鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

今のところ程よい「重さ」ですが、不穏な気配もw:読書録「P分署捜査班 集結」

・P分署捜査班 集結

著者:マウリツィオ・ジョバンニ 訳:直良和美

出版:創元社推理文庫(Kindle版)

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めっきり重くなっちゃった「特捜部Q」(しつこいw)と、コメディ感があって軽妙な「パリ警視庁迷宮捜査班」。

ナポリを舞台にした本作は、「その中間」…ってとこでしょうか?

はみ出し者が集まってチームになって事件を解決する…って構図は共通するんですが。

 


作者はイタリア版「87分署」を狙ってるらしいですが、滑り出しとしては上々ではないか、と。

それぞれのキャラクターが、それぞれ「背景」を持ってて、含みを感じさせつつ、持ち味を活かしていく展開。

ストーリーも「連作」を匂わせる展開になってて、「次」への期待が高まります。

主人公(ロヤコーノ)の「色男」っぷりも含めてw。

 


ただまあ、なんと言いますか、微妙な「闇」もそこここに顔を覗かせてるんですよね〜。

まあ、こういう連作の場合、そういうのを追いかけていくのも「味」なんですけど、行き過ぎると「特捜部Q」になっちゃうしな〜。

 


続きが楽しみなシリーズものの登場を喜びつつ、先行きには若干の懸念も…っていうのが正直なとこです。

杞憂に終わってくれるといいんですが…。