鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

予想してたより色々起きるんだけど、オチは「現状維持」?:読書録「きらきらひかる」

・きらきらひかる

著者:江國香織 ナレーター:小松未可子、豊永利行

出版:新潮文庫(audible版)

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江國さんの作品はほとんど読んだことがなくて、なんとなく敬遠してきてたんですが、audibleで見つけて、一念発起wしてDL。

読書の幅を広げるのaudibleを利用する目的の一つですので。

 


アルコール依存症の気配があり、情緒不安定な笑子が、ゲイで年下の恋人がいる医者・睦月と偽装結婚し、睦月の恋人・紺や、それぞれの両親、笑子の親友、睦月の同僚カップル(こちらもゲイ)と色々あって…って話。

勝手な想像で、もっと「穏やかな毎日」みたいなものが丁寧に描かれてる作品かと思ってたんですが、想像以上に色々あって、ドンドン主人公たちが追い込まれていって…と、結構読んでて(聴いてて)しんどくなるんですが、ラストは、

「え?そこ?」

って着地点w。

作品としてはもうかなり知られてるので「ネタバレ」してもいいと思うんですが、ザクっとまとめると、

「双方の両親に嘘をついて、偽装結婚をより確かなものとしました」…みたいな。

主人公たちを追い込んでいくのは、「世間(両親)の常識や期待とのギャップ」なんですが、正直者の睦月がそれをイナせないのを、笑子と紺が騙くらかして、双方の両親を嘘で丸め込んでチャンチャン…。

違うか?

まあ、大体はそんな感じでしょうw。

 


でも笑子は睦月と出会う前からアルコール依存っぽくて情緒不安定だったんだから、果たしてこの<決着>で、追い込まれた彼女が救われたかどうかは「?」。

笑子・睦月・紺の願っていた穏やかな関係が続いていきます…みたいな話なんかね、これ。

なんか違うような気もするんですが。

(続編の短編があるようです。

文庫なんだけど、audibleにもkindleにもなってない。

文庫本を買ってまで読むかどうか…う〜ん)

 


しかしまあ、文章が上手いのは間違いなし。

audibleで聴くと、そこら辺は実感できますね。

この展開だとリアル本だと放り出してた可能性が7、8割ですがw、オーディオブックなんで最後までお付き合いできました。

聴き終えたら、「まあ、聴いて良かった」って気持ちにはなりました。

しかし他の作品に手を出すかどうかは…。

相性みたいなもんですかねぇ、ここら辺は。

 

 

 

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