・なぜ自民党はここまで壊れたのか
著者:倉山満
出版:PHP新書(audible版)
衆院選が終了し、与党過半数割れから、国民民主党を中心とした政策協議主体の国会運営への兆し
…があるタイミングで、本書をaudibleで見かけてDL。
「歴史検証 なぜ日本の野党はダメなのか?」の作者さんですね。
あちらもaudibleで聴いたのですが、口調の激しさに若干…ってとこあったんですが、本書の方がマシかな?
慣れちゃっただけかもしれませんがw。
サマリー
政治とカネなど入口にすぎない! 国民に絶望を与える闇と茶番を憲政史研究家がくまなく解説。
・「派閥解消」 「政治改革」は自民党のお家芸。
過去、 何度となく繰り返された光景である。 派閥解消を口にするたび、 党内の派閥は強固になっていった。資金に関する自浄作用は、 今に至るも見られない。もちろん、 彼らが使っているのはわれわれの税金だ。
• 「選挙に行く意味がない政治」 はどうすれば変わるのか? 堕落しきった「万年与党」が政治を支配してきた要因、国民に残された唯一の希望のありかを探る。
・政権交代を望む声が高まる今、 様々な疑問に対する答えが盛り込まれた1冊。
(audibleより)
・目次
はじめに
第一部 これだけは知っておきたい政治改革挫折の歴史
もはや“ソコソコの政治、 に我慢できない自民党派閥解消失敗の歴史
その一 派閥解消は自民党伝統の“エクストリームスポーツ"
その二 政治改革の原点は三木武夫
その三 自民党の賞味期限は二十年、
その四 田中角栄よりも最悪の闇将
その五 小沢一郎と平成の政治改革が残したもの
その六 サラリーマンはサラリーマン政治家が大嫌い 総主流派体制の強化
その七 単なる劇薬で終わった小泉改革
その八 「これでいいのだ」 の安倍政治
第二部 あなたが日本の政治に絶望する十の理由
その一 政治とカネーむしろショボくなった
その二 腐敗防止が進みすぎ? 理解不能の謎ルール
その三 選挙制度- -小選挙区制悪玉論は素人談義
その四 自民党総裁選 -かなり改善されたが.....
その五 自民党の派閥なぜ田中角栄ブーム?
その六 政治家の政策立案能力に問題あり。官僚をシンクタンクに使うな!
その七 国会で議論がない
その八 政治改革で手付かずの参議院存在そのものが憲法上の欠陥
その九 五五年体制よ永遠なれ! 無能すぎる野党第一党、 もはや選挙をやる意味がない
その十 自民党の採用と出世システムは日本を蝕む
終章
「ひれ伏して詫びよ」
・日本国を地球上で文明国として生存させる
・「綱領」「組織」 「議員」の三つが兼ね備わった政党
・「政治に関心がある普通の人」を集める
・面倒くさいが価値はあるオーストラリア型小選挙区制
・選挙に行く意味のある政治を
おわりに
本書は「政治改革」を中心に論じた作品。
出版は24年7月。
裏金問題で岸田政権が支持を失っているあたりでしょうかね。
そのタイミングでの緊急出版だったようです。
第一部の歴史パートは大変参考になります。
ザクっといえば、
「政治改革、政治改革というのは、自民党の結党以来のお家芸。
湾岸戦争後の政治改革(小選挙区制導入)で口だけじゃなくなって取り組まれるようになった。
口ばっかりの時代に比べればだいぶ良くなってるけど、もちろん課題も山積」
ってな感じでしょうか。
第二部は日本の対する苦言というか、絶望というか…。
「政治改革」してないからダメなんじゃなくて…という感じで論じられています。
まあ納得感ありますかね。
一言で言えば、
「国会が議論の場として成立していない」
ってことかな。
で、成立していない理由は、もちろん自民党に問題はあるんだけど、野党の方にも問題は大きいと指摘しています。
立憲に厳しいのは倉山さんのポジションだと当然ですか。
それを踏まえて、
「国会を議論の場として機能させるにはどうすればいいのか」
というのが第三部。
「確かにね」
だけど、簡単には行かないよねって話です。
さて、倉山さんは衆院選後の今の状況はどう考えてらっしゃるのかな?
確か国民民主党は評価してたと思うんで、その伸長は嬉しいでしょう。
そこから倉山さんの考える「近代政党による保守二大政党制」になるかどうかは、現状は見えないところ。
右にも左にもウイング伸びまくりの自民・立憲が再編することが望ましいんでしょうけど、さて国民民主がそのきっかけとなり得るか?
僕個人としては、このタイミングでの「政策協議」中心での国会運営ってのはいいんじゃないかと思うんですけどね。
二大政党
う〜ん、アメリカとかイギリスとか見てても、それはそれでうまくいくような気が…。
多様性を反映した国会勢力構成の方が分断や対立は緩和できるんじゃないかな〜。
まあ安全保障や外交については一定の合意はされるべきとは思いますけど。(だからこその<保守>二大政党制なんでしょう)
なんにせよ、今回の衆院選で、日本の政治も新しい局面に入ったのではないかと。
期待と不安が錯綜します。
相手がトランプだと尚更ね〜w。
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