鈴麻呂日記

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こんなハードボイルド調だっけ?「ザ・ゾンビーズ」シリーズ:読書録「友が、消えた」

・友が、消えた
著者:金城一紀
出版:角川書店(Kindle版)

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金城一紀さん13年ぶりの長編小説。
まぁ、その間は、映像の方に足突っ込んで、脚本やら何やらやって、沖縄との二拠点生活で小説を書こうと思ったら、ダラダラと沖縄で無為に過ごしてしまった…とか、色々あったようです。
ぐるっと回って戻ってきたのは、お馴染みの世界。


<概要>
金城一紀さんの『友が、消えた』は、2024年12月16日に発売された青春小説で、「ザ・ゾンビーズ・シリーズ」の最新作です。

主人公の南方は、高校時代、「ザ・ゾンビーズ」と呼ばれる仲間たちとともに、周囲の不条理に立ち向かっていました。高校卒業後、彼らはそれぞれの道を進み、チームは解散。南方は大学生活に物足りなさを感じていました。

そんな中、同級生の結城から、友人の北澤とその家族が行方不明になったと相談を受けます。調査を進めるうちに、学内最大のサークルを率いるカリスマ的存在の志田、志田を狙う謎の女性、そして北澤を追う男たちが現れ、南方は大学や社会の裏に潜む悪と対峙することになります。
(ChatGPTサーチ)


まぁ「ザ・ゾンビーズ」シリーズ最新作と言っていいのかどうかってのはありますかね。
ゾンビーズはなくなっちゃってるので。
ゾンビーズから離れた南方が自分の立ち位置をもう一度見直し直すって言う話になります。
そんなもんなんで、なんとなく話が暗いっちゃあ、暗いんですよね。
このシリーズってこんなにハードボイルドタッチだっけ?
…と何度も思いながら読んでいました。
いや、前の作品のことあんまり覚えてないっていうのもあって…。
コルトレーンとかマイルスとか部屋で聞くようなタイプだったかなぁ…。


物語は、2005年位の設定で、下敷きとなってるのは「スーフリ」事件でしょう。
最近の日大の事件なんかも考えると、大学生がやるには大げさすぎる…とは言い切れないですわね。
ただ中心にいる「志田」って言う人物の造形はちょっと大学生っぽくないとは言えるかもしれません。
フィリップ・マーロウのテリー・レノックス…と言うには、主人公との距離感はありすぎるとは思いますが、人物造形は面白いと思いましたよ。
ラストの独白はちょっと浅薄な感じがしなくもないですけど、まぁ大学生ですから。
シリーズが続くとしたら、この人物との関係性を深めると、それはそれで面白いかもしれません。
13年も待てるかどうかわかんないけどw。


個人的には、やっぱりユーモアとアクションで彩られた青春爆走小説シリーズの「ザ・ゾンビーズ」が好きだったなぁ。
…あんまり話、覚えてないけど。
思い切って読み直してみようかしらん?


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