鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

いやはや、まさかこの二人が…:読書録「P分署捜査班 鼓動」

・P分署捜査班 鼓動
著者:アウリツィオ・ジョバンニ 訳:直良和美
出版:創元推理文庫(Kindle版)

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シリーズ第4作。
登場人物たちもだいぶ馴染みになっています


暴力が原因で妻に縁を切られたロマーノがP分署近くのゴミ集積所で見つけたのは、生後間もない赤ん坊だった。捜査班の面々は赤ん坊の親を探して奔走する。
一方で、アラゴーナは初対面の少年に懇願され、行方不明の犬を探す羽目になるが、近隣管内で野良の犬猫失踪事件が多発していることに気がつく…


第4作目の実質的な主人公は、おこりんぼうで「ハルク」と呼ばれるロマーノと、おぼっちゃまで勘違い男アラゴーナの2人になります。
シリーズを今まで読んでくると、他のメンバーに比べると「なんだかなぁ」感の少なからずあるこの2人が事件を通じて、読者の心を揺さぶる活躍を見せるというのが、本書の1番の読み所でしょう。


特に妻に手を挙げたDV男であるロマーノが捨てられていた赤ん坊に寄せる繊細な心の動きには胸を突くものがあります。
そのことで今までの全てが許されるわけでは無いけれども「この先」に何があるのかを見てみたい気持ちにはさせられます
この赤ん坊、ロマーノが育てることになるのかなぁ。


このシリーズ、事件のほうもなかなか読ませるんですども、それ以上に興味を惹かれるのが登場人物たちのプライベートの方、
繊細な心を見せてくれたロマーノ
オマーの純粋さと警察官としての資質を垣間見せてくれるアラゴーナ
本作で主人公格になるこの2人の他にも
色男ロヤコーナの恋愛模様は複雑さを増し、
パルマとオッタヴィアは小さな一歩を踏み出し、
ピザレッリの疑惑は真実の周りを彷徨い、
アレックスの恋愛は悲劇的局面を見せます。
彼らの人生がどうなっていくのか
このシリーズを読む大きな楽しみ、そこなんですよね。


しかし、まぁ本国ではもう11作目まで出るとか。
もうちょっと翻訳のペース何とかしてくれませんかね。
…って他のシリーズでも言ってたような気がしますw。
それだけ楽しみだって言うことなんですけど。
そう言えば本国ではテレビシリーズにもなってるようですけど、どっかの配信で見れたりするのかな?