・戦士志願
著者:ロイス・マクマスター・ビジョルド 訳:小木曽絢子
出版:創元SF文庫(Kindle版)
「スターシップ・イレヴン」を読んで、もうちょいスペースオペラの世界に浸りたくなってチョイスしたのが、コレ。
結構有名なシリーズなんですが、なんとなく今まで読んだことがなかったんですよね。まあ評判からすれば「外れ」はないだろうとw。
胎児の頃に母親が遭遇した事件で障がい者として産まれた貴族階級の主人公。
軍人を目指すが士官学校の試験に落ちてしまう。
その気晴らしを兼ねた旅行で、ちょっとしたキッカケから星間戦争に巻き込まれてしまい…
まあ、「巻き込まれた」と言うか、多分に「首を突っ込んだ」感があるんですがw。
そっから主人公は色んなトラブルに巻き込まれていくんですが、そのたびに「口先」だけで周りを煙に巻き、ドンドン自分の「仲間」を増やして行って、ついには星間戦争を決着させるほどの傭兵部隊のトップになってしまう…
と言うのがストーリーの骨子。
ノリで始めたことが、退っ引きならなくなって、それでも周りも巻き込んで、あれよあれよ…って、ちょっとオフビート感覚のストーリー展開になっています。
…と思ったら、自分の護衛とその娘をめぐる物語は突然むちゃシリアス展開になったりして、戸惑ったりもするんですけどね。
作者が「女性」であることを考えると、この設定と展開は「思いつき」とは思えないものもあります。
まあ全体としては楽しめる物語なのは間違いありません。
調子者なのは間違いないけど、切れ者でもある主人公の造形は秀逸。シリーズになるのも頷けます。
続編を読むかどうかは、「時間があって、気が向けば」かな?w
単品での本作の完成度は高いので、コレはコレだけでも良いような気がしてます。
こういうのはヤッパリ10代とか20代で読むと良いんですよね。
…と言うことで、息子にオススメはしておきます。