鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ドラマチックな展開がそれほどあるわけじゃないけど、先が読みたくなります。:読書録「婚活マエストロ」

・婚活マエストロ
著者:宮島未奈
出版:文藝春秋

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作品の舞台は静岡県浜松市
え?宮島さんて「ふるさと小説家」じゃなかったの?
…現在は大津に住んでらっしゃるようですけど、もともと出身は静岡のようです。
やっぱり「ふるさと小説家」?w


40歳のこたつ記事ライター・猪名川健人は、婚活事業を営む「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を引き受ける。安っぽいホームページ、雑居ビルの小さな事務所・・・・・・手作り感あふれる地味なパーティーに現れたのは、生真面目にマイクを握るスーツ姿の美女・鏡原奈緒子。彼女は脅威のカップル成立率を誇る伝説の司会者〈婚活マエストロ〉だという。
その見事な進行で、参加者は完全に鏡原の掌の上。シニア向け婚活パーティーから、琵琶湖に向かう婚活バスツアーまで、いつだってマエストロは絶好調だ。
気付けば事業を手伝うことになった猪名川だが、鏡原への謎は深まるばかりで......。

(帯より)


6つの話が収められていますけど、「成瀬」シリーズよりも、ずっと連作の度合いが高い短編集になります。
学生時代から同じアパートに住むフリーライターの主人公が、大家の紹介で婚活事業を営む会社の仕事をするようになり、婚活パーティーに出席する人たちとの交流やら、「婚活マスト」と言われる女性司会者との関係を深めたり…
って感じです。


「成瀬」シリーズは、成瀬あかりの強烈なキャラクターで引っ張ってくれますが、本作はそこまでのぶっとびキャラクターが出てきません。
物語のほうもそれほどドラマチックな展開をするわけでもなく、それでもなんだか1つ話を読み終わると、すぐ次に進みたくなると言う魅力がありました。
すごく読みやすいですしね。
宮島さん、なかなか読ませる作家さんです。


連作短編集だけど、本作は本作で一定の着地点に落ち着いています。
シリーズ化は考えてないかな。
大きいのは「成瀬」シリーズ以外にも面白い作品が書けると言うことを証明したこと。
次の作品にも期待できる作家さんになったってコトですね。
まあ、やっぱり「成瀬」シリーズも期待したいけどさw。


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