鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

どんでん返しがコロコロと…:読書録「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」

・全員犯人、だけど被害者、しかも探偵
著者:下村敦史 ナレーター:井之上潤
出版:幻冬舎(audible 版)

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Audibleの新作でピックアップされていて「題名が面白そうだなぁ」と思って聞き始めた作品。
二転三転する物語の起伏の激しさに加えて、
ナレーターが登場人物の語り分けを上手くやりながら達者な演技をしてくれるので、ラジオドラマっぽく楽しむことが出来ました。


作品としては、
犯人・犯行よりも、SNSやメディア、フェイクが強化してしまう被害者感情の暴走がテーマ
と言った方が良いかな。
社会派じゃないけど。


サマリー(audible より)
ビブリオバトルの3世代3大会のグランドチャンプ本にも選ばれた 『同姓同名』の著者が新たに仕掛ける、
多重推理しかも密室しかもデスゲームだけど.....
下村ミステリはフツーじゃ終わらない!

「私が犯人です!」 「俺が犯人だ!」、 全員犯人です!

社長室で社長が殺された。 それに 「関わる」 メンバーが7人ある廃墟に集められる。 未亡人、 記者、社員2人、 運転手、 清掃員、 被害者遺族一。
やがて密室のスピーカーからある音声が流れ
る。「社長を殺した犯人だけ生きて帰してや
る」。犯人以外は全員毒ガスで殺すと脅され、
7人は命をかけた自供合戦を繰り広げるが――


生き残りをかけて、自分が犯人だと主張するメンバー
そうはさせじと探偵となってそのトリックの欠陥を言い立てる他の人々
攻守が次々と入れ替わって、事件の全容が次々塗り変わっていくなかで、SNSやメディアに翻弄され、追い詰められている彼らの背景が浮き彫りになって来ます。


まぁここら辺が1番面白いところですかね。
逆に言うと、終盤に向けて「真相」が明らかになるあたり、好みもあるでしょうけど、僕自身はあまり乗り切れなかったかなぁと。
トリックとしては、それなりにアクロバティックなところがある新本格派っぽいものだとは思いますけどね。
ま、コレはホントに趣味次第。


オーディオブックとしてはなかなか面白い作品だと思いますよ。
時間つぶしに聞いてみるのはオススメです。


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