・ブラック・ベルベット
著者:恩田陸
出版:双葉文庫(Kindle版)
ウイルスハンター神原恵弥シリーズ第3弾。
今のところは最新作、でしょうか。
ファンタスティック・ホラーっぽい第1作、ハードボイル風第2作に続いて、第3作はトルコを舞台にしたサスペンス風。
第1作に登場した友人(実質主人公みたいなモンだったけど)に加えて、恵弥の昔のカレも登場…と言う話です。
このシリーズ、割とオチが「めでたし、めでたし」と言うか、決定的な破滅まで持ち込まないようなとこがあるんですよね。
本作もそう。
トルコくんだりまで行って、麻薬組織、武器輸出、化学兵器開発…と風呂敷が広がるだけ広がって、オチはまあ「あ、そうなん?」って感じ。
それが味っちゃあ、味ですが。
読みやすいし、楽しめたんだけど、もう一歩踏み込んでもいいんじゃないかなぁ。
と、ちょっと物足りなさも覚えます。
悪くはないし、次の作品が出たら、文庫になったら、読むと思うんですけどね。