鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読み終わると、少しだけ気持ちが明るくなる:読書録「風に舞いあがるビニールシート」

風に舞いあがるビニールシート
著者:森絵都
出版:文春文庫

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)


SEKAI NO OWARIのメンバーの一人が本書に収録されている「犬の散歩」の感想をネットに上げていて、それがナカナカ良かったので、本屋で目についた本書を購入。
別にセカオカのファンでもなんでもないんですがw。


森絵都は「カラフル」を読んだくらいですが、評判がいい作者なのは知っていました。
ただまあ、「敢えて」読んでみるまでには行かないというか。「みかづき」は手に取って逡巡するとこまでは言ったんですがね。(結論「文庫になったら…」)


でも本書を読んで、
「ああ、これはイイ作家だなぁ」
と改めて思いました。
児童文学出身ということがあるのかもしれませんが、どの作品も平易な言葉で書かれていて、凝った表現があるわけではない。
それでいて内容は決して「平凡」ではなく、どこか心の中の「引っかかり」に触れるところがある。
そして読後感が良い。


直木賞を受賞した表題作を含めて、6本の短編が収められています。
どの作品も「読ませる」。そして読み終わった後、(決して「ハッピー!」って感じじゃないけどw)気持ちが明るくなる。ほんの少しですけどね。
そして最後に位置付けられている表題作まで続けて読むと、
「一歩前に進もう」
という前向きな気分になります。
ほんの少しですけどねw。


う〜ん、ここまでとは思ってなかったなぁ。
みかづき」、文庫になる前に読もうかなぁ。
それとも児童文学の「DIVE」にでも手を出そうかしらん…
と、いま逡巡しているところです。