鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

このタイミングで「創価学会」に焦点を当てる佐藤氏・田原氏の意図はなんなのかなぁ、と:読書録「池田大作研究」

・池田大作研究 世界宗教への道を追う

著者:佐藤優

出版:朝日新聞出版

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AERAに連載されてたのをまとめた作品。

「批判」ではなく、創価学会の内在的論理を「理解する」というスタンスで書かれています。

 


<本書に「闘う言論」と言う姿勢で筆者は臨んでいる。それは、創価学会の内在的論理、池田の思想を追体験していくことが純粋に客観的、実証的方法では不可能だからだ。池田と創価学会の主張を虚心坦懐に受け止めて、理解することは、主体的行為である。この主体的行為が、一部の人たちからは反発を受け、批判されることは不可能だ。それを恐れていては、現下の日本と世界に強い影響与え、世界宗教化している創価学会を理解することができない。プロテスタントのキリスト教徒である職業作家の一人として、今、池田についてかくことが使命であると、筆者は自らの信仰的良心に照らして考えている。>

 


言い換えれば「聖書を読むことでキリスト教を理解する」みたいなんもんかな?歴史的事実に沿って…じゃなくて。

その「聖書」にあたるのが、本書では池田大作氏が書いた「私の履歴書」「人間革命」「新・人間革命」になります。

「人間革命」は全12巻、「新・人間革命」は全30巻ですからね。

なかなか読めないw。

外部の視点から、その概略を追ってポイントを解説してくれるって言う意味じゃ、なかなか重宝な本ではあります。

…って、本書も600ページ弱、無茶無茶分厚いんですがw。

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少し前に田原総一朗氏が、創価学会の歴史を追う形で「創価学会」を書き、その中核となる池田大作氏の思想を、佐藤氏が本書でまとめる。

この二人が、今のタイミングで創価学会/公明党に対して、「批判」ではなく「理解」の視点からアプローチしてるってのが、一番興味深いところかもしれません。

ある意味、自民党が先鋭化している中で、「平和主義」「反戦争」と言うスタンスを、実社会と繋ぐ形で主張できる勢力がそこにしか見出せないから…ってことなのかもなぁ、とは思ってはいるんですが…。

(その点、僕も同感できるものがあります)

 


まあ、誰もが読むって本じゃないかな。

興味がない人には、とことん興味がないでしょう。

ただまあ、藤原弘達氏の「創価学会を斬る!」くらいで学会批判がアップデートされてない人は、批判する前に目を通しておいた方がいいかもしれません。

アレはちょっと…なんで。