鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

短篇集の楽しみ:読書録「満願」

・満願
著者:米澤穂信
出版:新潮文庫

満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)


山本周五郎賞を受賞し、「このミス2015年版」「週刊文春ミステーリーベスト10 2014年」「ミステリが読みたい!2015年版」の3冠を受賞した短篇集の文庫版。
個人的にはデビュー作の「氷菓」が今ひとつだったので(http://d.hatena.ne.jp/aso4045/searchdiary?word=%CA%C6%DF%B7)敬遠している作者だったんですが、帯の煽りにヤラレて読んでみました。


…いや、これは面白い。
「短篇集」というと最近だと「連作」仕立てが多いんですが、本作は完全に独立した短篇6作を収録。
「ミステリ」だけど、共通する「名探偵」なんかも登場せず、肌合いも違ったバラエティに富む作品が並んでいます。それでいて「寄せ集め」じゃない読後感。
これぞ「短篇集」。
3冠受賞に相応しいかどうかはなんとも言えませんが、評価されたのは分かります。
(僕は表題作と「夜警」が好きです。「関守」も怖かったなぁ)


それにしても「氷菓」との差は何なんでしょう?
15年以上前のデビュー作だから、上達した…ということ?
それとも、僕の「見る目」のなさ?
アニメ化されたほどのラノベなんで、本作みたいなザラついた読後感とは違う傾向はあるんでしょうが、それにしても…。


いやぁ、「古典部」シリーズ、続きを読むべきかなぁ。