鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「関係の質」をどうやって作るか:読書録「『半径5メートル最適化』仕事術」

・「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い
著者:佐々木希
出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン


個人的にテーマとして「協調領域」/「競争領域」について考えてるってのは、前に書いた通り(「全社員生産性10倍計画」)。
そのポイントがITを活用したネットワークとコミュニケーションの質を高めるってところにある…って考えているんですが、一方で「ヒューマン・コミュニケーション」の重要性も、もちろん認識しています。
仕事で言えば、「職場」。(人生においては「家庭」「家族」が一番ですが)
その点の「言語化」を考えて手に取ったのが本作です。


理論的にはダニエル・キム氏の「成功の循環モデルhttp://164s.net/2279.html」あたりになるんでしょうか。
その起点となる「関係の質」。
この構築が、言って見れば「職場」における「ヒューマン・コミュニケーション」の「質」を高めるってことなのかもしれません。
まあ、難しいことを考えなくても、
「職場のメンバーと仲良く、助け合う関係があって、毎日、職場に行くのが楽しい」
そういう関係性が仕事をする上でマイナスになることはないでしょう。


ただ前提があります。
①組織メンバーが組織の「目的」共有していること。
②「目的」の達成に高い優先順位があること。
③個人の成長と生産性の向上に対してポジティブであること。
そうじゃないと、ただの「仲良しクラブ」になっちゃいますからね。下手をしたら「組織のガン」にすらなり兼ねません。


本書で挙げられた45のTIPSには共感できますし、意識的に取り入れたいとも考えています。
「成功の循環モデル」に倣うまでもなく、そういう関係性が構築されてないと、組織としても個人としても「生産性」を引き上げて行くことは難しいでしょう。仕事の「高度化」が進んでいる現代においては「特に」です。
と同時に、そういう「関係性」の中で、「目的に向かって取り組むという意識」(組織としてであれ、個人としてであれ)を共有するような土壌を育む。
この「関係性」と「意識」のバランスが重要だし、そこに難しさもあります。(「仕事の高度化」ってのは、「人間性人間力が『仕事』に求められる」ってことですから)


そこらへんが「マネジメント」なんでしょうね。
「半径5メートル以内」の最適化を図りつつ、メンバーの「目標の意識づけ」のために「1on1」のマネジメントを丁寧に行う。
…ここら辺かな?