鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

映画評「沈黙の艦隊 北極海大海戦」:確かにこのペースなら次で完結しそう

Amazonオリジナルの『沈黙の艦隊』シリーズ、シーズン2を観ました。
シーズン1はドラマ版で観ていたので、今回もそのままの流れで。
タイトルに「北極海大海戦」とあるので、てっきり北極海での戦いがメインなのかと思っていたんですが、実際にはその後のニューヨーク沖までカバーしていました。
北極海海戦、日本での総選挙、そしてニューヨーク沖という流れを一気に描き切っている。
思ったよりずっと先まで進みましたね。

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(ChatGPT)
『沈黙の艦隊 -THE SILENT SERVICE- 北極海大海戦』は、かわぐちかいじさんの大ヒット漫画『沈黙の艦隊』を原作にした実写シリーズの第2作です。2023年の映画第1作と、2024年配信のドラマ版『シーズン1 東京湾大海戦』の続きにあたる作品で、潜水艦アクションと政治サスペンスがさらに大きく展開する一作です。

 

物語の中心にいるのは、大沢たかおさん演じる海江田四郎。日本政府が極秘建造した高性能原子力潜水艦を奪取し、独立国「やまと」の建国を宣言した海江田は、東京湾で米第7艦隊を圧倒したあと、国連総会に出席するためニューヨークへ向かうことになります。ところが、アメリカとロシアの境界に近いベーリング海峡へ差しかかったところで、アメリカ側が送り込んだ最新鋭原潜が「やまと」に迫り、流氷が浮かぶ極寒の海で、緊迫した潜水艦同士の戦いが始まります。
一方、海の上だけでなく日本国内でも大きな動きが起こります。海江田と「やまと」を支持する竹上首相を軸に、衆議院解散総選挙が行われ、国家のあり方そのものを問う政治戦が繰り広げられます。


全体的な印象としては、原作をかなり忠実に、かつ上手く映像化しているなというものです。
原作では他国の動きなんかも絡んでくる場面があったと思うんですが、この実写シリーズはアメリカと日本・やまとの関係に焦点を絞って話を整理している。
それによって確かに見やすくはなっているし、テンポもいい。
一方で、そうなると今後の「世界議論」的な展開をどう描くのかは少し気になるところです。
そのあたり、もしドラマ版で補足されるようなことがあるなら面白いんですけどね。
よくわかりませんが。


戦闘シーンについては、シーズン1と同様によく頑張っていると思います。
リアリティがあるかどうかはまた別の話として、気合が入っているのは伝わってきましたし、普通に楽しめました。
個人的には総選挙の描写にもう少し尺を割いてほしかった気持ちはありますが、まあ映画という制約もあるでしょうから。


むしろ問題はシーズン3かな。
ここまでのシリーズは、北極海のガチの潜水艦戦を筆頭に、わりと激しい戦闘シーンが見どころになってきました。
ところがシーズン3で描かれるであろうニューヨーク以降は、どちらかというと思想と概念の戦い、つまり「思想戦」が中心になってきます。
今回のニューヨーク沖の戦いでさえ、北極海と比べればすでにそういう色合いが出ていましたよね。
戦闘シーンなしで緊張感をどう維持するか。
映像作品として、これはなかなか難しい課題だと思います。
原作を知っていても、そこをどう料理するのかは純粋に気になります。
このペースなら3作で完結するのは間違いないと思うので、ここまで来たんだからしっかりやってくれよ、という気持ちはあります。

 

テーマの話をすると、ちょっと複雑な気分になるんですよね。
原作が書かれた当時、アメリカはまだ世界の超大国であり、世界の警察でもありました。
だから海江田のやろうとしたこと、つまり国家と軍隊を切り離した「世界軍」を作り、国連とも距離を置いた独立した存在として世界平和を担わせるという構想が、アメリカ軍を置き換えるという想定としても考えられた。(だからこそ海江田のカウンターパートナーはベネット米大統領な訳です)
そこで核心になるのは、結局「人間への信頼」です。
深町に残された「独立」という言葉が象徴するように、海江田の思想は国家ではなく個人を信じるということに立脚している。
個人が自らの信条において動くことができるなら、世界は平和に向かうことができるという、ある意味で人間存在への信頼の話です。


でも今の世界を見ると、その前提がずいぶん揺らいでいる気がしてなりません。
「個人の信条で動いている」ように見える大統領たちが、世界をかき回しています。
トランプにしろプーチンにしろ、個人の判断で武力を行使し、既存の国際秩序をひっくり返そうとしている。
もちろん、それが本当に純粋な「信条」なのかどうかは怪しいんですが、少なくともそう見える。
そのとき、海江田が信じた「個人への信頼」は、果たして根拠になりえるのか。
ドローンやらAIやらが出て来て、どこまで原潜が抑止力として機能しうるのかってのもあるしなぁ。
『沈黙の艦隊』はもともと夢物語的な側面があることは確かです。
でも今の現実は、その夢物語性を以前よりもずっと強く揺さぶっている、そんな感覚があります。


シーズン3が原作どおりに進むのか、それとも今の時代に合わせた何らかの解釈を加えてくるのか。
個人的にはそこにも興味があります。
まあ、そこまで踏み込んでくれるかな、という期待は控えめにしておきますがw。

続編の制作は決まっているようですし、それで完結するのも間違いないでしょう。
楽しみに待ちましょう。​​​​​​​​​​​​​​​​


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