・ミスター・チームリーダー
著者:石田夏穂
出版:新潮社(Kindle版)
新聞の書評で見かけて、ちょっと面白そうだなと思って購入した本。
お仕事小説で自己啓発とかチームビルディングとかをコメディータッチで気軽に読めるかなというのが目的でした。
でも、なんか読んでみると、そんな感じでもない雰囲気が…
いや、気軽には読めるんですけどね。
読み終えた後の気分は軽いホラーでしたw。
<概要>
『ミスター・チームリーダー』は、石田夏穂さんの最新作で、2024年11月20日に新潮社から刊行されました。
物語の主人公は、大手リース会社「(株)レンタール」の建設資機材課・第2に勤務する31歳の係長、後藤です。彼はボディビルの選手でもあり、次の大会に向けて減量に励んでいます。しかし、体重が思うように減らず焦る中、職場のチームから非効率なメンバーを外すことで組織のパフォーマンスが向上し、自身の減量も進むことに気づきます。これをきっかけに、後藤は組織の「脂肪」を取り除くことに執心し始めます。
この作品は、肉体と組織のシンクロを描きながら、現代の中間管理職の葛藤や自己管理への執着をシニカルに描いています。ボディビルダーとしてのストイックな生活と、職場での人間関係や組織改革を重ね合わせることで、理想と現実の狭間で揺れる人間の姿を浮き彫りにしています。
著者の石田夏穂さんは、1991年埼玉県生まれの作家で、東京工業大学工学部を卒業されています。2021年に「我が友、スミス」で第45回すばる文学賞佳作を受賞しデビューし、以降も複数の作品で芥川賞候補となるなど、注目を集めています。
『ミスター・チームリーダー』は、ボディビルと組織運営を巧みにリンクさせた独特の視点で描かれており、現代社会における自己管理やリーダーシップについて考えさせられる作品です。後藤の奮闘とその行く末を通じて、読者は自身の働き方や生き方を見つめ直す機会を得られるでしょう。
(ChatGPTサーチ)
主人公が職場にいるデブの社員を追い込んでいくあたり、何かドキドキ…
明らかに僕は追い込まれる方ですのでw。
太った社員を追い出すと、なぜか仕事の効率が上がっていく…と言うあたりは、まだそれほどではないんですけど、組織の論理に沿った行動をしないと、主人公自身の体で余分な脂肪が動くような気がするようになったあたりから、何やらホラーぽく…
行き過ぎた組織のダイエットが破綻した時、同時に自分自身のボディービルディングのシェイプアップも破綻すると言う連動がホラー感をさらに強くします。
まぁ、お仕事で言えば「できるやつだけ集めて仕事をしようしていると、結局は組織が回らなくなる」と言う<あるある>なんですけど。
それこそが、リアルなホラーかw。
能天気な小説を期待していると、期待はずれになりますが、意外にリアルな職場物語としては成立するようなところがあります。
それも含めてホラーw。
悪くないし、僕は結構好きですけど、オススメかと言われるるとちょっと躊躇しちゃうかな。
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