鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録

ロマンチックでハッピーエンドの物語…だよね、これ?:読書録「1Q84」(再読)

・1Q84 BOOK1,BOOK2,BOOK3 著者:村上春樹 出版:新潮文庫(audible版) ハードカバーで出版された時、文庫化された時…に続いて3回目。 …だと思います。 今回はaudibleで、隙間時間にボチボチと聴いていました。 それでも終盤は気になって、一気<聴き>にな…

右肩上がりのシリーズです。:読書録「グレイラットの殺人」

・グレイラットの殺人 著者:M.W.クレイヴン 訳:東野さやか 出版:ハヤカワ・ミステリ文庫(Kindle版) <ワシントン・ポー>シリーズ、第4作。 3作目の「キュレーターの殺人」が驚くべき展開でグイグイと引っ張ってくれたんですが、本作もまた…ほとんど一…

本格推理短編小説。好きな人は好きでしょうね。(僕は好きです):読書録「可燃物」

・可燃物 著者:米澤穂信 出版:文藝春秋 <彼らは葛をよい上司だとは思っていないが、葛の操作能力を疑う者は、1人もいない。> 「葛(クズ)だからな〜。フロスト警部みたいな人格的に欠陥のある、いい加減な刑事なんかな〜」 とか思いながら読み出したん…

過去からの長い手が…:読書録「ナイフをひねれば」

・ナイフをひねれば 著者:アンソニー・ホロヴィッツ 訳:山田蘭 出版:創元推理文庫(Kindle版) 「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズ第4作。 10作シリーズが予定されてるらしいですからね。 シリーズとしては折り返しにもまだ…。 でも単体として十分楽し…

ミステリ小説を読まなくなったミステリ専門書店の経営者の物語:読書録「8つの完璧な殺人」

・8つの完璧な殺人 著者:ピーター・スワンソン 訳:務台夏子 出版:創元推理文庫(Kindle版) ボストンでミステリ専門書店を経営しているマルコム。 ある日、彼の元にFBI捜査官グウェンが訪れる。 彼女は10年ほど前にマルコムが書いたブログ「完璧なる殺人8…

読み終えてみると、味のある邦題でした:読書録「処刑台広場の女」

・処刑台広場の女 著者:マーティン・エドワーズ 訳:加賀山卓朗 出版:ハヤカワ・ミステリ文庫(Kindle版) 舞台は1930年のロンドン。 コーラスガール殺人事件を解決した素人女性探偵レイチェル・サヴァナクに興味を持ち、取材しようとする若き事件記者ジェ…

見方によっては「トイストーリー3」っぽい:読書録「クララとお日さま」

・クララとお日さま 著者:カズオ イシグロ 訳:土屋政雄 ナレーター:近藤唯 出版:早川書房(audible版) 僕は「カズオ イシグロ」の良い読者ではありません。 長編で読んだのは「日の名残り」だけ。 「私を離さないで」は途中で脱落。あ、「夜想曲集」は…

なんか、読んじゃうんですよね…:読書録「ブルーハワイ」

・ブルーハワイ 著者:燃え殻 出版:新潮社(Kindle版) TV業界で裏方のようなことをしてたのが、ひょんなことから文章を書くようになって(多分最初はTwitter)、アレよアレよと言う間にベストセラー作家の仲間にりした「燃え殻」さんのエッセイ。 週刊新潮…

主人公の醒めた視線が印象的:読書録「ハンチバック」

・ハンチバック 著者:市川沙央 ナレーター:くわばらあきら 出版:文藝春秋(audible版) 最悪のしまなみ海道事故渋滞中にaudibleで視聴。 1.5倍速で1時間半くらい…を渋滞中に聞き終えたのはラッキーなんだかアンラッキーなんだか。 同乗した息子は爆睡中で…

まあ欧米(特にアメリカ)の状況に比べりゃ、まだ日本はマシとも言えますが、徐々に…って気配もあるしなぁ:読書録「世界はなぜ地獄になるのか」

・世界はなぜ地獄になるのか 著者:橘玲 出版:小学館新書 リベラル化する社会を論じる、「上級国民/下級国民」「無理ゲー社会」に続く3作目。 論点が整理されてきたのか、いろいろな事案が積み重なって評価が定まってきたのか、3作の中では一番整理して論じ…

まさかこんな展開になろうとは…:読書録「卒業生には向かない真実」

・卒業生には向かない真実 著者:ホリー・ジャクソン 訳:服部京子 出版:創元推理文庫(Kindle版) 「自由研究には向かない殺人」で、鮮烈さと清々しさを兼ね備えた10代の素人探偵として登場したピップことピッパ・フィッツ=アモービ。 「優等生は探偵に向…

確かに「旅路」w:読書録「勘定侍<七>旅路」

・勘定侍 柳生真剣勝負<七> 旅路 著者:上田秀人 出版:小学館時代小説文庫 このシリーズは母のお気に入り。 「夏休みにでも渡そうか」 と購入したまま積読になってたのを(発売は6月です)、ようやく8月に入って手に取りました。 …ま、通勤時間くらいでア…

村上さんが色々はぐらかしてるようにも読めるんだけど、多分「素」何でしょうね、アレ:読書録「みみずくは黄昏に飛びたつ」(再読)

・みみずくは黄昏に飛びたつ 著者:村上春樹、川上未映子 出版:新潮文庫(Kindle版) 「騎士団長殺し」を再読(再<聴>)して、 「そういえば村上さんに川上さんがインタビューした本で何か言ってなかったっけ」 と思いついて、購入していたKindle版をチェ…

再読(オーディオブックだけど)の方が面白かったです。:読書録「騎士団長殺し」

・騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編 著者:村上春樹、ナレーター:高橋一生 出版:新潮文庫(audible版) この作品は出版された時に読んで以来、初の再読。 (audibleなんで、正確には再<読>じゃないけどw) 最初に読んだ時も…

1作ごとに面白くなる。:読書録「木曜殺人クラブ 逸れた銃弾」

・木曜殺人クラブ 逸れた銃弾 著者:リチャード・オスマン 訳:羽田詩津子 出版:ハヤカワミステリ(Kindle版) 高齢者施設「クーパーズ・チェイス」に住む4人の老人が結成した「木曜殺人クラブ」の活躍を描く第3弾。 クリスティの「火曜クラブ」を連想され…

監督がいなくなっちゃったことに、改めて気づいてしまいました。:読書録「ぼくの大林宣彦クロニクル」

・ぼくの大林宣彦クロニクル 著者:森泉岳土 出版:光文社(Kindle版) 大林宣彦監督の映画を映画館で見たのは「なごり雪」(2002年公開)が最後。 制作が一番新しい作品は「転校生 さよならあなた」(2007年公開)をレンタルで観たのが最後ですね。 15年く…

なんだかモヤモヤが残っちゃいました:読書録「両手にトカレフ」

・両手にトカレフ 著者:ブレイディみかこ ナレーター:高山ゆきの 出版:ポプラ社(audible版) ブレイディーみかこさんの初の小説。 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が好きなので、出版されてすぐにリアル本で購入したのですが、今まで手…

短期間、有料版を試してみたいと思います。:読書録「ChatGPTと語る未来」

・ChatGPTと語る未来 AIで人間の可能性を最大限に引き出す 著者:リード・ホフマン、GPT−4 訳:井上大剛、長尾莉紗、酒井章文 出版:日経BP(Kindle版) ChatGPTを開発したOpenAIの出資者の1人であるリード・ホフマンが「ChatGPT」について語った本。 …「で…

今読むとナカナカすごい作品。…だけどやっぱりシンドイw:読書録「ねじまき鳥クロニクル」

・ねじまき鳥クロニクル 第1部・泥棒かささぎ編 第2部・予言する鳥編 第3部・鳥刺し男編 著者:村上春樹 ナレーター:藤木直人 出版:新潮社(audible版) 村上春樹さんの長編は時間を空けて何回か読むんですが(最近の「騎士団長殺し」と新作「街と、その不…

勉強せんとアカンなぁ…:読書録「名著の予知能力」

・名著の予知能力 著者:秋満吉彦 出版:幻冬舎新書(Kindle版) NHK番組「100分de名著」のプロデューサーの新書。 番組で紹介された名著の解説ではなくて、 <「名著は現代を読む教科書である」> と言う視点から、現代社会へのどういう問題意識が「名著」…

「本を読む人」ってのはマイノリティなんかねw:読書録「『若者の読書離れ』というウソ」

・「若者の読書離れ」というウソ 中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか 著者:飯田一史 出版:平凡社新書 題名通りの内容で、中高生の読書傾向について分析した作品。 「どのくらい」を統計的に解析し、 「どんな本」を傾向からジャンル分けして、…

「金石」は解体…かな?:読書録「黒石 新宿鮫12」

・黒石 新宿鮫12 著者:大沢在昌 ナレーター:祐仙勇 出版:光文社(audible版) 22年11月に出版された「新宿鮫」シリーズの最新刊が早くもaudibleに。 Amazonさん、力入れてますね〜。 10巻の「絆回廊」でシーズン1が終了し、「暗約領域」でシーズン2…とい…

個人の信条としての「清貧」は尊いと思うけど、経済政策や政治理念としては「大惨事」を招きかねない:読書録「自由と成長の経済学」

・自由と成長の経済学 「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠 著者:柿埜真吾 出版:PHP新書(Kindle版) 「脱成長」を主張する斎藤幸平氏への反論本。 清々しいまでに「新自由主義」の立場から「脱成長」「新マルクス主義」を否定しています。 ここまでフ…

ずっと世之介と祥子のズレた会話を聴いてたかったんだけど…:読書録「横道世之介」

・横道世之介 著者:吉田修一 ナレーター:梅原裕一郎 出版:文春文庫(audible) 本屋を覗いた時に、シリーズ3作目&完結編「永遠と横道世之介」が店頭に並んでるのを見かけ、 「あれ、<横道世之介>って死んだんじゃなかったっけ?」 と引っ掛かりを覚えた…

「空飛ぶ自動車」も「アンドロイド」も、実現にはまだ時間が掛かりそうだけど:読書録「SF超入門」

・「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門 著者:冬木糸一 出版:ダイヤモンド社(Kindle版) 「未来」を考える時、<SF小説>に触発されたり、参考にしたりするイノベーターは少なくない。 人間は「人間が考えたこと」しか作り出すことはでき…

「犯人探し」ではなく…:読書録「黒い海」

・黒い海 船は突然、深海へ消えた 著者:伊澤理江 ナレーター:北方李奈 出版:講談社(audible版) 少し前に発売されて(2022年12月発売)、評判を聞いて、「どうしようかなぁ」と思ってたんですが、audibleになったのを知って、DL。 割と一気に聴き終えて…

こう言う文章は生成AIでは書けないだろうなぁ:読書録「さよなら、愛しい人」

・さよなら、愛しい人 著者:レイモンド・チャンドラー、訳:村上春樹 ナレーター:古屋敷悠 出版:早川書房(audible版) 「さよなら、愛しい人」 「さらば愛しき女よ」 …まあでも、 「Farewell,My Lovely」 には勝てませんな。 村上春樹訳では三度目? も…

「子育て刑事」シリーズとかになるのかなw:読書録「育休刑事(諸事情により育休延長中)」

・育休刑事(諸事情により育休延長中) 著者:似鳥鶏 出版:角川文庫 妻が警察庁のキャリア課長。 夫は巡査部長で、夫の方が育休を取得して1歳の息子の面倒を見ている。 …という設定の連作ミステリー。(4篇収録) 法医学者をやってる夫の姉がナカナカ飛んだ…

新宿鮫シーズン2…って感じなのかな?:読書録「暗約領域」

・暗約領域 新宿鮫Ⅺ 著者:大沢在昌 ナレーター:祐仙勇 出版:光文社(audible版) 前作(絆回廊)で桃井が殉職し、晶とも別れた鮫島。 「10作も付き合ったし、そろそろいいかな」 って気持ちもあって、出版時には続編の本作には結局手を出しませんでした。…

入門+α…くらいかな?:読書録「AI  DRIVEN」

・AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方 著者:伊藤穰一 出版:SBクリエイティブ(Kindle版) 伊藤穰一さんのPodcast「JOI ITO変革への道」でChatGPTを取り上げてるパート(2023年4月)が面白かったので、ちょうどタイミングよく発売された本書を購入。 伊藤…