鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

う〜ん、「AI」である必要性は薄れてるかも。:読書録「犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー 探偵AI 2」

・犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー 探偵AI 2
著者: 早坂啓
出版: 新潮文庫nex(Kindle版)

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「AI法廷の弁護士」を読んだときに、
「そういえばAIが探偵役をやってる小説を読んだことがあったなぁ」
と思い出してチェックしてみましたが、これでした。
https://aso4045.hatenablog.com/entry/2018/06/21/180637(https://aso4045.hatenablog.com/entry/2018/06/21/180637)
ほとんど記憶はないんですけど、なかなか面白かったような印象があったので、続編を読んでみることにしました。


<概要>Amazon
探偵AI、敗北!?
賢くて可愛い人工知能〈犯人〉以相(いあ)の、探偵を翻弄する大逆襲劇スタート!!
「本格ミステリ」×「人工知能科学」
奇想とロジックが宙を舞う超絶推理バトル、待望の続編!!

人工知能探偵・相以(あい)の驚異的な推理力に大敗を喫した以相(いあ)。復讐に燃える彼女は、人間の知能を増幅(Intelligence Amplification)させ完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。ゴムボートで漂着した死体、密室で殺された漁協長、首相公邸内殺人事件。連鎖する不可解な事象を読み解く一筋の推理の紐は、なんと以相の仕掛けた恐るべきトリックの導火線だった!? 現代の“ホームズ"VS.“モリアーティ"本格推理バトル再燃!!


あらすじの通り、なかなか派手な展開の小説でした。
そういえば前作もテロリストとかいろいろ出てきて、派手っちゃ派手だったんですよね。
ただ前作については「<リアルな事件>をディープラーニングする」みたいな展開になっていて、フレーム問題とか不気味の谷現象なんかが取り扱われてて、「AI」が探偵役であることの意味っていうのがしっかりあったと思うんですけど、本作になるとあまりその意味っていうのは薄れているように思います。
「トロッコ問題」なんかへの言及はあるんですけどね。


そのかわりどちらかと言うと「AI」がどこまで人間的になれるかみたいなところに踏み込んでるのかなあって言う気もします。
個人的にはあんまりそっちのほうは興味ないんですけど、エンタメ的にはそっちの方が面白いっていうのはあるんでしょうかね。


僕としては、むしろ被疑者になるマザコン三兄弟のキャラクターの偏り具合とかが面白くて、そっちの方が興味深かったです。
この展開だと続編には登場しないのかなあ。
ちょっともったいない感じ。


また何冊か続編はあるようですけど、うーん、どうしようかなぁ。
面白いと言えば面白いので、Audibleとかになったら聞いてもいいかもしれません。