・息吹
著者:テッド・チャン 訳:大森望
出版:早川書房(Kindle版)

「あなたの人生の物語」(映画化された時は「メッセージ」ですね)のテッドチャンの第2短編集です。
第1短編集も読んでいて面白いなって思った記憶はあったんですけど、それほどのめり込んだわけでもないんですが、なんかネットの感想か何かでこの作品が取り上げられていて、ふと読んでみようかなと思いました。
結論から言うと読んでよかったです。
かなり面白かったですよ。
(ChatGPT5)
概要
テッド・チャンの短編集『息吹』(原題:Exhalation: Stories)は、科学的アイデアと哲学的テーマを巧みに組み合わせた全9編から成る作品集です。
デビュー短編集『あなたの人生の物語』以来となる待望の第2短編集であり、表題作「息吹」をはじめ、AIの成長や人類の記憶技術、信仰と科学の揺らぎ、並行世界と自由意志といった多彩なモチーフを扱っています。
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収録作一覧
1. 商人と錬金術師の門
過去と未来を行き来できる「門」を通して、運命と自由意志をめぐる寓話。
2. 息吹
空気で動く機械人間の自己解剖を通じて描かれる、生命・記憶・時間の物語。
3. 予期される未来
小さな装置が示す「自由意志の幻想」をめぐる短いが衝撃的な一編。
4. ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル
仮想世界で育つAIと人間の長年の関わりを描く、感情豊かな中編。
5. デイシー式全自動ナニー
機械が子育てを担う19世紀の寓話。技術と人間性の距離を問う。
6. 偽りのない事実、偽りのない気持ち
「完全記録技術」と「文字の誕生」という二つの時代を対比させ、記憶と真実を探る。
7.大いなる沈黙
プエルトリコのアレシボ天文台近くに生息するオウムの独白。
8.オムファロス
「神の痕跡」を信じてきた科学者が直面する、信仰と科学の揺らぎ。
9.不安は自由のめまい
並行世界と通信できる装置によって揺らぐ選択と倫理。自由と後悔を描く群像劇
どの作品も僕は好きですが、物語的には一番最初の話がよくできてるかなと思います。
最後の話も結構好きですね。
一番長い「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」はAIを育てる話ですけど、これはちょっとラストのところが分かりづらかったかなーっていう気もしなくもないです。
個人的に一番好きだったのは、「偽りのない事実、偽りのない気持ち」ですかね。
おそらくこれから常時接続するAIっていうのは実現化してくると思いますけど、それを先取りするような内容で、なかなか楽しかったです。
父親と娘の話なんて、ちょっと身につまされるところもあったりして…。
全体として、設定や要素はハードSFなんですけど、物語性が強くて、小難しい感じがしないところがいいなと思います。
SFのギミックはツールで、語りたいのは愛情とか人生とか家族とか、そういうものだっていうのが基本にあるからだと思いますし、それが強く全面に出てるっていうのがデッド・チャンの特徴なんじゃないでしょうか。
長編には向かないスタンスかもしれませんけどね。
それぞれそれほど長くない短編が入っていますから、時間がある時に1話ずつ読んだりするのにおすすめかもしれません。
それでいてSFの最前線に触れることができる作品集でもあるんですよね。
次の短編集も期待
…と言いたいところですが、とにかく寡作な作家さんで…w。
僕が生きてる間に是非とも次を…って感じかも。マジで。
#読書感想文
#息吹
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