鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「自分」を縛るのは「自分」:読書録「コメンテーター」

・コメンテーター

著者:奥田英朗

出版:文藝春秋

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「トンデモ精神科医・伊良部一郎」シリーズ、17年ぶりの新刊。

…ですが、内容は相変わらず。

楽しませてもらいました。

 


基本的、精神科医としての伊良部は「知識と経験はある」。

彼のところに通ってくる患者たちは、「自分で自分に枠をはめてしまっている」ところがあってそれが症状の原因にもなっている。

その「枠」を意識させ、外すことが治療になるんだけど、普通だったら時間をかけて…ってところを、伊良部(&マユミ)のトンデモ・キャラが患者たちの精神を弛緩させw、そこから一気に自分に課した枷から自由にさせる…って展開です。

伊良部がどこまで意識的なのかは分かんないけど。

 


医学的にはどうなんでしょうねぇ。

よく分からないけど、エンタメ小説だからね。

そこまで突っ込むような話でもないのかな。

突っ込み始めたら「ブラック・ジャック」とか…w。

 


奥田英朗さんは最近は結構シリアスな作品を描かれてたと思うんですが、このシリーズのバカバカしさはやっぱり捨て難いです。

こんなのばっかり書いて欲しいとは思いませんが(どれ読んでも一緒…とも言えるw)、ボチボチとは書いて欲しいかなぁ。

17年も開けないくらいのペースでw。

 


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