鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

思ってたよりも、保守的な感じじゃなくて結構楽しかったです:読書録「生きる言葉」

・生きる言葉
著者:俵万智
出版:新潮新書

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ベストセラーリストに載ってるのを見かけて買ってみました。
多分俵万智さんの作品では「サラダ記念日」をさらった読んだだけだと思うんですけど、この本に関連してるかどうかわかんないですけど、俵さんが人工授精で息子さんを設けていたって言う記事を見かけて、
「あ、そんなトンがった人だっけ?」
と、ちょっとびっくりしたのがきっかけです。
まぁ、妻によれば、
「俵さんて昔からトンがった人だよ」
って話で、極めて散文的な僕が全然チェックしてなかったってだけのようですけど。

 

(Amazon)
本の概要
スマホとネットが日常の一部となり、顔の見えない人ともコミュニケーションできる現代社会は、便利な反面、やっかいでもある。言葉の力が生きる力とも言える時代に、日本語の足腰をどう鍛えるか、大切なことは何か――恋愛、子育て、ドラマ、歌会、SNS、AIなど、様々なシーンでの言葉のつかい方を、歌人ならではの視点で、実体験をふまえて考察する。

【目次】

はじめに

1 「コミュ力」という教科はない
ヘレン・ケラーの「WATER」  絵本は生身のコミュニケーションツール  自然の中で「めいっぱい遊ぶ」  山奥の全寮制中学  過不足なく気持ちを伝える  言葉の力を鍛えてくれるもの  渋柿を甘くする知恵  スマホなしの中高時代  「みんな仲良く」と言われ続けて
【コラム】10才のひとり旅
 
2 ダイアローグとモノローグ
「それはでも、あれじゃないか」  つかこうへいさんの稽古場  野田秀樹さんの稽古場  同じ言葉を違う文脈で  「愛の不時着」リ・ジョンヒョクの言葉
【コラム】心の中の音楽を

3 気分のアガる表現
ラップも短歌も言葉のアート  夢中・得意・努力  息子との様々な言葉遊び  相手へのリスペクト  日本語ラップの独自の土壌  句またがり的韻踏み  日本語をリズミカルにする魔法
【コラム】川原繁人先生との出会い
 
4 言葉が拒まれるとき
思いがけない反応  クソリプに学ぶ  しゃべる家電たち
【コラム】詩が日常にある国

5 言い切りは優しくないのか
何でもハラスメント  マルで終わる日本語  「曖昧表現が好き」という感覚  いろいろな「界隈」  言葉の輪郭を曖昧にする「も」
【コラム】流行語の難しさ

6 子どもの真っすぐな問いに答える
本質を突いてくる質問  【なんで悲しいときに涙が出るの?】【説明できないわからない気持ちがあるのはなんで?】【人間はどうして勉強しなきゃいけないの?】他
【コラム】賢い人って、どういう人?

7 恋する心の言語化、読者への意識
ヒコロヒー『黙って喋って』の魅力  塩梅が大事  どういう状況で読まれるか  言葉のマジック
【コラム】河野裕子の恋の歌

8 言葉がどう伝わるかを目撃するとき
歌会のススメ  読者が参加して完成する  歌うに値する体験
【コラム】「夜の街」から生まれた『ホスト万葉集』

9 和歌ならではの凝縮力と喚起力
最重要のコミュニケーションツール  一生かけての答え合わせ  『枕草子』にみる美意識  『源氏物語』という装置  和泉式部、尋常でない言葉のセンス  「宿ってしまった歌」とは  道長の「あの一首」
【コラム】短歌の現場、言葉探しの旅

10 そこに「心」の種はあるか
1から100より0から1を  万智さんAI AIの優しさにグッときて  やるじゃないか、AI  作品の価値を決めるもの

11 言葉は疑うに値する
「贅沢」を感じられる言葉遣い  谷川俊太郎さんのこと
 
おわりに


内容については特に強い主張があるって言うわけじゃないので、何かまとめて言う事は無いんですけど、僕は思ってるよりも興味深く読むことができました。
なんだかんだ言って子供を持ってるっていうのは面白いですね。
自分の世代とは違う世代の情報が入ってきて、それによって感化されるって言うところがありますから。
俵さんのエッセイの中で、RHYMESTERのマギーDの話を読めると思いませんでしたw。
ラップに関しては、僕自身はちょっとまだわからないところがあって乗り切れてないんですけど、そこら辺しっかりフォローして自分の中に取り込めている俵さんはさすがだなと思います。
子供を持って違う世代とアクセスできるようになっても、最終的には自分自身の感性が問題…ということでしょうかね。
僕の子供は2人とも大学生になってて、もうすぐ自立することになると思うので、そういう意味じゃそっから先がちょっと心配。
自立してくれないとそれはそれで心配だけどw。


AIとの距離感なんかもなかなか興味深い。
一方的に否定するわけではなく、そこに面白みや価値を見出しているところがあって刺激的です。
結局のところ、AIが何を言ってこようが、その結果を選択したり、そこから何かを感じたりするのは、自分自身=人間ですからね。
その感性に対する自信があればこそ、AIをツールとして冷静に評価できると言うところでしょうか。
かなり正しい理解なんじゃないかなぁ。


今は息子さんは東京で大学生をやっていて言語学を学んでおられるようです。
そして俵さん自身はご高齢になったご両親の面倒を見るために仙台に住んでいらっしゃるとか。
そういう生き方や関係性が、俵さんの中の感性をブラッシュアップし続けていくんでしょうね。
誰にでもできることじゃないけど。


まぁ読んでよかったです。
これを機に他の俵さんの歌集も読んでみようかな
…とはならないんですけどね。これがw

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