・答えのない世界に立ち向かう哲学講座 AI・バイオサイエンス・資本主義の未来
著者:岡本裕一朗
出版:早川書房
「いま世界の哲学者が考えていること」の作者がWIRED日本版で行った講義を書籍化したもの。
前作は、「哲学を<人生論>みたいなものじゃなくて、<今そこにある課題>に取り組むもの」として、最新の哲学理論を紹介する刺激的なものでしたが、
http://aso4045.hatenablog.com/entry/20161015/1476518170
本書では実際のビジネスパーソンを相手に講義をおこない、そこで議論や思考実験なんかを投げかけています。
取り上げられるテーマは副題にある通り、
・人工知能(AI)
・バイオサイエンス
・資本主義のゆくえ
の3つ。
それぞれ「課題図書」が指定されていて、それを踏まえての講義があり、各分野の1人者による解説もあった上で、議論が行われています。
ぶっちゃけ「課題図書」、読んでませんからねw。
それもあってか、「ついていけんな」ってトコも…。
(それぞれの課題図書は、
「心はどこにあるのか」ダニエル・C・デネット
「人間の将来とバイオエシックス」ユルゲン・ハーバーマス
「経済学批判」マルクス
物の見事に、どれも読んだことなかったですw(マルクスだけは「知って」はいましたが))
まあ、でも興味深かったですよ。やっぱり自分自身の漠然とした「課題意識」にも引っかかるところありますし。
そしてどのテーマにおいても、
「答えはない」。
<哲学>の本質は、この「答えのない世界」に、それぞれなりの「考える足掛かり」を考えさせるところにあるんだなぁ、と改めて。
「人生訓」とかじゃないんですよね、本質的にはw。
それぞれの章の終わりには参考図書の紹介も。
しかし、これを読む気力はちょっと…。(56作もありますんで)
ただ、「ハンナ・アーレント」はちょっと読んどいた方がいいかなぁとは思いました。「基礎知識(素養)」として…ですけどねw。