・アリバイ崩し承ります
著者:大山誠一郎 ナレーター:友木えりこ
出版:実業之日本社文庫(audible版)
「ゲームの王国」が重量級過ぎたので、ちょっと次は軽いので…ということでチョイスした作品。
本格推理の連作短編集。
ちょうどよかったですw。
腕時計の電池交換のために入った時計店には「時計修理承ります」という張り紙に並んで、「アリバイ崩し承ります」という張り紙が。
ちょうど抱えている事件のアリバイ崩しに悩んでいた新米刑事の<僕>は、藁にも縋る気持ちで店主の美谷時乃に相談をする…
なんで20代の若い女性がこんな複雑なアリバイをすぐに解き明かせるねん
刑事とはいえ、短期間(半年ほど)の間に「アリバイ」が問題なる殺人事件にこんなに遭遇するんかいな
…とか言っちゃいかんのでしょうな。
まあ、
「時間を扱うのが時計屋なんだから、時間トリックの<アリバイ>にもプロじゃなきゃ」
ってのは、分かったような分かんないような…ですがw。
第1話 時計屋探偵とストーカーのアリバイ:殺された女性教授の元・夫のアリバイ
第2話 時計屋探偵と凶器のアリバイ:殺された製薬会社の社員の死の裏には麻薬密売が
第3話 時計屋探偵と死者のアリバイ:<僕>が偶然遭遇した交通事故の被害者の小説家は死ぬ間際に<殺人>を告白する
第4話 時計屋探偵と失われたアリバイ:姉を殺したと疑いをかけられたホステスの妹の容疑を晴らすには
第5話 時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ:先代の時計屋探偵が孫娘の訓練のために出した謎
第6話 時計屋探偵と山荘のアリバイ:休暇中の<僕>が遭遇した雪の不可能犯罪
第7話 時計屋探偵とダウンロードのアリバイ:限定ダウンロードの時間と犯行日時のトリック
過去の話である第6話以外は全て殺人事件。
トリックも結構本格的です。
「日常トリック」みたいなので訓練受けてたのに、ガチの殺人事件にも対応可能な時乃さん。
まあ、安楽椅子探偵なんで、死体に直面したりはしないんですけどね。
本格推理は長編より短編の方が僕は好きなので、こういうシリーズは大歓迎です。
続編も出てるんですが、このノリでどこまで続けることができるのかは分かりませんけどね。