・探偵AIのリアル・ディープラーニング
著者:早坂吝
出版:新潮文庫
つい買っちゃうんですよね〜、この手のw。
<ほんの少し手を伸ばせば届くくらいの未来…あるいは現在の話。>
…と言うわけで、ディープラーニングでAIが「強いAI」になりつつある…と言う設定でのストーリー展開。
データだけのディープラーニングではなく、「リアルな事件」をディープラーニングする事で、AIがフレーム問題・シンボルクラウディング問題・不気味の谷現象・中国語の部屋問題を克服していく流れになってます。
まああくまで「流れ」で、リアリティはないですけどねw。
これだけのAIがSDカードで気楽に持ち運べたり(スマホに入ったり)、捜査資料をビッグデータとしてディープラーニングでここまで人間に近くなったり、オフラインで状況の変化に人間以上に対応できる反応をしたり…
僕も詳しくないから「絶対無理」とは言えんけど…、
いや、やっぱり無理やろw。
じゃあ面白くなかったか…と言うと、そんなことはなくて、楽しめましたけどね。
ここら辺はまあ、本格推理小説におけるリアリティに通じると言いますか。
表紙を見て、「AI搭載の美人アンドロイド」を想定してたんですが、あれはアバターで、あくまでプログラム…ってのも気に入りました。(アバターもなければ「her」みたいで尚いいんですが、一般受けはせんかなw)
ただ物語としては「ここから」の方が面白そう。
でもそうなると、今回のような本格モノ仕立ての構成は難しくなるかも。
さて…。
個人的には「ミレニアム」みたいに2作目でガラッとジャンル変更ってのを期待したいんですがね。
その前に本作がどこまで売れるかってのも、あるかw。