鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「革命」と言うくらい影響度を大きく見ています:読書録「生成AI革命」

・生成AI革命 社会は根底から変わる
著者:野口悠紀雄
出版:日本経済新聞出版(Kindle版)

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少し前に読んだ「超」創造法は面白かったんですけど、2022年の発表で生成AIの情報が少し古くなってました。
で、最新の著作で最新情報を踏まえた野口さんの考え方を確認するという意味で読んでみました。

 

前作と本作で生成AIについて1番違うところはChatGPTでブラウジング機能とプラグイン機能が実装化されたところでしょうか?
そしてその事はかなり野口さんにとって大きなインパクトがあったらしくて、本作では生成AIが社会に与える影響をかなり大きく見ておりそれが不可逆なものであるとも判断しているようです。
まぁもちろん相変わらず「間違える」し、その事は野口さんも承知の上、ただそれが一定程度解決される/最小化される方向性にあるとも見ていると言う事だと思います。
僕はそこまで楽観的には見れないんですけどね
でも、確かにブラウジング機能によって相当位置づけが変わったと言うのはあると思います。


本書では前半で生成AIの現状を解説しています。
note のアンケート結果に基づいてるあたりはちょっと母数が少なすぎると思いますが、いろいろな論文を比較しながら数量的に論じているあたりは面白いですね。


中盤では大規模言語モデル(LLM)の仕組みについて解説しています。
わかりやすく…ということですが、ちょっと僕にはついていきなかった部分もw。
ChatGPTに聞きながら解説を書いたと言うあたりが面白いところかもしれません。


後半では社会に与えるインパクトを幅広く論じています。
失業への影響やその向こうにあるディストピア的世界/ユートピア的世界の可能性について色々と論じています。
ナカナカ興味深いですよ。


超創造法が自分でいろいろ使ってみるやり方を具体的に論じた内容なのに比べると、本社はもっと社会に与える影響とか、そういう幅広い内容になっています。
個人的にはツールとして具体的に使ってるあたりの話が面白いので前作に比べるとちょっと物足りない感じもありますかね。
でもブラウジング機能ができたことによって、野口さんの考え方が大きく変わってることが確認できたのは面白いと思います。


まぁ生成AIがどこまで社会を変えていくかはちょっとわかりません。
「革命」と言うところまで行くかどうか…
でも使ってみなきゃ意味わからないっていうのは確かだと思いますね。
使ってる人間と使ってない人間で格差が出てくる可能性というのは低くないと思います
少なくとも使ってもいないのに、ああだこうだとネガティブなことを言っても仕方ないでしょ。
まずは使ってみる。
そこからがスタートだと思いますけどね。
その「使ってみる」後押しをする内容に本書はなっているとは思います。


そうや、野口さんはcoPilotについてはほとんど言及されていません。
ビジネス面での実装と言う点では、Microsoft 365におけるcoPilotと Microsoftツールの連携って結構インパクトがある話だと思うんですけど、なんでなのかなとちょっと不思議な感じもしました。
まぁ野口さんはGoogleドキュメントを使ってらっしゃるから、ちゃんとしたコメントができなかったっていうのがあるのかもしれませんけど、
ご自身の経験に基づいたことを書くと言うのが野口さんのスタイルですからね。
それともそれぐらいでは大したインパクトにならないって見立てでもあるのかな?