コロナ禍の初期横浜に停泊したダイヤモンドプリンセス号で、コロナの集団感染が発生し、その対処のためにDAMTが送り込まれた1連の経緯を描いた映画です。
コロナ禍は数年にわたる長い戦いでしたけど、このダイヤモンド・プリンセス号の集団感染と言うのは2020年の2月1日に感染者が発見され、3月1日に全員が下船するまでの言う約1ヵ月の出来事だったんですね。
その中でこの作品が描いているのは、DMATが活動開始した。2月6日から藤田医科大学へ搬送されるまでの2月19日までの約2週間のことがメインとなっています。
何か記憶の中ではもっと長々とやってたような気がするんですけど、そんな短期決戦だったんですね。

こういう極限状況になると、人間の良いところも悪いところもあぶり出されるっていうのはまぁ災害映画の根本ではあるんですけど、それが事実においてもそうだって言うところが何とも…。
Netflixでドラマ化されていた福島原発3.11の福島原発で描いた「THE DAY」もそういうドラマでしたが、この作品もその延長線上にあります。
…と思ってたらプロデューサーが同じ人でした。
DMATのメンバーの中には、3.11の教訓を胸に秘めている人なんかもいて、なんだかそこら辺のつながりもちょっと熱くなるところがありました。
人間の良いところっていうのは、懸命に自分がやれることをしっかりとやろうとするっていうところじゃないでしょうか。
DMATのメンバーももちろんそうなんですけど、ダイヤモンド・プリンセス号のクルーの人たちの懸命な働きっていうのがなんだか記憶に残りました。
防護服も着けずにマスク1つで走り回り、ゲストのために奔走する彼らの姿には頭が下がります。
ちょっと心残りだったのは、フィリピン人のスタッフのその後が描かれてなかったことかな。
悪いところは情報に踊らされて差別や排除をしてしまう姿。
この作品の後半の敵役は岩田健太郎氏の「告発動画」になるんですけど(岩田さんの名前は変えられています)、そこから始まる関係者への差別や排除の動きは本当に心が痛みます。
それに乗っかるマスコミの苦々しいあり方や、他人事のように中途半端なコメントをするコメンテーター、その結果としていわれない批判を受けて差別され、現場から離れて行かざるをえなくなる人々、孤立感を深めるダイヤモンド・プリンセスを助けようとするスタッフたち…
なんだか今に至るまでの、日本の社会の姿を悪い部分を見てるような気分でした。
それはまぁ日本だけの話じゃないっていうのもわかるんですけどね。
コロナの事は最初の頃は何もわからなかったし、今でさえはっきりとしたことが全てわかってるわけじゃないと思っています。
その中で目の前で起きたことにどのように対処していくかっていうのは、その場その場で判断をせざるを得ないし、それは岩田さんの動画も含め、その中で自分がやるべきことだと思ってやったことなんだろうと思います。
それを外からや後からどうのこうの言うってのは簡単なことではありますが、無責任な事でもあるでしょう。
だからこそこの映画は作られる意味があったと思います。
その時何があって、その状況の中で何を判断していったのかっていうのを記録するためにです。
「THE DAY」もそうなんですが、ドラムとして映画としてこの作品が良い出来なのかどうなのかは実はちょっとよくわかりません。
見ている間に、あまりにもその中にのめり込みすぎたので。
同じ場所にいなくても、そういう意味では僕も当事者だったのかもしれないです。
俳優陣は、どの人も相当に力が入った演技をしています。
その事は間違いないですよ。