。:読書録「闘いの庭 咲く女」

・闘いの庭 咲く女  彼女がそこにいる理由

著者:ジェーン・スー

出版:文芸春秋

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スーさんが「週刊文春WOMAN」に連載していたインタビュー記事をまとめて再編集したもの。

「インタビュー記事」なんですが、それぞれが話したことをそのまま記事にするのではなくて、スーさん目線で一旦整理したものを再構築するスタイルになっています。

まあ、良くも悪くもスーさんの「視点」ってのが強く出るかなw。

 


ピックアップされているのは以下の面々。

 


齋藤薫(美容ジャーナリスト・エッセイスト)*

柴田理恵(俳優・タレント)

君島十和子(美容家・クリエイティブディレクター)

大草直子(スタイリングディレクター)*

吉田羊(俳優)

野木亜紀子(脚本家)

浜内千波(料理研究家・食プロデューサー)*

辻希美(タレント)

田中みな美(俳優)

山瀬まみ(タレント)

神崎恵(美容家)

北斗晶(タレント)

一条ゆかり(漫画家)

(*を付けた方は、この本を読むまで僕は存じ上げませんでした)

 


まあ、「成功者」。

あるいは「自分の居場所を見つけた(作った)人。

「はじめに」で「生存者バイアス」のリスクについてコメントしつつ、スーさんとしてはこういった人たちの事例を知らしめたいと思っているようです。

 


<うまくいった人は自分とは違うという考え方に囚われて、一歩前に踏み出せなったことはないだろうか。個人的には、「私なんかが」という思いが私を助けたことは、いまのところ一度もない。なぜ、自分にはできないと思うのか。うまくいかないときにもめげず、腐らず、頑張った先で花を咲かせた女の話を、ほとんど知らないからではないだろうか。本当に、「そういう人は特別だから」なのか。あなたにだって、十分に我慢強いのではないか。その我慢強さを、自分のために使ったことはありますか?たまには、自分の人生を手にした女の話に励まされ、項垂れていた頭が前を向いたっていいじゃない。>

 


読んでみると、「成功譚!」って感じでもなく、成功者の自慢話垂れ流しな感じもなくて、悩みやコンプレックス、考え方、スタンスの取り方等々、自分の生き方や働き方を考えている人にとって、「気づき」になるところの多い内容になっています。(スーさんがそういう方向で整理したってのもあるんでしょうが)

個人的には「北斗晶」「一条ゆかり」にグッと来たんですが、これは個人的趣味の傾向故・・・でしょうなぁ。

 


<私たちと同じように、ままならぬ毎日を騙し騙し生きる女が闘いの庭に植えた一粒の種に絶えず水をやり、芽吹いたら日の当たるところへ苗を移し、少しずつ少しずつ花を咲かせるまでの日々。私が知りたいのは、そういう話だった。>

 


彼女たちの物語に心打たれつつ、個人的にはモヤモヤもあったりもします。

 


「確かに彼女たちは自分たちの努力と頑張りで<自分の居場所>を見つけた人たち。それを素晴らしいと思う一方で、結局彼女たちは組織に所属をせず、個人として自立していき、個人としてビジネスを回していく人たちでもある。

女性たちの中には組織の中にとどまりつつ、その中で<自分の居場所>を見つけ、厳しい環境の中で成果を出し、昇進している人もいる、

あるいは頑張ることすらできずに、心折れながらも、<自分の居場所>を探している人もいる。

そういう人の話も聞いてみたい」

 


そういう人たちへの視線もスーさんは持っていて、堀井美香さんとのポッドキャストなんかでは、そういうことへの言及もちょくちょくあります、

(堀井さんも組織で頑張ってた人ですしね)

そんな人の話も聞いてみたいな~…って、それはスーさんがやることじゃないのかもね。

 


ここのところ連載をまとめた本が次々と出版されてるスーさん。

そろそろ打ち止めかしらん?w

 


#闘いの庭咲く女

#ジェーンスー