鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「メンバーの才能を開花させる技法」「ワクワクする職場をつくる。」

・メンバーの才能を開花させる技法
著者:リズ・ワイズマン、グレッグ・マキューン 訳:関美和
出版:海と月社

メンバーの才能を開花させる技法

メンバーの才能を開花させる技法

  • 作者: リズ・ワイズマン,Liz Wiseman,グレッグ・マキューン,Greg McKeown,(序文)スティーブン・R・コヴィー,Stephen R. Covey,関美和
  • 出版社/メーカー: 海と月社
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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・ワクワクする職場をつくる。 「良い感情の連鎖」が空気を変える
著者:高橋克徳、重光直之
出版:実業之日本社

ワクワクする職場をつくる。-「良い感情の連鎖」が空気を変える

ワクワクする職場をつくる。-「良い感情の連鎖」が空気を変える


もともとは「エッセンシャル思考」に刺激を受けたので、同じ作者(グレッグ・マキューン)の作品を・・・と思って読んだんですがね(前者)。いや、刺さりまくりました。
で、その延長線上で、駅の本屋で目について購入した後者にまたもや、グサリ。
ま、こっちの興味の方向性があるからってとこは間違いなくあるんですが、こういう自分の課題認識にドンピシャの本に2作連続ってのは珍しいっちゃあ、珍しいです。
「有り難い」
んですが、ちょっとシンドクもあるかなぁw。



「メンバーの才能を開花される技法」については「消耗型リーダー」と「増幅型リーダー」の区分が秀逸です。
自分自身の知力/能力に高い自信を持っていて、部下や周りにも自分のやり方を事細かく押し付けたり、一々指示をして、細部にまで口出しする「消耗型リーダー」。
一時期の「成果」は出ても、リーダー以上の能力は期待できず、徐々にリーダーの干渉によってメンバーは「自分で考える」ことを放棄し、組織は行き詰まります。
片や「増幅型リーダー」。
メンバーの知識/能力を信じ、それを引き出し、成長させることが自分の役割だと考え、組織の中に伝搬力のある集合知を構築することを目指す。その結果、組織はリーダーの能力を超えた力を自律的に発揮するようになり、メンバーソレゾレが「リーダー」としてクリエイティブに「成果」を生み出すようになる。
<「リーダーとは、他者がリーダーとことを助ける人です。」>


勿論「消耗型リーダー」と「増幅型リーダー」と完全に区分される訳ではなく、誰もがそれぞれの要素を持っています。
ただその方向性がどちらを向いていて、どこまで意識的であるのか(時に「消耗型」が必要な局面も短期的にはあるようにも思いますし)。
ここが問題なんですよね。
改めて自分を振り返り、組織を考え、我が身を省みる機会となりました。
「才能のマグネット」「解放者」「挑戦者」「議論の推進者」「投資家」
といった具体的な「増幅型リーダー」のポイントについては、その参考になります。


その流れで勢いで手に取った「ワクワクする職場をつくる。」はアミューズの子会社の社長達が書いた作品。
「う〜ん、エンタメ系の会社じゃないしなぁ・・・」
と読み始めてすぐに失敗かと思いましたが、すぐにのめり込んじゃいました。


本書については「現状認識」のところが良いですね。
「いま7割の職場が問題を抱えている」
という「煽り」はチョット正確な統計に沿ってるのかどうか、何とも言えませんが。
でも組織感情を、
「イキイキ感情」「あたたか感情」「冷え冷え感情」「ギスギス感情」
と4つに区分し、「ギスギス感情」や「冷え冷え感情」が支配的になってくる職場が「無感情職場」や「あきらめ職場」に変貌して行く、なんて指摘は、「漠然としすぎてるんじゃない?」と言うには、リアリティを持っているように感じます。
「働く喜びが持てない」「思いや志が湧いてこない」「仲間の大切さがわからない」といった「職場から失われたもの」の指摘も一笑に付すことは、正直できないんですよ。


本書ではその解決方法として「関係革新」「仕事革新」「未来革新」というステップを描いています。
副題の「『良い感情の連鎖』が空気を変える」というのは、この「関係革新」のことをメインに指しているのかな。個人的にも「ポイントはここ」って感じです。
個人の失敗や誤解を許容して「挑戦」を後押しするような関係性を構築する。
お互いの状況や思いを思いやり、日常的にあ「助け合い」の土壌を醸成する。
こうした「安全地帯」あるいは「セイフティネット」を構築することがまず必要なんじゃないかなぁ・・・と。
勿論、「個人」の能力の伸張や、成果への執着も大切ではあるんですけどね。
でも「組織」が成長しなけりゃ、結局は意味がないし、「個人」の成長も「組織」の成長との相乗効果の中から生まれてくる仕組みや土壌こそが最も意味があるんじゃないか・・・と。
ここら辺、本書が言ってることからズレてるかもしんないけどねw。


まあ、一言で言えば、
「『ワクワクする職場』を作るには『増幅型リーダー』をなる必要がある」
ってことです。
それが簡単にできるなら・・・とも勿論思うんですが、一つの方向性がこの二作を読む事で見えるようにもなった・・・気がしますw。
何にせよ、試行錯誤ではありますが。