鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「特捜部Q Pからのメッセージ」

・特捜部Q Pからのメッセージ<上・下>
著者:ユッシ・エーズラ・オールスン 訳:吉田薫、福原美穂子
出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)



デンマークを舞台にした「迷宮入り事件担当課」の活躍を描くシリーズ第3作。
1作目からナカナカの「重量級」でしたが、3作目は(文庫では)上下2巻に。でも一気に読ませる出来なのはさすがです。



作品のスタイルとしては、
・目を覆いたくなるような陰惨な事件(本作では連続誘拐/殺人犯)
・スラップスティックのようなレギュラーメンバーのやりとり
を対比させながら、コメディパートを担うレギュラーメンバーも「謎」を抱え、シリアスな展開を予想させる(でも進展は早くない)・・・というもの。
深みを感じさせるラストってのも共通してますかね。
(犯人サイドの人物造形にも深みがあります)



北欧のことは良く知らないので、本当にこういう陰惨な事件があり得る社会的背景があるのかってのは、分かりません。
「ミレニアム」シリーズなんかのことを考え合わせると、そういう傾向があるのかもしれませんがねぇ・・・。



既に「4作目」も翻訳されていて、これまた世評は高いようです。
早川書房はこのシリーズの電子書籍化は「文庫化のタイミング」と考えてるようですが、何とか早めに次も電子書籍化してくれませんかね。
(何か、老眼のことがあるのか、電子書籍の方が最近は読みやすいんですよw)