鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

登場人物たちのお節介モードを容認できるかどうか…かなw:読書録「マーダー・ミステリ・ブッククラブ」

・マーダー・ミステリ・ブッククラブ 著者:C・A・ラーマー 訳:高橋恭美子 出版:創元推理文庫(Kindle版) クリスティの作品を読むブッククラブを立ち上げたヒロイン(アリシア)。 順調にスタートしたと思ったところ、メンバーの一人(バーバラ)が失踪し…

サスペンスより、ホラーより、怖しい…:映画評「ファーザー」

原作の戯曲も有名ですし、本作でアンソニー・ホプキンスはアカデミー賞も受賞してますから、「ネタバレ厳禁」ではないとは思うんですが、気になさる方は読まないでください。 僕は事前に大まかな概略は知ってましたが、それでも興味深く観ることができました…

この犯人は無茶苦茶アタマが切れます:読書録「方舟」

・方舟 著者:夕木春央 出版:講談社(audible版) 大学時代の友人たちと従兄、偶然一緒になった三人家族の合計10名が、かつて左翼組織が作り、カルト教団がアジトとして使っていたと思われる地下建築物に、突然の地震で閉じ込められる。 この地下建築物から…

しかしすごい振り切った題名ですね、これw。:読書録「闘いの庭 咲く女」

・闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由 著者:ジェーン・スー 出版:文芸春秋 スーさんが「週刊文春WOMAN」に連載していたインタビュー記事をまとめて再編集したもの。 「インタビュー記事」なんですが、それぞれが話したことをそのまま記事にするのではな…

民主主義を目指したとは思えないけど、信長の先駆けのような人物だったのかも、と:読書録「じんかん」

・じんかん 著者:今村翔吾 ナレーター:堂島颯人 出版:講談社(audible版) 支えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くす その果てに、信長に反旗を翻し、天下の名茶器・平蜘蛛と共に、爆死する。 …と、キャラ立ちまくりの戦国武将…

ChatGPTでAIの実装が実感されるようになったタイミングにドンピシャw:読書録「魔女と過ごした七日間」

・魔女と過ごした七日間 著者:東野圭吾 出版:角川書店 東野圭吾の「ラプラスの魔女」シリーズ、第3弾。 「ラプラスの魔女」、個人的にはピンとこないところも少なからず・・・なんですが、なぜか3作目もソッコーで買っちゃいました。 妻が東野圭吾作品好き…

引越しできないご近所とどう付き合っていくかってのは真剣に考えなきゃいけない:読書録「京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。」

・京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。 著者:ムーギー・キム ナレーター:岩瀬遼平 出版:東洋経済新報社(audible版) ムーギー・キムさんの著作は「最強の働き方」と「最強の健康法…

実質的な主人公は「緑川ルリ子」ではないか、と(個人的思い入れw):映画評「シン・仮面ライダー」

家族は誰も付き合ってくれないのでw、水曜日のシネマデーにレイトショーを観ました。 お客さんの入りは「ソコソコ」かな? 「仮面ライダー」のTV放映は71年。「V3」が73年。 最初の放映を見た可能性はあるんですが、多分記憶に残ってるのは「V3」以降で、初…

<彼ら>を知るためじゃなくて、<自分>の世界観の解像度を上げるために知りたい:読書録「世界と私のA to Z」

・世界と私のA to Z 著者:竹田ダニエル 出版:講談社(Kindle版) 「Everything Everywhere All at Once」を観たときに、自分たちの世代のミッシェル・ヨーたちの視点に立ちつつも、その娘が「絶望」と「虚無」にとらわれ「混乱」している姿がすごく気にな…

読む順番が違っちゃいましたw:読書録「新・教場」「教場X」

・新・教場 ・教場X 刑事指導官・風間公親 著者:長岡弘樹 出版:小学館、小学館文庫 4月から木村拓哉主演で「教場0」が連続ドラマでスタート。 そのタイミングで、原作シリーズの最新刊「新・教場」が発売。 「こりゃ読まなきゃ」 と思って、早速購入したん…

ああ、こういう話でした:映画評「沈黙のパレード]

「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」に続く、福山雅治主演<ガリレオ>シリーズの映画第3弾。 配信レンタルで妻と観ました。 かつて「完全黙秘」で少女殺害事件の嫌疑を免れた男。 その男が、ある小さな町の定食屋の娘の殺害容疑に浮上する。 男が町に戻ってく…

「ナカタさんとホシノ青年の物語」として聴き直しました:読書録「海辺のカフカ」

・海辺のカフカ<上・下> 著者:村上春樹 ナレーター:木村佳乃 出版:新潮文庫(audible版) 単行本が出た時に1回。 文庫本になって、1回か2回。 でもまあ、10年くらいは経ってますかね。最後に読んで。 今回はaudibleで聴いてみました。 基本的に「カフカ…

僕にはかなり刺さりました:映画評「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

「ミッシェル・ヨー」ファンなので、評判のこの作品は当然観るつもり …だったんですが、まさか「アカデミー賞7部門」獲得するとは! しかも、主演女優、助演女優、助演男優、監督、脚本…と主要部門を制覇してますからね。 まさに「完勝」。 というわけで、慌…

「ネットは便所の落書き」世代と思ってたんだけど、違うの?:読書録「シニア右翼」

・シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか 著者:古谷経衛 出版:中公新書ラクレ(Kindle版) ネット右翼に近いところで活動していた経験を持つ作者による「裏切り」の書。 <私は現在革新とかリベラルとみなされている政治勢力や、与党であっても個々…

「お仕事小説」の一種かな?:読書録「お探し物は図書室まで」

・お探し物は図書室まで 著者:青山美智子 出版:ポプラ文庫 通勤電車で読んでいて、事務所のある京橋駅で降りるとき、向かいに立っている30代くらいの女性を見ると、彼女も同じ本を読んでいました。 僕は出たばかりの文庫で、向こうは図書館で借りたハード…

ハードボイルドって、いつの間にやら時代遅れ感が強くなった気がする:読書録「大いなる眠り」

・大いなる眠り 著者:レイモンド・チャンドラー 訳:村上春樹 ナレーター:古屋敷悠 出版:早川書房(audible版) 双葉十三郎訳で2、3回。 村上春樹訳で1回。 …で、今回オーディオブックで村上春樹訳で「再読」ということになります。 中身については、どう…

「大森署」は安泰ですなぁw。:読書録「署長シンドローム」

・署長シンドローム 著者:今野敏 出版:新潮社 隠蔽捜査シリーズの最新作「審議官」の一編で登場した、竜崎の後任の大森署長・藍本小百合が主人公の新作。 「審議官」を読んだ時、 「これはいいキャラだなぁ」 と思い、もっと読みたい気分になったんですが…

この作品をaudibleで通勤途上に聴いてるってのが間違いかもw:読書録「スマホ時代の哲学」

・スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 著者:谷川嘉浩 ナレーター:楯野煌人 出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン(audible版) ポップな表紙が目について、ついついDLして聴いてしまいました。 京大出身で、プロとして「哲学者」をされている方…

イメージは「邦題」。でも芯のとこには「原題」が…:映画評「丘の上の本屋さん」

妻の誘いもあって、大阪ステーションシネマで劇場公開を見ました。 小さなスクリーンでしたが、お客さんの入りは良かったです。 テアトル梅田が閉館しましたが、こういう風に単館ロードショーの受け皿になってくれると良いのですが。 イタリアでも風光明媚で…

エンタメだけど主張もある:読書録「民王」「民王 シベルアの陰謀」

・民王 ・民王 シベリアの陰謀 著者:池井戸潤 ナレーター:金田明夫 出版:角川書店(audible版) 最近になって続編の方(シベリアの陰謀)が発売されたのは知ってて、そちらが早々にオーディオブック化されたことから遡って前作も聴いてみることに。 1作目…

現実の問題としては「組織の官僚化」がネックになるんじゃないか、と:読書録「ゼロからの『資本論」」

・ゼロからの『資本論』 著者:斎藤幸平 出版:NHK出版新書(Kindle版) 格差と分断が進む現代社会の課題を解決するために、新しい切り口から「コミュニズム」を提案する作品。 出版された「資本論」(エンゲルスがまとめたもの)だけではなく、草稿やノート…

「特別な僕」の物語。…まあでも、一人称小説って、そんなもんでしょw:読書録「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 著者:村上春樹 ナレーター:大森南朋 出版:新潮文庫(audible版) 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は村上春樹作品の中では初期3部作(+ダンス・ダンス・ダンス)に並んで好きな作品。 何回…