鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

フィクションみたいなもんだけど、世界情勢の把握には役に立つ:読書録「地経学とは何か」

・地経学とは何か 経済が武器化する時代の戦略思考
著者:鈴木一人
出版:新潮選書

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ネット記事の投稿か何かで、地経学者の第一人者による作品、というような記事を読んだ覚えがあって、購入した作品です。
経団連で行われたセミナーをまとめた内容のようで、非常にわかりやすかったです。


(ChatGPT)
作品概要
鈴木一人『地経学とは何か』(新潮選書)は、グローバル化の進展で「相互依存」が深まった結果、経済・技術・サプライチェーンが国家間対立の武器にもなりうる時代をどう読み解くかを示す一冊。半導体、IT・AI、資源、経済制裁など具体例を通じて、「経済が安全保障の最前線になる」現実と、日本が取るべき戦略思考を整理している。

 

序章 地経学時代の経済安全保障
第1章 半導体をめぐる地経学
第2章 地経学からみたITとAI
第3章 地経学で考える宇宙の秩序
第4章 資源と地経学的パワー
第5章 経済制裁と地経学
終章 トランプ時代の地経学

 

主張のポイント
•経済は単なる繁栄の手段ではなく、制裁・規制・標準化・供給網を通じて“武器化”される。
•依存を減らす「戦略的自律性」と、相手にとって欠かせない位置を取る「戦略的不可欠性」が鍵になる。
•守る対象を広げすぎず、重要領域を絞って強固に守る(スモールヤード・ハイフェンス)的発想が必要。
•日本は覇権を目指すより、同盟・制度・ルール形成の側に立ち、技術と供給網で影響力を確保するのが現実的な勝ち筋。

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第2次トランプ政権が成立し、相互関税で各国交渉をしているあたりまでをカバーしていますから、かなり新しい情報も対象になっています。
各章でかなり具体的な事例をあげて話をしてくれてるのでどれも面白かったんですけど、一番はやっぱり経済制裁がらみの話ですかね。
今現在ウクライナ戦争があって、それに伴うロシアに対する経済制裁を行われているんですけど、それがどういうような形であって、なぜ十分に発揮していないと見られているのか。
そこら辺を過去の経済制裁の内容なんか(特に対シリアの制裁)比較しながら、具体的に細かく解説してくれているところがすごく参考になりました。
金融制裁の話なんて漠然としか把握してなかったんですが、なるほどね、っていう感じでした。
トランプ政権のスタンス、第1次から第2次の変化、そして相互関税の考え方なんかも面白く読ませてもらいました。


今の国際政治ってまあここら辺がメインになってますからね。
直近でBBCのニュースで、アメリカの安全保障に関する方針に関するニュースを見て、Gemini 3で整理してもらったりしたんですけど、そこなんかも本書に書かれている内容の延長線上として見ると、なかなか興味深いものがありました。

 


個人的には地政学とか地経学っていうのはフィクションみたいなもんだと思ってます。
まあ、ジャレド・ダイアモンドとかユヴァル・ノア・ハラリなんかの著作みたいなもんですか。
そこにあるのが事実であるか真実であるかって言うと、厳密に言うと結構クエスチョンのところはある。
なんだけど、今現在において大きな流れを当てはめて現状を考えるという点においては、役に立つ枠組み、物語、という風に思えるんですよね。
今の国際情勢においては経済というのがどうしても外せない内容になっていますから、地政学が地経学になっていくっていうのも当然だろうと思っています。


逆に言うと情勢が変わってくればそこら辺も変わってくるっていうところはあるでしょう。
それがいい方向に変わっていくのか悪い方向に変わっていくのかっていうのは分からないですけど。
第2次トランプ政権のスタンスなんか、そういう意味で言うなら、その状況が変わってくる要因の一つかもしれません。
AIとか、AIを搭載したロボットが経済・社会に与える影響なんかもそうかも。
まあそれら自体は今の地経学の考え方の中でもなかなか興味深いファクターではあるんですけど。


厳密な学問という点ではどうなのかは分からないですけど、今現在読むには役に立つ作品じゃないかと思います。
2、3年経ったらアップデートしないと意味ない作品でもありますけど、「地経学」ってまあ、そういうものでしょう。


#読書感想文
#地経学とは何か
#鈴木一人