鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

根本的に言ってることが変わってる訳じゃないけど、環境が後押ししてるって感じかな?:読書録「日本経済AI成長戦略」

・日本経済AI成長戦略
著者:冨山和彦(対談:松尾豊)
出版:文藝春秋(Kindle版)

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冨山和彦さんは、まあなんとなく贔屓にしていて、結構本は読んできました。
その最新作ということで、早速読ませてもらいました。


(ChatGPT)
作品概要
DX(デジタル活用)を「過去の章」にしつつ、次はAX(AIトランスフォーメーション)=“AIが自ら改善・創造していく局面”だ、という宣言から入る本。企業構造・雇用・地域経済・国家戦略まで射程に入れて「日本の勝ち筋」を描こうとしている。


目次
序章 「DX幻想」の終焉
第1章 なぜDXで失敗したのか 繰り返されるコモディティ化と経路依存の罠
第2章 AX AIが意思決定のOSを変える
第3章 ホワイトカラーの消滅と“ボス力“の時代
第4章 ホワイトカラーの生き残りの鍵はローカル×中堅・中小にあり フィジカルAIとライトブルーカラーの光明
第5章 アドバンスト・エッセンシャルワーカー産業の時代 包摂的成長モデルの可能性
第6章 グローバル構造転換と日本の優位性 AXをリードする地政学的条件と包摂的資本主義への道
第7章 国家、企業、個人はどのようにAXを進めるか
第8章 日本型AXモデルとJPiXの挑戦 有言実行!日本の逆襲のフロントランナーへ
終章 一億総ボスの時代への希望と展望
巻末対談 松尾豊×冨山和彦

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もっとも冨山さんの作品って、大きな方向性としてはそれほど変わるわけじゃないんですよね。
もともと「日本における中堅層をどれだけ再生していくか」っていうところが大きな論点と言ってもいいと思います。
賛否両論あったG大学やL大学の話、ローカライゼーションの話やコーポレートガバナンス、CXの話。
……言ってみれば全てがそういう方向性についての作品だったと言ってもよかったかと。
その時その時の状況に合わせて方策とかスタンスは若干修正されますけれど、大きく変わってるわけじゃないと思います。


ま、今回はAIを使ってのAX(AIトランスフォーメーション)っていうのが大きな主題になってるんですけど、AIによってより大きく世の中が変わっていく可能性がある中で、今の日本の現状はそれを活用して成長することが可能なポジションにあるという、まあある意味、安野貴博さんなんかの主張にもつながるような考えです。
ポイントは、人口減少。
少子高齢化・人口減少がそういう環境に日本を否応なく置きつつあるということにあります。
このこと自体は従来からの主張の中にも基本的には組み込まれていたことではありましたけど。


内容的にはどうでしょうか。
まあ僕ももう60歳を超えましたからねぇ。
会社とか組織とかがどうなっていくかとか、その中でどういう自分がどういう風に成長していくかとか、
そういう点に関してはあまり興味はなくなってきてるかなぁ。
まあそういう点でいくと「ボス力」の話なんていうのは、
「いや、まあそうかもしれないけれど今さらな……」
っていう感じはありますw。


ローカルと中小企業の話も面白いとは思うんですけど、自分がその中で主体的にワークする人間になるとはちょっと思えないかな。
ここら辺の話は、自分の子供たちがどうなっていくかっていうところを考えると、少し興味深いところはありますが。


アドバンスド・エッセンシャルワーカー(AEW)の話は結構楽しいですね。
それは個人がどういう風に今後変わっていくかっていう、その個人の生き残り戦略という点で興味深いと思います。
これも自分自身がどうのこうのというよりは、子供たちがどうかというところもあるし、世の中がどういう風に変わっていくかにつながるところです。


ここら辺の「個人としてどうしていくべきか」っていう話は、この本でも語られているところですが、少し前にPIVOTでやってた動画の方で語られています。

https://youtu.be/CqQfVJvS-H8?si=_6szoBzsskKFApjx

https://youtu.be/i0jlwHFpFs0?si=JkzCHbXlgbEjqe7L
あのなかでは「ボス力」と「現場に近いところ」……まあ、スマイルカーブの川上であるボス力と、川下である現場力、ここんところが重要だと、それを担っていくっていうところに、AI時代における個人の生き残り戦略がある、みたいな話をしていましたけれど、本作でもその話はされています。
そういうところが、人口減少という背景があることで、社会や産業、個人の変化に対して抵抗感が日本の場合は少ないっていうのも、まあよく言われている話ではあります。
実際のところは抵抗感は結構あるようにも思うんですけど、そういう方向性にいかなきゃ…と考える向きがあるのは間違いないとは思いますし、本書にはその「後押し」の役割もあると思います。


まあ個人的にはもうちょっと、個人のあり方に踏み込んでほしいなっていうところありますけど、それはまあ、さっき言ったように別のところで語られてるっていうところもありますからね。
どうなんでしょうね。
AIで社会が変わっていく、組織が変わっていく、人が変わっていく。
本当にそういう風になるのかどうか。
…そうなっていくんだろうなと思いつつも、どれくらいのペースでそうなっていくかっていうのは僕自身まだ何とも言えないなと思っています。
でも、まあ自分の親のこととか自分のことを考えると、こういう方向性で社会がアップデートしていかないと、高齢者にとってはなかなか生きづらい時代になるんじゃないかなっていうのも確かなんですけどね。
そういう意味ではこの本が結構売れて、それを参考にして色々な変革とかに取り組まれると、それはそれでいいんじゃないかなと。
そのためには「JPiX」の宣伝っぽいところにも目をつぶりましょうw。(実例として意義があるのは確かですし)


全体としては、これまでの主張を踏まえながら、AI時代っていうことで、企業、社会、個人、それがどういう風に変わっていくかっていうのを割とこう、包括的に論じている作品になってます。
全体として俯瞰図を整理し直すにはいいかもしれません。
じゃあ、そういう社会にこれから向かって行くのかっていうと、まだまだ難しいような気もしますけど、そんな悠長な時間はないってのも、確かではあるんですよね。

 

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