・百万石の留守居役 舌戦
著者:上田秀人
出版:講談社時代小説文庫
このシリーズは「時間がある時にまとめ読み」と思ってるんですが、前巻の引きがあまりにも「いいところ」過ぎたので、松山から戻って来て読み続けてしまいましたw。
将軍・綱吉に呼び出され江戸に出てきた本多政長が、まずは評定所で大久保加賀守たちと対決し、その後、綱吉との謁見に…と言う巻。
「福井編」から前巻が大立ち回りの連続だったのから一転して、本巻では題名通り「舌戦」が続きます。
でも「緊張感」から言ったら、こっちの方が上かもw。
将軍は本多政長個人の生殺与奪を握ってるだけじゃなく、加賀百万石の行く末さえ左右できる存在ですからね。
単に言葉を交わすだけでなく、そこでの失言が全てを決しかねないと言う緊張感。
シリーズ屈指の1巻だと思います。
…と言うか、ここで終わっても良いくらい?w
徳川家康と本多正信の関係
直江状をめぐる謀臣たち(直江兼続と本多正信)の策謀
徳川政権初期の寵臣たち(大久保忠隣、本多正信)の戦い
加賀百万石が生き残るための藩主と忠臣の苦闘
…といった背景が、大久保加賀守との対決、綱吉との謁見に活きて来ます。
いやぁ、面白かった。
もっともその舞台に立つのが主人公であるはずの「瀬能数馬」ではなく、その義父である「本多政長」ってのが、何ですがw。
本巻の引きから考えると、次は国元(加賀藩)での<大掃除>かな?
琴姫の活躍が読めるとすれば、それも楽しみ。
…ですが、これはまた「時間ができた時」でいいか。
来月頭にはコロナワクチンの接種もあるしw。
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