鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「大森署」は安泰ですなぁw。:読書録「署長シンドローム」

・署長シンドローム

著者:今野敏

出版:新潮社

f:id:aso4045:20230309120310j:image


隠蔽捜査シリーズの最新作「審議官」の一編で登場した、竜崎の後任の大森署長・藍本小百合が主人公の新作。

「審議官」を読んだ時、

「これはいいキャラだなぁ」

と思い、もっと読みたい気分になったんですが、さすが今野さん。分かってらっしゃるw。

主人公に格上げしての新作です。

 


時系列的には藍本署長の着任から少し経って。

竜崎時代のメンバーもまだ残っていて(戸高とか貝沼とか)、竜崎に振り回された面々が、経路の違う新しい署長に振り回される姿が描かれます。

取り上げられる事件は、東南アジア・マフィアの武器密輸事件。

そこから小型核爆弾でのテロが…みたいな話になるんですが、冒険小説的ドラマティック展開にはならず、地域署による地道な捜査で事件は解決することになります。

 


超絶美人で天然モードの藍本署長。

 


<藍本署長がほほえんだとたんに、全ての事実は曖昧になってしまう。そして、人々は幸福感に包まれるのだ。>

 


竜崎が「論理」と「正論」で事件を解決し、巨大な組織の不条理さを切り開いていくのに対して、藍本は「ほほえみ」で味方を増やし、事態を好転させていく。

方法論は全く違うのだけど、自分なりの「正義」が根底にはあり、その実現のために行動するという点では2人は共通する…のかも。

一人称視点もある「竜崎」に対して、「藍本」は(今のところ)内面描写はないんですよね。

だからホントのところがどうなのかは「?」。

根っからの天然でしかないのかもw。

 


竜崎が去った後の「大森署」がどうなるか?

署員たちも危惧していましたが、どうやら安泰のよう。

まあ、大物上司たちの美人署長詣では、ちょいと鬱陶しいでしょうがねw。

 


(竜崎・藍本のコラボはあるかな?

見てみたいような、見ても仕方ないような…。

ま、今野さんにお任せします。

シリーズ化はして欲しいなぁ)

 

 

 

#読書感想文

#署長シンドローム

#今野敏